暑さの原因は屋根裏の断熱材不足!?あなたの家には断熱材が無いかも|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2021.09.16 / 更新日 2024.07.23

断熱材

暑さの原因は屋根裏の断熱材不足!?あなたの家には断熱材が無いかも

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

断熱リフォームの匠では、夏から秋にかけて「2階が暑いので何とかしたい」という趣旨のご相談を数多く受けるのですが、ほぼすべての建物にとある共通点があります。

それは、屋根裏の断熱材が適切に施工されていないということです。

私が調査でお伺いした物件の多くは、屋根裏にグラスウール断熱材が設置されていました。ではグラスウールが悪いのか?というと、そういうわけではありません。

何が悪いのかというと、屋根裏の断熱材が「正しく施工されていない」ことが原因で、本来の断熱性能を発揮できていない状態にあることです。

  •  夜に窓を開けても2階は暑いまま
  •  階段を上がると頭から熱気に突っ込んでいく感じがする
  •  エアコンを入れても涼しくならない
  •  タイマーが切れると暑くて目が覚めてしまう

あなたの家ではこのようなことはありませんか?もし心当たりがあるなら、その原因は屋根裏にあると見てほぼ間違いありません。

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屋根裏の断熱材不足が2階の暑さの原因!?

2階が暑くなるのは屋根裏の断熱材が正しく施工されていないのが原因、と最初にお話しました。

「正しくない施工」とは具体的には、

  • 断熱材が正しく設置されていない
  • 断熱材に本来必要な厚みがない

の2つです。つまり、2階が暑くなる原因は、

  • 屋根裏の断熱材があまりにも薄すぎる
  • 断熱材の敷き方がとてもいい加減

の2点です。

築20~築30年の家の断熱材が抱える問題

私たち断熱リフォームの匠が調査に伺うのは、多くが築20年~築30年程度の物件です。築25年前後までの日本の住宅では、一応断熱材が屋根裏にも敷き込まれています。

その代表とも言えるのが袋入りグラスウールです。袋入りグラスウールはその名の通り、ガラス繊維でできた断熱材を袋に詰めてあり、天井板の上にそのまま並べて敷き詰めることができます。

(写真)天井板に敷かれた袋入りグラスウール。

(写真)袋入りグラスウールは外壁沿いにもよく使われる。

 
築20年~築30年程度の家でよく見かける最も一般的な断熱なのですが、この方法には実は大きな問題があります。それは、断熱材同士のすき間が生まれやすいこと。そして熱を遮断するにはそもそも厚みが足りていないことです。

2階が暑くなるのは小屋裏の熱が原因

昼間の太陽光に熱されつづけた屋根裏にはものすごく熱気がこもります。屋根裏を覗いた経験があれば分かるかも知れませんが、まるでサウナのように驚くほどの高温です。

小屋裏の温度

(写真)屋根裏の点検口付近に置いた温度計。ここでも39℃に達している。
屋根裏のサーモグラフィ

(写真)サーモグラフィで撮影すると、木材の表面温度は40℃を超えている。

 
真夏の調査では私たち調査スタッフも2、3分もすればあっという間に汗だくになってしまいます。それだけ夏の屋根裏というのは熱がたまる場所なのです。

この熱が真下の生活空間まで影響を及ぼしてしまうせいで、2階はとても暑くなるというわけです。屋根裏の熱は夜になっても中々逃げていかず、寝苦しさの原因にもなります。

2階の快適さを決めるのは室内の「体感温度」

「体感温度」という言葉を聞いたことはありますか?体感温度とは、機械で計測した温度ではなく実際に私たちが身体で感じる温度感覚のことを指します。式で表すと「体感温度=(室温+部屋の表面温度)÷2」となります。身近な例を挙げてみましょう。

