断熱診断・断熱調査の流れや方法を解説|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2018.05.30 / 更新日 2024.10.05

断熱リフォーム

断熱診断・断熱調査の流れや方法を解説

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廣澤 健一郎

環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。

「断熱診断ってどんなことをするの?」
「断熱リフォームをする前に何ができるか点検してほしい」

断熱リフォームを検討中の方からこのようなご質問を頻繁にいただきます。断熱リフォームを実施する前には必ず断熱診断(無料断熱調査)を実施して「どのような対策ができるのか」「断熱性能は現在どの程度か」「補助金を使うことができるか」などを把握します。

当記事では、その断熱診断の内容や申し込みから調査までの流れについて詳しく解説し、皆様の疑問にお答えしていきます。

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断熱診断(調査・点検)の流れ

まず、断熱診断と言っても、実施する業者によって方法は様々です。ここでは弊社(断熱リフォームの匠)の無料断熱診断の流れを参考に解説していきます。

参考
断熱診断は大きく分けると2種類あります。一つは「断熱リフォームの事前調査としての無料断熱診断」、もう一つが「U値などを測定する有料の断熱診断」です。
詳細な数値を算出したい、などの理由がある場合は有料診断が有効な場合もありますが、断熱リフォームで寒さ・暑さを改善するための調査である場合については、大抵の場合、無料の断熱診断で十分把握することができます。

申し込みの流れ

1.申し込み ウェブサイトの申込みフォームから「無料調査」を申し込みます。
2.調査日の決定 電話・メール等でのやり取りを行い調査日を確定します。
3.事前準備 点検口周囲の片付けなど、調査で確認する場所の整理等をお願いします。

 
断熱診断の流れ

1.ヒアリング 最初に暑さや寒さのお困りごとについてヒアリングします。
2.床下断熱材の調査 床下に入り、断熱材の厚みや素材、設置状況を調べます。
3.天井断熱材の調査 屋根裏に入り、断熱材の厚みや素材、設置状況を調べます。
4.窓(開口部)の調査 窓や玄関など断熱性能に関連する開口部の状態を調べます。
5.結果報告・ご提案 断熱診断の結果報告と、改修プランのご提案をいたします。

 
基本的な流れは上記のとおりです。断熱診断では、実際の断熱性能の確認だけではなくヒアリングも実施してどういった状態を改善したいかなどについても確認しております。詳細な流れについては以下で解説していきます。

申し込みの流れ

断熱診断・調査のお申し込みは、インターネットから行うことができます。具体的には、Webフォームからの申し込みやお電話でのお申し込みです。

1.申し込み
申し込みフォーム

メールフォームやお電話からお申し込み。お急ぎならお電話がスムーズです。
2.調査日の決定
電話での日程調整

電話ならその場で日程調整。メールフォームなら後ほど折り返しのご連絡で調査日を決定します。
3.事前の準備
点検口周辺の準備

調査をスムーズに行うため、点検口周辺の片付けなど事前準備をお願いします。

 
日程調整は、電話ならその場で行うことができるためお急ぎの場合はお電話がスムーズですね。それから、平面図などの図面もご準備いただけると調査の進行が大変効率的になります。

廣澤
廣澤
平面図などの図面は調査前にメールでお送りいただくとよりスムーズに調査・ご提案が可能です!

また、事前の準備として床下点検口や天井点検口の周辺の片付けをお願いしております。断熱診断の際には床下や屋根裏に直接入って断熱材の確認を行うため、点検口の蓋が開けられないと診断を行うことができません。

●どこを診てもらいたいか分からないときは
断熱診断はお客様のご希望に合わせて調査を実施します。そのため、2階の暑さなら屋根裏と窓の調査内窓だけ検討しているなら窓の調査全体の改善を検討中なら床下・屋根裏・窓の調査、という内容になります。
もしも、お家のどこを見てほしいか分からないときは、床下、屋根裏、窓、を全て診てもらうようにしましょう。どこを優先的に改善すべきかを総合的に判断してくれます。

断熱診断当日の流れ

断熱診断当日は、普通乗用車にて断熱調査スタッフがお伺いします。天候等については室内調査が中心となるため雨天でも実施可能です。また、所要時間は1時間から3時間程度となります。

おおよその所要時間

窓のみ 戸建:1〜2時間
マンション:1時間
窓・屋根裏(窓・床下) 〜2時間
窓・屋根裏・床下 2〜3時間
床下のみ 約1時間
天井のみ 〜1時間
天井・床下 1時間半〜2時間
廣澤
廣澤
調査の内容や建物構造によって所要時間は異なります。窓だけの調査なら1時間から2時間程度ですね。

①到着〜ヒアリング

1.到着
点検前のヒアリング

乗用車でお伺いします。ご自宅の駐車スペース、またはコインパーキングに駐車いたします。
2.ヒアリング
ヒアリング

調査前に、どのようなことでお悩みかをヒアリングいたします。

 
まずは暑さ・寒さのお困りごとについてヒアリングをいたします。よくいただく声として、

「夏に2階がとても暑くなる」
「エアコンが全然効かない」
「朝起きたら体が冷え切っている」
「足元の冷気がつらい」

などがあります。もしこういった状況にお心当たりがあれば断熱性能の不足が考えられます。ここで得られたヒアリングの内容を基に、断熱診断を実施していきます。

②床下断熱材の調査

1.点検口の養生
床下点検の養生

点検口からの出入りで塵が舞うためビニール等でホコリ対策を行います。
2.断熱材の調査
断熱材の床下調査

床下に入り断熱材の状況を確認します。厚み、材料、劣化等を調査します。

 
床下には台所の収納庫や洗面所などの床下点検口から床下に進入します。調査の際は、舞い上がるホコリ対策のために点検口周りを専用のビニールシートでテントのように囲い、ホコリがお部屋の中に入らないよう保護します。

