断熱リフォームの費用と価格相場を専門店が詳細解説!|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2020.07.04 / 更新日 2024.12.10
断熱リフォーム
断熱リフォームの費用と価格相場を専門店が詳細解説!

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廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
「断熱リフォームの費用はどれくらいかかりますか?」
「価格の目安を知りたいです」
断熱リフォームを検討の際、やはり大きな不安を感じるのが「価格」ではないでしょうか。お客様からも「リフォーム業者のサイトをみても価格が掲載されていなかった」「不要なリフォームまで勧められたらどうしようと不安だった」という話をよく聞きます。
そこで当記事では、断熱リフォーム専門店の私が施工内容ごとの費用目安をわかりやすく解説します!
目次
断熱リフォームの費用を左右する3つのポイント
断熱リフォームとは、住宅の断熱性能を向上させるリフォームのことで、近年の住宅省エネルギー化などの流れから注目が高まっています。しかし、その断熱リフォームも様々な工法や断熱素材の種類があるため、費用については把握しづらくなっている側面もあります。
断熱リフォームの費用はさまざまな要因によって変動しますが、以下の3つのポイントが特に大きな影響を与えます。これらの要素を理解しておくことで、計画段階で予算を把握しやすくなり、リフォーム後の満足度も高まるでしょう。
【ポイント1】断熱リフォームする箇所
断熱リフォームの費用は、施工する場所によって大きく異なります。例えば、窓1ヶ所の断熱工事であれば比較的手軽な工事で済むのに対し、壁や天井、床の断熱は住宅全体の構造に関わるため、より大掛かりな工事になることが多いです。


ただし、断熱リフォームにおいては、建物全体の断熱性能を向上させたほうが効果が出ます。窓1枚よりも1部屋全ての窓、1階全ての窓、家の全ての窓、という順番で効果が大きくなっていくイメージです。
もちろんその分、施工範囲が広がるほど費用も高くなるため、まずはどこを優先的に断熱するかを考えることが大切ですね。
【ポイント2】使用する断熱材の種類
断熱材にはさまざまな種類があり、それぞれ特性や価格が異なります。例えば、グラスウールや現場発泡ウレタンフォームといった一般的な素材はコストパフォーマンスに優れていますが、羊毛やフェノールフォーム、セルローズファイバーなど断熱材にこだわって選ぶと費用が高くなることがあります。
また、断熱材の厚さもコストに影響します。断熱性能の高い素材を使うことで長期的な省エネ効果が期待できるため、初期費用と効果のバランスを考慮することがポイントです。
【ポイント3】施工方法と規模
同じ場所の断熱リフォームでも、床や天井を壊して断熱材を入れ直すのか、床下や天井に入って断熱材を追加施工するのかでも費用は大きく変わります。
現在は床下に入って施工する非破壊断熱リフォームが浸透しているため、その断熱リフォーム業者がどのような工法に対応しているかを確認しておくことが重要です。


また、自分で断熱リフォームを考えている場合はDIYと専門業者の施工費用の差も気になるでしょう。基本的にはDIYで施工するほうが安く済ませることができますが、効果や品質、費用対効果を考えると専門業者に依頼したほうが確実です。

部位別に見る断熱リフォームの費用相場
それでは、ここからは実際に断熱リフォームの費用について解説していきます。まずは施工する部位別にどれくらいの費用がかかるのかを見ていきましょう。
窓(内窓)の断熱リフォーム費用
まずは窓の断熱リフォームですが、最も一般的な工法である内窓(二重窓化)について詳しく見ていきます。価格は断熱性能のレベルによって変わりますが、たとえばYKKのプラマードUだと商品代がメーカー希望価格の約半額程度が相場となっています。
設置費用は取り付けの枚数によっても変動しますが、出張費は1枚でも5枚でも同じです。弊社(断熱リフォームの匠)で平均的な広さのお家を窓リフォームした場合の費用の目安は次の通りです。