扇風機の風を浴びていると、実際より涼しく感じることはありませんか?これは室温が下がったからではなく、体感温度が下がったからです。

 
同じ仕組みで、天井の表面が熱くなっている部屋は実際の室温よりも暑く感じるようになります。

たとえ室温が25℃だったとしても、天井の表面温度が35℃もあったら、体感温度では「30℃くらいかな?」と私たちの身体は感じるようになるのです。

屋根裏から熱が運ばれてくると室温が上昇し、そして同時に体感温度も高くなります。結果として、余計に部屋の中が暑く感じられるようになってしまいます。

これではいくら冷房をつけても、室内が涼しいと感じるまでにはかなりの時間がかかります。屋根裏の熱が次から次へと天井から室内に降りてくるからです。

屋根裏の熱を「食い止められない」断熱材

本来、この熱をさえぎるのが屋根裏の断熱材の役割です。断熱材は、暑すぎる空気を室内に入れない冷たすぎる空気を室内に入れないという機能を果たし、家の中を快適に保つために使われる建材です。

しかし、あちこちにすき間が開いていたり厚みが足りていない断熱材では、その役割を果たすことができません。断熱材が十分な厚みで、しっかりとすき間なく敷きつめられていることが大切で、これが住宅の断熱材に求められる正しい状態です。

天井のサーモ

(写真)屋根裏の熱を食い止められていない天井例。熱が伝わっているのがわかる。
天井の熱

(写真)和室の天井。こちらも屋根裏からの熱が天井表面に伝わっている。

 
しかしながら、調査に伺ったほとんどの住宅では「十分な厚み」も「すき間なく敷きつめる」ことも満たされていないことがとても多いのです。中途半端な断熱層は、いとも簡単に熱に突破されてしまいます。この結果、屋根裏から2階の室内へと熱が入り込んでくるのです。

もしも長い脚立をお持ちでしたら、夏の晴れた昼間に2階の天井を触ってみてください。実際に触れてみると、かなり熱を持っていることが実感できると思います。(※触るときは転ばないようご注意ください)

熱が簡単に室内まで入ってくる状態、これは屋根裏の断熱不足が原因です。2階がいつまで経っても涼しくならないのは、「夏だから仕方がない」ものではありません。ただ単に、「屋根裏の熱を食い止められていないから」なのです。

なぜ正しくない施工が多いのか?
なぜ屋根裏の断熱材は、それほどまでに正しく施工されていないケースが多いのでしょうか。これは施工不良というわけではなく、断熱に詳しくない人が工事をしてしまっているという根本的な原因が考えられます。
 
大工さんは自分が建てる「家」には絶対の自信を持っていますが、断熱の専門家というわけではありません。断熱の重要性を詳しく知らない大工さんというのは意外と多いものです。
 
当然、グラスウールを正しくすき間なく敷きつめたりすることも考えていません。「断熱材はとりあえず入っていれば良い」と考えていては、正しい断熱はできないのです。
 
もちろん、断熱にも詳しい工務店さんはいます。ですがそういう人たちはほんの一部で、「断熱はおれたちの仕事ではない」と考えている大工さんがやはり多いと思います。

屋根裏の断熱材が不十分な事例

ここで少し、屋根裏調査の事例を紹介しましょう。

断熱材の厚みが足りていない事例
実際に調査に伺ったお客様宅の屋根裏の写真です。

(写真)銀色のものが断熱材。しっかり施工されているよう見えるが…

(写真)厚みを見ると5cm程度で全く足りていない。

 
袋入りグラスウールはちゃんと屋根裏にありますが、持ち上げてみると厚みはおよそ50mm程度。現在の新築では、グラスウール断熱材で言うと200mm近い厚さが天井には求められています。ほぼ4分の1ですから、性能が不足していることになります。

そして、敷かれたグラスウールをよく見てみると、デコボコした天井組みの木材に邪魔されて、あちこちがめくれ上がったり、天井板が見えてしまっています。

(写真)よく見ると雑に置かれていたりめくれ上がったしている。

(写真)ところどころには隙間が見られる。

 
これでは熱は天井板へ、そして私たちが過ごす室内へと移動して来てしまいます。このような断熱材は、本来の目的である「熱を食い止める」ことができません。

つまり、屋根裏のグラスウール断熱材がしっかりと施工されていないせいで、グラスウールも本来の性能を発揮できず、熱を食い止められないまま、新築から今までほぼ役に立たない状態で屋根裏に「あるだけ」の存在となってしまっているのです。

