2階が暑いのには原因がある!今できる対策方法とは|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2021.07.30 / 更新日 2024.07.23

寒さ・暑さ対策

2階が暑いのには原因がある!今できる対策方法とは

2階が暑い理由は

WRITER

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

夏になると2階がとても暑くなります
エアコンを切ると寝苦しくて目覚めてしまう

毎年、夏になると2階の暑さについてのご相談を非常に多くいただきます。はっきり断言できるのは、これらの問題には明確な原因があり正しい対処を行えば解決ができるということです。そこでこの記事では、夏の2階の暑さは何が原因なのか、どういった対策が有効なのかについて詳しく解説します。

2階が暑くなる原因とは?

結論から言いますと、2階が暑くなる最大の原因は建物の断熱性能不足にあります。

建物における断熱とは、外の寒さや暑さといった不快な熱を防いで室内の温度を快適に保つことを指します。例えば外気温が35℃を超える猛暑日であったとしても、家の中が28℃で保たれていれば涼しく過ごすことができますよね。

その手段として非常に役立つのが断熱というわけです。ただ、現在の日本では断熱がしっかり機能しておらず、2階が暑いと感じてしまう建物がとても多いのが実情です。「暑さを何とかしたい」というご相談をいただく度に、それを実感させられます。

2階が特に暑い理由

私たちの生活を不快にする暑さは室外から室内に入ってきます。室内よりも室外が高温であれば熱が移動してきますから、部屋の温度は上昇してしまうのです。外の気温が高いと室温も高くなるのは、簡単に想像できると思います。

では、どうして2階が特に暑くなりやすいのでしょうか?その理由はズバリ、熱が移動する場所にあります。実は夏の2階の暑さは屋根からの熱窓からの日射が大きな要因となっているのです。

暑い家の図

(写真)日射により室内が暖められる。
涼しい家の図

(写真)熱を遮れば室内は涼しくなる。

 
夏の日中、屋根はかなりの高温になります。強い日差しに照りつけられた屋根から熱が建物へと侵入し、屋根裏空間をまるでサウナのような状態にします。その時の温度は60℃まで上がることもあり、私たち調査スタッフも屋根裏に2、3分入っただけで汗だくになってしまいます。

屋根裏の温度

(写真)夏の屋根裏。この日は外気温が32℃だった。
屋根裏のサーモグラフィ

(写真)サーモグラフィでみると40℃を超えている。

 
天井板1枚を隔てて、これほど暑い空間があるわけですから、2階が暑くなるのも当然のような気がしてきますよね。

また、日差しが直接入ってくる窓は日射による熱で直接室内を暖めてしまう原因となります。日当たりの良い部屋が暑い場合は、窓の断熱・遮熱性能にも目を向けてみることが大切です。

エアコンをつけても涼しくならないのはなぜ?

屋根裏が暑いことエアコンをつけても部屋が涼しくならないことは大きく関係しています。なぜなら、屋根裏の影響を受けて高温になった天井板が輻射熱という形で暑さを室内に伝え続けているからです。

輻射熱とは高温の物体が放出する、周辺を暖かくする熱のことをいいます。例えば薪ストーブや真夏のアスファルトなどが当てはまりますね。実はこれらと同じ現象が天井板で発生しているのです。

天井が暑い部屋

(写真)天井の表面温度が39℃を超えており、屋根裏の熱が室内に伝わっている。
エアコンを付けても天井が暑い部屋

(写真)冷房を付けても天井の熱が無くなっていない。室内に温度ムラができている。

 
2階にムワッとした熱がこもっている」「2階へ上がった瞬間、熱気の中に頭から突っ込んでいくような感じを覚えた」という経験こそが、まさに天井板から輻射熱を受けている証拠です。

天井板が部屋を温めるような状態が続いている限り、いくらエアコンで部屋を涼しくしようと冷気を放出しても、なかなか部屋は涼しくなりません。冷房と暖房を同時に使っているようなものなのです。

夜になっても2階は暑い!?