和室の点検口作成
点検口が無い場合は
1階に床下点検口がない場合でも、和室があれば畳の下の荒床をカットして簡易的な点検口を作成することも可能です。こちらは無料にて実施しております。

床下では既存断熱材の厚みを計測し、国が設けた省エネ基準と比べてどの程度の性能を保有しているかを診断します。必要な断熱材の厚みは住んでいる地域や住宅の構造、素材などで異なるため、条件を照らし合わせていく必要があります。

(写真)6地域の基準を満たす断熱材。
厚み計測

(写真)十分な厚みが無い断熱材。

 
たとえば東京23区(6地域)で高性能グラスウールボードが施工されている住宅の場合、80mm以上の厚みがあれば現行の省エネ基準を満たしています。一方、上図2枚目の断熱材は厚みを計測してみると、十分な断熱性能を保有していないことが分かります。

フェノールフォームは40mmあれば現行基準を満たす

 
ただし、上写真のように断熱材の素材によっては一見薄い断熱材であっても十分な性能を持っている場合もあるため、断熱材には何が使われているかを確認することも重要です。

脱落して適切に施工されていない断熱材

 
また、断熱診断では性能だけでなく施工状態の確認も行います。断熱材は欠落したり脱落していると本来の性能を発揮できません。

点検口周りはきれいでも、床下の奥側では断熱材が欠落している、というケースもよく見かけます。また、新築当時は問題なくても木材の収縮で断熱材のサイズが合わなくなり落ちてしまうという場合もあります。

廣澤
廣澤
「性能の良い断熱材を使っているのに寒い」という場合は施工状態に問題がある可能性があります。

壁下に隙間が空いていると断熱性能は大きく低下する

 
意外と忘れられがちですが、壁下の隙間の確認も断熱診断の大切な要素です。壁下に隙間があると気流が発生し、建物の断熱に大きな影響を与えます。

気流止め

気流止めがない建物は床下の空気が断熱材の隙間から建物を通り抜けます。たとえ良い断熱材がしっかりと施工されていても、気流止めがないと外の空気がどんどん運び込まれて暑さや寒さを解消できないのです。

③天井断熱材の調査

屋根裏では天井断熱材の種類、厚み、施工状況に加え、ダウンライトや換気扇などの設備機器、換気の方法・状態なども診断します。

押入れ内の天井点検口

(写真)押入れ内の天袋の天井板を外して入るパターン。
天井点検口

(写真)天井点検口を開けて屋根裏に入るパターン。

 
小屋裏への進入は押し入れの天袋や天井点検口から行います。ロフトや屋根裏部屋がある場合は、屋根裏部屋の壁に天井裏に通じている点検口を利用することもあります。

断熱材に十分な厚みがないと夏の暑さの原因となる

 
床下同様、既存断熱材の素材や厚みを計測して現在の断熱性能を診断します。

適切に施工されていない天井断熱

 
天井断熱についてもやはり断熱材の施工状態によって発揮される性能は大きく異なります。適切でない状態で施工されていては夏の熱気を防ぐことができず、2階の暑さの原因となります。

隙間があると気流が発生し、暑さや寒さの原因となる

 
屋根裏でも壁上の隙間の存在は断熱材にとって天敵です。この隙間から天井裏の暑い空気が壁に侵入し、壁から暑さが伝わってしまいます。このような場所に気流対策が施されているかも診断していきます。

④開口部の調査

窓は建物全体の寒さ・暑さに大きく関係することから、断熱診断では現在の窓の性能についても調査してまわります。

窓については「内窓を自分で取り付けようと思ったけど製品が多すぎてよく分からなかったので結局相談することにした」とお話をいただくことがよくあります。

確かに窓は元々の性能や設置されている方角、形、大きさなどで最適な商品が異なってきます。また「施工はもちろんだが補助金の申請をしてくれたのも助かった」とお声をいただくこともあることから、事務的な手続きの煩雑さを感じておられる方も多いのかも知れませんね。

⑤結果報告と改修プランのご提案

ここまでご紹介した断熱診断を全て実施した場合はおおよそ2時間~3時間ほどで終了し、調査結果について撮影した写真をお見せしつつご報告します。その後、ヒアリングでお伺いしたお悩みや断熱診断の結果などを踏まえ、おすすめの断熱改修プランもご提案いたします。

また、断熱改修には国や地方自治体の補助金を活用できるケースが数多くあることから、どのプランではどれくらいの補助額が見込めるのかについてもご案内させていただきます。

まとめ

ドアの断熱調査中

今回は断熱リフォームの匠が行う断熱診断の流れをご紹介してきました。日本の住宅の断熱性能は先進国の中で最低レベルと言われています。

しかし逆に言えば、現状の寒さや暑さは断熱リフォームを通して改善できる余地が十分あるということでもあると思います。

「住み心地のいい家にしたい!」と思っておられるようでしたらぜひ一度、現在の断熱性能を見直してみてはいかがでしょうか。

廣澤
廣澤
断熱リフォームの匠では工事前に必ず無料断熱調査を実施しています。断熱リフォームや補助金のことなど、お気軽にご相談ください!
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窓・床下・天井を壊さず断熱

1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。

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