2階が暑いのには原因がある!今できる対策方法とは|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2021.07.30 / 更新日 2026.06.26

寒さ・暑さ対策

2階が暑いのには原因がある!今できる対策方法とは

2階が暑い理由は

WRITER

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廣澤 健一郎

環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。

夏になると2階がとても暑くなります
エアコンを切ると寝苦しくて目覚めてしまう

毎年、夏になると2階の暑さについてのご相談を非常に多くいただきます。はっきり断言できるのは、これらの問題には明確な原因があり正しい対処を行えば解決ができるということです。そこでこの記事では、夏の2階の暑さは何が原因なのか、どういった対策が有効なのかについて詳しく解説します。

2階が暑くなる原因とは?

結論から言いますと、2階が暑くなる最大の原因は建物の断熱性能不足にあります。

建物における断熱とは、外の寒さや暑さといった不快な熱を防いで室内の温度を快適に保つことを指します。例えば外気温が35℃を超える猛暑日であったとしても、家の中が28℃で保たれていれば涼しく過ごすことができますよね。

暑い家の図

(写真)日射により室内が暖められる。
涼しい家の図

(写真)熱を遮れば室内は涼しくなる。

 
その手段として非常に役立つのが断熱というわけです。ただ、現在の日本では断熱がしっかり機能しておらず、2階が暑いと感じてしまう建物がとても多いのが実情です。「暑さを何とかしたい」というご相談をいただく度に、それを実感させられます。

では、なぜ断熱性能が不足していると、特に「2階」がこれほどまでに暑くなってしまうのでしょうか。そこには、家を取り巻く以下の「4つの原因」が複雑に絡み合っています。順に見ていきましょう。

原因①:屋根・天井からの熱と「輻射熱」

夏の小屋裏の表面温度

夏の強い日差しを直接受ける屋根は、家の中で最も太陽の熱を吸収しやすい場所です。

屋根の表面温度は70℃を超えることもあり、その熱はじわじわと建物内部へ伝わって、屋根裏空間をまるでサウナのような状態にします。その時の屋根裏の温度は60℃近くまで上がることもあり、私たち調査スタッフも屋根裏に2、3分入っただけで汗だくになってしまうほどです。

屋根裏の温度

(写真)夏の屋根裏。この日は外気温が32℃だった。
屋根裏のサーモグラフィ

(写真)サーモグラフィでみると40℃を超えている。
廣澤
廣澤
天井板1枚を隔てて、これほど暑い空間があるわけですから、すぐ下にある2階が暑くなるのも当然のような気がしてきますよね。

エアコンをつけても涼しくならないのはなぜ?

屋根裏が暑いことエアコンをつけても部屋が涼しくならないことは大きく関係しています。なぜなら、屋根裏の影響を受けて高温になった天井板が輻射熱という形で暑さを室内に伝え続けているからです。

輻射熱とは、高温の物体が放出する周辺を暖かくする熱のことで、薪ストーブや真夏のアスファルトなどで感じる熱と同じ現象です。実はこれと全く同じ現象が、2階の天井板で発生しているのです。

天井が暑い部屋

(写真)天井の表面温度が39℃を超えており、屋根裏の熱が室内に伝わっている。

(写真)冷房を付けても天井の熱が無くなっていない。室内に温度ムラができている。

 
2階にムワッとした熱がこもっている」「2階へ上がった瞬間、熱気の中に頭から突っ込んでいくような感じを覚えた」という経験こそが、まさに天井板から輻射熱を受けている証拠です。

廣澤
廣澤
天井板が部屋を温めている状態では、いくらエアコンの冷気を放出してもなかなか涼しくなりません。それはまるで、冷房と暖房を同時に使っているような状態なのです。

夜になっても屋根裏の熱は下がらない

さらに厄介なのは、屋根裏の温度は夜になっても下がらないという点です。日中に高温になった屋根裏の空気は、夜になっても中々冷めることはありません。そして、この高温の空気が夜の間もずっと天井板を温め続けているのです。

天井が暑い部屋

(写真)天井の野縁(枠材)が見えることから断熱材が全く入っていないことがわかる。
断熱材の入っていない屋根裏

(写真)屋根裏には断熱材が入っておらず部屋に熱が伝わっている。

 
つまり、天井板は夜になっても冷めることなく熱を発し続けているのです。このことが夜の蒸し暑さの原因となってしまっています。「寝る時にエアコンを切った瞬間部屋が暑くなってしまう」というのは外が暑いことだけが理由ではありません。本当の原因は建物の中に隠れているというわけです。