また、さらに厄介なのは屋根裏の温度は夜になっても下がらないという点です。先ほども述べたとおり、日中の屋根裏空間は実に60℃もの高温になります。これほどの温度になると、夜になったとしても中々すぐに冷めることはありません。そして、この高温の空気は夜の間もずっと天井板を温め続けています。

天井が暑い部屋

(写真)天井の野縁(枠材)が見えることから断熱材が全く入っていないことがわかる。
断熱材の入っていない屋根裏

(写真)屋根裏には断熱材が入っておらず部屋に熱が伝わっている。

 
つまり、天井板は夜になっても冷めることなく熱を発し続けているのです。このことが夜の蒸し暑さの原因となってしまっています。「寝る時にエアコンを切った瞬間部屋が暑くなってしまう」というのは外が暑いことだけが理由ではありません。本当の原因は建物の中に隠れているというわけです。

断熱材があっても暑くなるのはなぜ?

本来であれば、2階が暑い状況にならないようにするのが断熱材の役割です。断熱材をしっかりと設置してあれば、夏の暑さが室内に侵入することはありません。冷房もしっかり効きますし、冷房を切っても涼しさが持続します。

しかし、残念ながら断熱材がしっかりと設置されている住宅は極めてまれです

屋根裏の断熱材の隙間

(写真)断熱材が置かれているが一部に隙間があり天井板が見えている。

(写真)断熱材がずれている上に、壁の隙間が空いてしまっている。

 
断熱にこだわりを持って家を建てている工務店さん以外では、断熱のことは軽視されていると言っても過言ではありません。特に築年数が20年以上の住宅では、私の経験上ほぼ全ての住宅において断熱材がしっかり設置されているとは到底言えないのが現状です。

例えば隙間だらけの状態で施工されていたり、そもそもの厚みが足りていなかったり・・・。断熱材が不十分な状態であることは本当に日常茶飯事です。しかしそれでは断熱材を活かすことはできず、建物の暑さも解決できないのです。

2階の暑さ対策はどうすれば良い?

ここまで、エアコンを使っても室内が暑いのは熱の移動が原因であること、建物の断熱が不十分であるがゆえに熱の移動を防げていないことが原因であると解説してきました。では、夏でも快適に過ごすにはどうしたら良いのでしょうか?それは断熱性能の補強です。

つまりは、室外から室内へ熱が入ってこないよう断熱性能を底上げすれば良いわけです。ここからは、暑さを遮るための代表的な対策をご紹介していきます。

手軽に熱を遮る方法

一番手軽な方法は、カーテンやブラインドで窓からの日差しを遮ることです。特に遮熱カーテンと呼ばれる厚手のカーテンなら窓からの日差しを遮断する効果があり、室内に侵入する熱を抑制することができます。

カーテン

(写真)厚手のカーテンで日差しを直接遮れば熱の侵入は抑えられる。
断熱ブラインド

(写真)ブラインドでは断熱ブラインドの使用が効果的。

 
ただ注意すべき点として、状況によりかえって室温を上昇させるリスクがあることも覚えておかなければいけません。カーテンやブラインドでは隙間が多く、設置するのは必然的に室内側であることから遮熱効果には限界があります。

しかも、室内に入り込んだ熱を自らが遮る形になるので、先ほどご紹介した天井板のようにカーテンそのものが熱を持ち、それを放出し続けることになります。

これらの事から、カーテンやブラインドが真夏のような暑い日に長時間にわたって強い日差しを受け続けた場合、逆に室温を上昇させる一因になってしまう可能性があります。お手軽である反面、どうしても効果は限定的となりますね。

効果的に熱を遮る方法

夏場の室温上昇を抑えるのであれば、窓の外側で日差しを遮ることを強くお勧めします。具体的には、スダレやヨシズを窓際に立てかける昔ながらの方法です。

日差しをそもそも室内に入れないようにすることで、カーテンやブラインドに比べてより効果的に暑さ対策ができます。費用対効果も想像以上です。欠点としては劣化が早いことです。使い方や日照条件にもよりますが、1シーズンで交換が必要な場合もあります。