- 1階のリビングと寝室:40万円~50万円程度
- 1階すべての窓:70万円~80万円程度
- 1階と2階すべての窓:100万円~180万円程度
基本的に、窓の断熱リフォームを1枚だけで行うことはありません。理由は、他に断熱性能が低い窓があるとそこから熱が漏れてしまうためです。少なくとも一部屋ごとにリフォームを実施し、予算があれば家全ての窓をリフォームすることを視野に入れましょう。
ちなみに後ほど詳しく解説しますが、リフォーム業者を選ぶ際にみておいた方がいいのは「補助金についての知識があるか」です。補助金申請の知識がないリフォーム業者は意外と多く、結果的には数十万円も損をしていたなんてことには注意してください。
カバー工法の費用は
窓の断熱リフォームは内窓が最も一般的ですが、内窓が施工できない場所についてはカバー工法を採用することが多いです。カバー工法は今ある窓枠を壊さずに上から包み込むように新しい窓を取り付ける工法です。非常に画期的な断熱窓ですが、内窓と比較して1ヶ所あたり2倍から2.5倍の費用となります。
そのため、全ての窓をカバー工法で改修するよりも、内窓が適さない窓をカバー工法で改修する方法が一般的ですね。以下がカバー工法の価格目安です。
- 小窓のカバー工法:10万円~20万円程度
- 腰高窓のカバー工法:15万円~30万円程度
- 掃き出し窓のカバー工法:30万円~45万円程度
※樹脂製フレーム・ガス入りLow-E複層ガラス組み合わせの工事費用例。
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断熱玄関へのリフォーム費用
窓と同様に、玄関ドアも断熱のことは考慮されていません。最近は断熱が一般化してきたこともあり、断熱用玄関ドアもいろいろな種類が選べるようになりました。価格は工事費を含めると50万円〜80万円が目安です。
床の断熱リフォーム費用
続いて床の断熱リフォームについてです。費用は大きく分けると、床を剥がすパターン(解体工法)と床を剥がさず床下から施工するパターン(非破壊工法)があります。床を剥がす方法は以前から行われてきた工法で、荷物の移動や仮住まいなど大掛かりなものになりがちです。
対して床下から施工する非破壊工法は住みながら施工できるため大幅にコストを抑えることが可能になります。以下が床断熱リフォームの費用比較です。総額で見ると、2倍以上の差があることがわかります。
解体して施工する方法は総額は160万から200万円、床下に入って施工する方法は50万から70万円程度となります。費用の差は、断熱工事以外の部分、解体や床の張替え、荷物の移動、仮住まいなどの有無によって生じます。また、断熱リフォーム工事以外の作業も増えるため、工期が長くなる点も十分に考慮する必要があります。
天井・屋根裏の断熱リフォーム費用
屋根裏の断熱リフォームについても床下と同様に、屋根裏に入る非破壊工法と天井板を解体して施工する工法の違いがあります。屋根裏は床下よりも断熱材の施工が行いやすいため、以前から非破壊での施工が一般的に行われております。
費用についても、非破壊工法が総額40万円から70万円、天井を解体して施工する工法が150万円前後と、床下と同じで解体工法のほうが2倍ほど高くなるため、屋根裏に入って工事を行うスペースがあるのであれば非破壊での工事がおすすめです。
壁の断熱リフォーム費用
壁の断熱リフォームの方法には、壁内の断熱材の取り替え、外壁の外断熱化、室内の壁への断熱ボード貼り付けなどがあります。
最も一般的な工法である壁内の断熱材の取り替えは、内壁を剥がして壁内部の断熱材を高性能なのもに取り替える方法です。前述の床や天井の解体工法と同じような流れで施工するため、費用も100万円以上かかります。