原因②:窓からの直射日光と「ベランダの照り返し」

家の中に侵入する熱の多くは、実は「窓」から入ってきます。特に2階の窓は、1階と比べて周囲の建物や樹木などによる日陰ができにくく、太陽光が直接差し込む時間が長くなる傾向があります。日差しが直接入ってくる窓は、日射による熱で直接室内を暖めてしまう大きな原因となります。

さらに、2階ならではの見落としがちな要因が、ベランダやバルコニーからの「照り返し」です。ベランダの床面のコンクリートや防水層は、真夏の直射日光を吸収して非常に高温になります。その熱が照り返しとして隣接する窓や外壁に当たり、室温をさらに押し上げてしまうのです。窓際に立ったときに外からモワッとした熱気を感じる場合は、この照り返しが大きく影響している可能性があります。

(写真)2階のバルコニー。直接日光が差し込み、照り返しも発生する。
2階の部屋とベランダ

(写真)2階は日差しを遮る樹木や障害物が少なく日光が入り込みやすい。

 
特に、南向きの窓は日中の強い日差しを、西向きの窓やベランダは午後から夕方にかけての強烈な西日を受けやすいため、室温上昇への影響はより深刻です。日当たりの良い部屋が極端に暑い場合は、屋根だけでなく、窓の断熱・遮熱性能にも目を向けてみることが大切です。

原因③:暖かい空気が上昇してこもる「対流」

熱の移動だけでなく、空気そのものの性質も2階が暑くなる大きな要因です。空気は温められると膨張して軽くなり、上へ上へと移動する性質(対流)を持っています。そのため、1階での生活(日中の活動や調理など)で発生した熱気や、日中に室内にこもった暖かい空気が自然と2階へと上昇してしまうのです。

特に、吹き抜けやリビング階段のある開放的な間取りの住宅では、1階で温められた空気が直接2階へ上がりやすいため、この傾向がより顕著に現れます。1階でエアコンをつけても冷気は下に留まり、暖気だけが2階に集まってしまうケースも少なくありません。

2階にたまる熱気

さらに、日中ドアや窓を閉め切っていて換気が不十分な状態だと、上昇してきた熱気が逃げ場を失い、2階に滞留し続けてしまいます。2階に上がったときに感じる「ムワッ」とした息苦しい熱気は、屋根からの熱に加えて、この「行き場を失った暖かい空気」がこもっていることも原因の一つです。

原因④:断熱材があっても暑い!?「施工不良」の実態

ここまで、屋根や窓からの熱、そして空気の対流といった様々な原因を挙げてきました。冒頭でお伝えした通り、これら①〜③の要因による熱を防ぎきれず、2階が暑くなる最大の原因となっているのが「建物の断熱性能不足」です。

本来であれば、2階がこれほど暑い状況にならないように防ぐのが断熱材の役割です。断熱材をしっかりと設置してあれば、夏の暑さが室内に侵入することはありませんし、冷房もしっかり効いて、切った後も涼しさが持続します。

しかし、残念ながら断熱材がしっかりと設置されている住宅は極めてまれです

屋根裏の断熱材の隙間

(写真)断熱材が置かれているが一部に隙間があり天井板が見えている。

(写真)断熱材がずれている上に、壁の隙間が空いてしまっている。

 
断熱にこだわりを持って家を建てている工務店さん以外では、断熱のことは軽視されていると言っても過言ではありません。特に築年数が20年以上の住宅では、私の経験上ほぼ全ての住宅において断熱材がしっかり設置されているとは到底言えないのが現状です。

例えば隙間だらけの状態で施工されていたり、そもそもの厚みが足りていなかったといった、断熱材が不十分な状態であることは本当に日常茶飯事です。しかしそれでは断熱材を活かすことはできず、建物の暑さも解決できないのです。

2階の暑さ対策はどうすれば良い?