シェード

(写真)予算に余裕があればオーニングやシェードもおすすめ。
すだれでの暑さ対策

(写真)よしずの使用例。窓だけでなく玄関前にも使える。

 
また、強風の際には倒れたり飛んでしまったり、破損してしまうこともありますので、固定したり取り外すといった手間が必要になることも想定されます。しかし、元々の費用が比較的安価であることから最初からワンシーズンで使うつもりくらいに割り切っておけばいいのではないかと思います。

日差しを遮るためには非常に効果が高い方法ですので、まずは家の外側から日射対策を始めてみてください。

より確実に熱を遮る方法

上記2つの方法はどちらかと言うと応急処置的な対策です。天井や窓など「熱が移動できる箇所」そのものに対策を施したわけではないので、結局はあまり変化を感じられなかったという方も多いです。最終的には部屋は暑くなってしまいますし、根本的な対策にならないんですね。

最初から確実に効果がある方法で暑さ対策をしたい場合は、やはり専門業者による断熱リフォームがおすすめです。費用はかかりますが、長い目で見れば満足度も段違いで効果もより強く実感できるでしょう。

屋根裏の断熱リフォーム(断熱材追加)

天井からの熱を根本的に解消するには、やはり屋根裏の断熱材をしっかり施工することです。不十分な断熱材の上から新たに断熱材を追加することで隙間を無くし、厚みも十分に増やすことができます。

(写真)グラウウール断熱材を追加施工した屋根裏。隙間なく施工すれば十分な効果がある。

(写真)セルローズファイバー断熱材を施工した屋根裏。隙間なく施工できるため効果は高い。

 
施工するには断熱リフォーム専門業者に依頼することになりますが、職人が屋根裏に入って施工するため住んだまま1日〜2日程度で工事することができます。また、リフォームで使う断熱材はグラスウールやセルローズファイバー、現場発泡ウレタンフォームの3種類が一般的です。

それぞれの断熱材にはメリット・デメリットがありますが、適切に使用すればどれもしっかりとした効果を発揮します。ちなみに、断熱リフォームの匠(弊社)ではセルローズファイバーと袋入りの高性能グラスウールを採用しています。

窓の断熱リフォーム(内窓・二重窓の設置)

天井からの暑さだけでなく窓からの日射が気になる場合は、窓の遮熱性能強化が非常に効果があります。窓のリフォームについては内窓(二重窓)の設置がコストと効果を考えるとおすすめです。

(写真)現在の窓と新しい窓の間に空気層を作る内窓。写真はYKK APプラマードU。

(写真)壊さず施工できるため、住みながらリフォームが可能。

 
特に、夏の日射に効果があるのが遮熱型Low-E複層ガラスを使用した内窓です。光はしっかり取り込みつつ日射の熱を吸収・反射できるため直射日光が入り込む場合は非常におすすめできます。

内窓は、既存の窓の内側に取り付けて断熱性能を向上させるものです。既存の窓もそのまま活用するため、サッシや壁を壊す心配がありません。1箇所あたり最短で60分程度で取り付けを行えるため、リフォーム時の時間的負担もかからず非常に効率的な工法と言えるでしょう。

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まとめ

今回は、家の2階が暑いと感じてしまう原因やその対策についてご紹介しました。2階の暑さは一戸建て住宅に住んでいるほとんどの人が経験する悩みだと思います。この悩みはほぼ全ての場合、家の断熱性能の不足が原因です。

確かにエアコンを使えば涼しくなりますが、暑くなった室内を冷房で冷やすよりも建物を暑さから守る工夫をする方がはるかに効率的です。実際、天井断熱のリフォームをしていただいたお客様からは、「2階の暑さがなくなった」というお喜びの声を非常に多くいただいております。

毎日のように「暑い!」と感じながら過ごすよりも、適度な冷房だけで涼しく過ごせるなら、心身のストレス軽減にもつながり、自宅が今までよりもリラックスできる空間にできるのではないでしょうか?

断熱リフォームで非効率な生活から脱却し、涼しくて快適な生活を手に入れましょう。

矢崎
矢崎
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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。

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