また、外壁に断熱素材を外張りする外断熱リフォームについては、足場の設置や外壁仕上材の施工など、断熱工事以外の作業が増えるため数百万円規模のリフォームとなります。工期も1ヶ月程度となるため、気軽に実施する断熱リフォームとは言えません。
唯一、非破壊で施工可能な断熱ボードの内壁への施工については、エアコンやコンセントの問題がありますし、ドア枠の高さが不自然になることや室内が狭くなることを考えると、費用対効果を踏まえてもあまり現実的とはいえません。
そのため、壁の断熱リフォームの実施を検討中の場合は、建物全体を断熱リフォームする大規模改修がおすすめです。
断熱リフォームはどこまで金額をかけるべき?
ここまで部位ごとの断熱リフォーム費用を解説しましたが、実際に断熱リフォームをするならばどこまでやるべきなのでしょうか。ここからは、費用対効果を考えた断熱リフォームの費用目安について解説していきます。
【70万〜140万円】生活空間のみ・予算を抑えたい
まずは「予算を抑えたいけど寒さ・暑さの悩みは改善したい」という方向けの、場所を絞った断熱リフォームをご紹介します。
例えば、暑さ対策で2階を快適にしたい場合、屋根裏の断熱リフォームと寝室の窓の断熱性能も同時に高めればエアコンの冷気を無駄にせず快適な空間にすることができます。費用目安は70万円~90万円ほどです。
寒さ対策であれば、リビングの窓に内窓を取り付け、床下から断熱材を追加する断熱リフォームが適しています。費用目安は100万円から140万円程度です。これらの断熱リフォームは費用対効果の面で考えると「60点断熱」と言い換えることができます。
【220万〜270万円】家全体・予算は抑えたい
先程の生活空間のみの断熱リフォームは、部屋ごとの温度差は大きくなる可能性があり、ヒートショックのことは考慮していません。その点を考慮すると、やはり家全体の断熱リフォームが推奨されます。
ただし、家全体の断熱リフォームは費用がかさむため「家全体の断熱をしたいけども費用はなるべき抑えたい」という方が非常に多いです。そういった方向けの断熱リフォームが「80点断熱」です。
80点断熱はいわゆる非破壊断熱リフォームのことで、家を壊さず短工期、低コストで家全体の断熱リフォームが行えます。屋根裏や床下に潜って断熱材の厚みを増やし、断熱性能の高い窓や玄関ドアを設置します。費用の目安は220万から270万円程度です。
【300万〜1500万円】家全体・完璧な断熱を希望
予算にも余裕があり、完璧な断熱リフォームと効果を求めている場合は、やはり壁や床を全て剥がして断熱リフォームを行う方法が最も適しています。大規模なリノベーションと同時に実施することが多いため、トータルで1000万円クラスのリフォームとなる場合が多いです。
家の断熱リフォームを検討する場合、大きく分けて、60点〜80点を目指して予算を抑えるか、100点を目指してフルリフォームを行うかの2つの選択肢になります。ただし80点と100点の差には大きな費用の差があります。
「20点の差で浮いたお金を老後や豊かな暮らしのために使ってほしい」というのが、私ども断熱リフォームの匠が事業を行う上での考えです。
断熱リフォームの費用を抑えるための方法
断熱リフォームをするなら、補助金の活用は見逃せません。日本政府は「2050年カーボンニュートラル」を目標に掲げ、断熱リフォームの補助制度を積極的に推進しています。2024年度には新たに「子育てエコホーム支援事業」や「先進的窓リノベ2024事業」がスタートし、さらに多くの補助金を利用できるようになりました。
また、地方自治体も独自の補助制度を拡充しており、東京都では窓・床・天井の断熱工事が補助対象となっています。補助金の適用でリフォーム費用を抑えられる機会が広がっているため、最新の情報を把握している業者を選ぶことが大切です。制度や適用条件は随時更新されており、最も有利な選択肢を利用できるかは業者の知識や経験に左右されます。
補助金申請は業者に依頼するのがおすすめ
補助金申請はご自身で行うことも可能ですが、リフォーム業者に申請代行を依頼する方が申請の手間を省けるうえ成功率が高まります。補助金の交付要項は数十ページにわたることが多く、申請手続きには経験が必要です。また、事前・事後申請の違いや添付書類の種類、現場写真の有無など要件が異なるため、書類を揃えるのにも時間がかかります。
経験の少ない業者では「申請は自分で行ってください」と言われるケースもあるため、補助金申請に対応しているか確認してみましょう。慣れた業者であれば、申請もスムーズに進めてくれます。
具体例:補助金を利用した断熱リフォームのケース
補助金で「どれくらいお得になるのか」が気になるかと思います。実際の事例をもとに効果をご紹介します。
(1)国の補助金を活用した事例
施工箇所 | 費用 | |
---|---|---|
埼玉県の木造住宅 【非破壊工法】 床下・天井・全ての窓 |
21箇所 | 費用:約190万円 補助金:約38万円 実質負担額:約152万円 |
(2)国と都の補助金を併用した事例
施工箇所 | 費用 | |
---|---|---|
東京都の木造住宅 【非破壊工法】 天井と窓 |
21箇所 | 費用:約92万円 補助金:約21万円 実質負担額:約71万円 |
(3)国・都・区の補助金3種類をフル活用
施工箇所 | 費用 | |
---|---|---|
東京都の木造住宅 【非破壊工法】 床下と窓 |
21箇所 | 費用:約150万円 補助金:約50万円 実質負担額:約100万円 |
※上記事例は施工当時の補助額のため、現在と異なる場合があります。
最新の国の補助金情報は断熱リフォームの匠サイト内で随時更新しています。補助金制度をうまく活用し、費用を抑えながら効果的な断熱リフォームを目指しましょう。
まとめ:断熱リフォームの費用を最適化して快適な暮らしを実現する
今回は、断熱リフォームの費用相場や、業者選びのポイントについて詳しくお話ししました。快適で省エネな住まいを目指すためには、単にリフォームを行うだけでなく、効果とコストをしっかりと見極めることが大切です。
断熱リフォームは住宅全体の性能を高めることが理想ですが、業者の提案をそのまま鵜呑みにせず、ご自身のニーズや予算に合った施工範囲を見極めましょう。また、補助金制度を活用することで、費用を抑えながら質の高いリフォームが可能になります。
適切な業者を選ぶには、断熱の知識や資格がある調査員がいるかを確認し、さらに補助金の情報や気流止め対策にも詳しいかどうかを見極めることが大切です。その場でしっかり説明できる業者なら、安心して工事を任せられるでしょう。
この記事が皆様の快適な住まいづくりのお役に立てれば幸いです。


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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。
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