ここまで、エアコンを使っても室内が暑いのは熱の移動や空気の対流が原因であること、そして建物の断熱が不十分であるがゆえにそれらを防げていないことが最大の要因であると解説してきました。
では、夏でも快適に過ごすにはどうしたら良いのでしょうか?ここからは、今日からすぐにできる手軽な応急処置から、根本的な断熱リフォームまで、暑さを防ぐための具体的な対策を段階別にご紹介していきます。

お金をかけずに今すぐできる!手軽な暑さ対策(室内対策)

まずは、特別な工事を行わずに、お金をかけず今日からすぐに実践できる室内での暑さ対策から見ていきましょう。

1.サーキュレーターで冷気を部屋全体に循環させる
エアコンの冷えが悪いと感じる場合は、サーキュレーターや扇風機を併用するのが効果的です。
 
エアコンの対角線上にサーキュレーターを配置して風を送ることで、室内の空気を循環させ、冷暖房効率をアップさせることができます。また、暖かい空気が天井付近に滞留している場合は、サーキュレーターを天井に向けて風を送り、上部に溜まった熱気を拡散させることで温度のムラを解消できます。
 
エアコンとサーキュレーター
2.涼しい時間帯の「窓開け換気」でこもった熱を逃がす
2階には暖かい空気がこもりがちです。これを解消するために、外気温が低い早朝や夜間、あるいは冷房をつける前には、一度窓を開けて室内にこもった熱気を外に逃がしましょう。このとき、部屋の対角線上にある2ヶ所の窓を同時に開けることで風の通り道ができ、効率よく空気を入れ替えることができます。

空気の入れ替え

3.ベランダへの「打ち水」で照り返しを和らげる
2階ならではのベランダからの「照り返し」には、昔ながらの「打ち水」が有効です。気温がやや下がり始めた夕方頃にベランダの床面へ水をまくことで、水が蒸発する際の「気化熱」によって周辺の温度が下がり、体感温度を涼しくすることができます。

 
これらの方法はコストをかけずにすぐに実践できるため、ぜひ今日から試していただきたい対策です。しかし、サーキュレーターや換気といった室内対策は、あくまで「すでに室内に入ってしまった熱」を和らげたり排出したりするための応急処置にすぎず、熱の侵入そのものを完全に防ぐことはできません。

窓に強い日差しが直接当たり続ける2階の部屋では、室内だけの対策ではどうしても限界があります。根本的な暑さ対策を目指すなら、熱が室内に入る前にブロックする「外側での遮熱」や「断熱対策」を組み合わせることが非常に重要になってきます。

日差しを遮る!窓まわりの遮熱対策(外側遮熱)

窓から侵入する強力な日射熱を防ぐには、対策を行う場所が非常に重要になります。ここでは、窓まわりの効果的な遮熱対策について見ていきましょう。

1.すだれやサンシェードで「窓の外側」から熱を遮る
夏場の室温上昇をしっかり抑えるのであれば、窓の外側で日差しを遮ることを強くお勧めします。具体的には、スダレやヨシズを窓際に立てかけたり、サンシェードやオーニングを設置する方法です。
太陽の熱がガラスを透過して室内に入る前に、建物の外側でブロックしてしまうことで、室内のカーテンやブラインドに比べてより効果的に暑さ対策ができます。費用対効果も想像以上です。
 
欠点としては、雨風の影響を受けやすく劣化が早いことです。使い方や日照条件にもよりますが、1シーズンで交換が必要な場合もあります。また、強風の際には倒れたり飛ばされて破損してしまうこともあるため、固定したり取り外すといった手間も想定されます。しかし、元々の費用が比較的安価であるため、最初からワンシーズンで使い切るつもりで割り切れば、非常に効果が高く手軽な日射対策となります。

シェード

(写真)予算に余裕があればオーニングやシェードもおすすめ。
すだれでの暑さ対策

(写真)よしずの使用例。窓だけでなく玄関前にも使える。
2.遮熱カーテンやブラインドの効果(注意点)
外側での対策が難しい窓の場合は、一番手軽な方法として、遮熱カーテンや断熱ブラインドで室内側から日差しを遮る方法があります。
 
ただ注意すべき点として、状況によりかえって室温を上昇させるリスクがあることも覚えておかなければいけません。カーテンやブラインドでは隙間が多く、設置するのは必然的に室内側であることから遮熱効果には限界があります。
 
しかも、室内に入り込んだ熱を自らが遮る形になるので、先ほどご紹介した天井板のようにカーテンそのものが熱を持ち、それを放出し続けることになります。これらの事から、カーテンやブラインドが真夏のような暑い日に長時間にわたって強い日差しを受け続けた場合、逆に室温を上昇させる一因になってしまう可能性があります。お手軽である反面、どうしても効果は限定的となりますね。

カーテン

(写真)厚手のカーテンで日差しを直接遮れば熱の侵入は抑えられる。
断熱ブラインド

(写真)ブラインドでは断熱ブラインドの使用が効果的。

根本から解決!専門業者による断熱リフォーム(断熱対策)