現に、2階が暑いとご相談を受けてお建物を見てみると、天井裏ではまるで厚みの足りていない断熱材があり、すき間から天井板があちこち見えてしまっているのです。

断熱材が全く無い家の事例

 
築年数が30年以上になると、そもそも断熱材がなく屋根裏から見た天井板はむき出しのままということも。これでは屋根裏の熱はより簡単に室内に侵入してきてしまいます。

もう少し詳しく見てみましょう。

(写真)屋根裏にはこのような隙間が見られることも。

(写真)この空洞が実は大きな問題となる。

 
天井で撮った写真ですが、空洞があります。この空洞がどこへ通じているかご存じでしょうか?答えは壁の中です。

部屋どうしの壁の間には、このような空洞があるのが一般的です。ここから、屋根裏の熱が壁の中へと伝わってきます。壁の中に入り込んだ熱気はやがて壁を通り抜けて室内へと移動していきます。

更には窓からも直接太陽光が入ってきますので、夏の2階は天井・壁・窓の3方向から熱の影響を受けていることになります。

屋根裏の断熱材の問題を解決するには?

ここまで、建物の2階が暑くなる原因とその実態について解説してきました。

屋根裏の断熱材に正しい施工を行なっていないと、冷房をいくら強くしたところで、暑さを根本的に解決することはできません。では、現状そのような状態になっている家は断熱材の問題をどうすればいいのでしょうか。

それは断熱リフォームです

断熱リフォームは、厚みの足りていないすき間だらけの断熱材を高性能な断熱材にするためのリフォームです。古い断熱材の上からすき間なく十分な厚みになるまで断熱材を追加し、屋根裏の熱を食い止めるだけの断熱層を作ります。

足りない分を上から断熱材を敷き詰めれば断熱性能は向上し、新築住宅と比べても遜色ない性能を発揮してくれることでしょう。これにより、夏の寝苦しさから開放された、快適な夏の夜を過ごせるようになるのです。実際に弊社(断熱リフォームの匠)でのリフォームの例を見ていきましょう。

壁も天井も壊さず低コストで行うリフォーム

断熱リフォームの匠では、「非破壊工法」という方法で屋根裏の断熱リフォームを行なっています。非破壊工法とは読んで字のごとく、天井板を剥がすなどの工事を行わずに断熱材だけを追加する工法です。

1.点検口への汚れ対策
天井の養生

ホコリや汚れ対策のために周囲を養生。
2.機材の設置
機材の設置

断熱材を吹き込むための機材を設置。
3.気流止めの施工
気流止め

屋根裏にある壁隙間を塞ぐための気流止め。
4.天井断熱材の施工
断熱リフォームの施工

非破壊工法で住んだまま施工を実施。

 
天井板を剥がさず、屋根裏にスタッフがもぐり込んで作業を行います。いわゆる普通のリフォーム工事と比べると工事は最短1日で、費用や工期を大幅に縮小できるという大きなメリットがあります。

「暑さは何とかしたい」
「だけど、大規模なリフォームは考えていない」
「予算もなるべく抑えたい」
「荷物の移動や引っ越しは面倒だ」
「内装はそのままで断熱性能だけを高めたい」

こんな方は、非破壊工法による断熱リフォームは最適です。

天井板を断熱材で完全に覆い尽くすと、屋根裏の熱は室内に降りてこなくなります。それによる天井板の表面温度は、計測事例として約6℃も改善することになります。冷房を切ったあとも涼しさが持続する、快適な空間となります。

まとめ

今回は、屋根裏の断熱材についてご紹介してきました。日本の住宅はそのほとんどが断熱性能不十分であり、屋根裏の熱が室内まで降ってくるために2階が高温で非常に不快な空間となってしまいます。

そのための根本的な解決策は、高性能な断熱材を新たに追加する「断熱リフォーム」の実施です。天井の断熱リフォームを行ったお客様からは、「2階へ上がるときに階段途中で感じる熱気がなくなった!」「夏でも2階と1階の温度差がほとんどなくなった」というお喜びの声を実際にいただいております。

矢崎
矢崎
2階の暑さが気になる方は、ぜひ一度断熱リフォームを検討してみてはいかがでしょうか?
非破壊工法の断熱リフォームで日本トップクラスの実績
非破壊断熱工法の専門店
首都圏で年間200棟の施工実績
業界初の10年間工事品質保証
補助金・助成金の申請も代行
窓・床下・天井を壊さず断熱

1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。

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