上記2つの方法はどちらかと言うと応急処置的な対策です。天井や窓など「熱が移動できる箇所」そのものに対策を施したわけではないので、結局はあまり変化を感じられなかったという方も多いです。最終的には部屋は暑くなってしまいますし、根本的な対策にならないんですね。

最初から確実に効果がある方法で暑さ対策をしたい場合は、やはり専門業者による断熱リフォームがおすすめです。費用はかかりますが、長い目で見れば満足度も段違いで効果もより強く実感できるでしょう。

1.屋根裏の断熱リフォーム(断熱材追加)
天井からの熱を根本的に解消するには、やはり屋根裏の断熱材をしっかり施工することです。不十分な断熱材の上から新たに断熱材を追加することで隙間を無くし、厚みも十分に増やすことができます。

(写真)グラウウール断熱材を追加施工した屋根裏。隙間なく施工すれば十分な効果がある。

(写真)セルローズファイバー断熱材を施工した屋根裏。隙間なく施工できるため効果は高い。

 

施工するには断熱リフォーム専門業者に依頼することになりますが、職人が屋根裏に入って施工するため住んだまま1日〜2日程度で工事することができます。また、リフォームで使う断熱材はグラスウールやセルローズファイバー、現場発泡ウレタンフォームの3種類が一般的です。
 
それぞれの断熱材にはメリット・デメリットがありますが、適切に使用すればどれもしっかりとした効果を発揮します。ちなみに、断熱リフォームの匠(弊社)ではセルローズファイバーと袋入りの高性能グラスウールを採用しています。
2.窓の断熱リフォーム(内窓・二重窓の設置)
天井からの暑さだけでなく窓からの日射が気になる場合は、窓の遮熱性能強化が非常に効果があります。窓のリフォームについては内窓(二重窓)の設置がコストと効果を考えるとおすすめです。

(写真)現在の窓と新しい窓の間に空気層を作る内窓。写真はYKK APプラマードU。
内窓の取り付け

(写真)壊さず施工できるため、住みながらリフォームが可能。

 

特に、夏の日射に効果があるのが遮熱型Low-E複層ガラスを使用した内窓です。光はしっかり取り込みつつ日射の熱を吸収・反射できるため直射日光が入り込む場合は非常におすすめできます。
 
内窓は、既存の窓の内側に取り付けて断熱性能を向上させるものです。既存の窓もそのまま活用するため、サッシや壁を壊す心配がありません。1箇所あたり最短で60分程度で取り付けを行えるため、リフォーム時の時間的負担もかからず非常に効率的な工法と言えるでしょう。

補助金を活用してお得に断熱リフォーム!

断熱リフォームと聞くと「費用が高いのでは」と心配される方も多いかもしれません。しかし現在、断熱性を高めるリフォームに対しては国や自治体の補助金制度(先進的窓リノベ事業など)が非常に充実しており、費用を大幅に抑えてお得に施工することが可能です。
「申請手続きが難しそう」という方もご安心ください。断熱リフォーム専門店である弊社では、面倒な補助金・助成金の申請もすべて代行しております。ご自宅が補助金の対象になるかどうかも含めて、プロがしっかりとサポートいたします。

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まとめ

今回は、家の2階が暑いと感じてしまう原因や、手軽にできる応急処置から根本的なリフォームまで、幅広い対策をご紹介しました。

2階の暑さは、一戸建て住宅に住んでいるほとんどの人が経験する悩みであり、そのほぼ全てが「家の断熱性能の不足」に原因があります。暑くなった室内を冷房で必死に冷やすよりも、熱を入れないように建物を守る工夫をする方がはるかに効率的です。
実際、天井断熱や内窓のリフォームをしていただいたお客様からは、「2階のムワッとした暑さがなくなった」「エアコンの効きが格段に良くなった」というお喜びの声を非常に多くいただいております。

毎日のように「暑い!」と感じながら過ごすよりも、適度な冷房だけで涼しく過ごせる空間を手に入れてみませんか?

廣澤
廣澤
断熱リフォームの匠では工事前に必ず無料断熱調査を実施しています。断熱リフォームや補助金のことなど、お気軽にご相談ください!
非破壊工法の断熱リフォームで日本トップクラスの実績
非破壊断熱工法の専門店
首都圏で年間200棟の施工実績
業界初の10年間工事品質保証
補助金・助成金の申請も代行
窓・床下・天井を壊さず断熱

1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。

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