どこまでできる?断熱材を使ったDIY|断熱リフォームの匠

コラム

2018.10.04 / 2021.09.02

断熱リフォーム断熱材

どこまでできる?断熱材を使ったDIY

WRITER

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

「断熱リフォームのDIYでのやり方を調べています。詳しい方法を知りたいです。」

 
こんにちは。断熱リフォームの匠の矢崎です。今回はこのような疑問にお答えしていきます。

住宅で断熱材が設置されているのは

  • 床下の根太の間
  • 天井裏の梁と梁の間

 
などです。一般の方でこのような場所に自分で断熱材を取り付けるのは非常に難しいと思います。

しかし、窓や床の断熱性能を上げるだけであれば、DIYで簡単に行うこともできます。

今回は、それぞれの部位をDIYで断熱リフォームする方法について詳しくご紹介していきます。

断熱リフォームをDIYで行う方法

まずはDIYでの断熱リフォームに使う素材を例として挙げると

  • プチプチ (緩衝剤)
  • カーペット(絨毯)
  • 新聞紙

 
などです。

もしかすると「え、それで断熱性能が上がるの?」と思うかもしれません。

断熱材と聞くと、ホームセンターで販売されている本格的なグラスウールやポリスチレンフォームの断熱材のようなものばかりを想像してしまいがちですが、実際には「熱の移動や伝達を減少させるもの」は全て断熱材であるといえます。

私達が日頃目にしているようなものの中にも、断熱材としての役割を果たすことができるものがあります。

これらを「室内側に」おくことで誰でも実質的に断熱リフォームをDIYで行うことができるのです。

①窓の断熱

窓は夏・冬ともにもっとも熱の出入りが多い場所です。窓の断熱性能を上げるための工夫に一手間かけるだけで、断熱性能が上がり冷暖房の効きが良くなります。

DIYで窓の断熱リフォームを行うための方法としておすすめなのは

  • 緩衝材を張り付ける
  • カーテンを取り付ける

 
の2つです。それぞれの断熱リフォームについて詳しくお話ししていきます。

緩衝材を張り付ける

最も簡単にDIYで行える窓の断熱リフォームは、

  • 緩衝剤
  • 新聞紙
  • 遮熱フィルム

 
などを用いて行うことができます。

プチプチを貼れば窓と部屋との間に空気の層が作られて断熱性能が上がります。新聞紙も、元々は木の細かい繊維で作られていますので、貼り付けるだけで断熱効果を発揮します。また、断熱ではありませんが、「遮熱」フィルムを窓に貼り付けることでも太陽光を跳ね返して暑さ対策の効果が見込めます。

おすすめなのはプチプチのように気泡が入った緩衝剤を窓に貼り付ける方法です。なぜかというと、性能や価格のバランスがとてもいいからです。

分厚い市販の硬質発泡ウレタンなどを貼り付けても断熱性能を上げることはできますが、取り付け自体が難しかったり、太陽の光を完全に遮断してしまうのでおすすめできません。新聞紙も安価ではありますが、とても脆く外部の光も入ってこなくなるのでやはり不向きです。透明なビニール質のプチプチであれば、軽くて扱いやすく、外の光も入ってくるため、断熱材としてとても優れているといえるでしょう。

緩衝剤は「テープで直接窓にくっつけるのはちょっと・・・」と思われる方もいるかもしレません。その時は、表面を軽く濡らして貼ってしまうのがおすすめです。

一般的には霧吹きで微量の中性洗剤を混ぜた水を吹き付けて湿らせ貼り付ける方法がよく用いられていると思います。

このとき、気泡やゴミがシートとガラスの間に入ってしまわないように気をつけましょう。

カーテンを取り付ける
カーテンをつける
窓の断熱リフォームをは「カーテン」を取り替えるだけでも行えます。

元々カーテンのついていなかった窓にカーテンをつけたり、既存のカーテンを厚手のカーテンや2重カーテンに変えるなどの工夫だけでも、空気の流れを留め、断熱性能を改善することができます。

2重カーテンは既存のカーテンの上に取り付けるタイプのものがお手軽でおすすめです。カーテンを付ける場合は、空気が端から漏れないよう、窓のサイズにあったものを選びましょう。丈が少し余る程度の長さがおすすめです。

②床の断熱


床の断熱性能が低いと冬場に足元で冷やっとした空気を感じやすくなります。冷たい空気は下の方に溜まっていきますし、床は人の体が直接触れる場所でもあるので、特に寒さを感じやすくなっています。

この問題は暖房器具としてエアコンを使っている場合は特に起こりやすく「設定温度を上げても体から寒さがなくならない・・・」となってしまいがちです。

冬場に床から冷気を感じるのもこれが原因で、何かしらの断熱を行うことが望ましいでしょう。

DIYで床の断熱リフォームを行う方法として

  • ラグやカーペットを敷く
  • マットを敷く

 
などがあります。

ラグやカーペットを敷く
ラグを敷く
ラグやカーペットには断熱効果があり、敷くだけでも元々のフローリングに比べ熱伝導率を大幅に小さくすることができます。カーテンと同様に厚手のものほど断熱効果が高くなります。
マットを敷く
コルクマットを敷く
また、フローリングとカーペットの間にコルクマットやウレタンマットを敷けばさらに熱伝導率が下がるので、より暖かさを実感できるでしょう。

③壁の断熱

壁の断熱

 

壁紙を張り付ける
  • フェルト製のパネル
  • クッションタイプの壁紙

 
これらの素材は断熱性能が高く、壁に貼り付けると断熱リフォームをDIYで行うことができます。

古い建物だと壁の内側を「気流」という風が真下から吹き上げ、冬の寒さの原因となっていることがよくあります。壁の断熱性能を上げることで寒さを直接伝わりにくくすることができます。

パネルや壁紙は

  • ピンやシールで貼り付けられる
  • ハサミやカッターで加工できる

 
などの理由からとてもお手軽に作ることができます。

窓と同様に、貼る前にしっかりと表面の汚れを取り除くようにしましょう。

巾木を取り付ける

壁とフローリングの取り合いに注目してみましょう。わずかな隙間があるはずです。

実はこの隙間から暖かい空気が逃げ出し、冷たい空気が入ってきています。

巾木を上から取り付けることで、隙間が部屋の中に冷たい空気が入ってくるのを防ぐことができます。巾木はホームセンターに売られています。少し上級者向けですが、DIYでしっかりと隙間風をなくしたい人はぜひ挑戦してみてください。

もし、写真のような巾木がないのであれば、市販の巾木を後付けするのが効果的です。

巾木きでできたものの他に、塩化ビニールでできたソフトタイプのものがあり、木巾木に比べて比較的加工が簡単なのでおすすめです。

まとめ


今回は、自宅の断熱リフォームをDIYで行う方法をご紹介してきました。

どれも簡単に行うことができますし、少しの手間をかけるだけで夏は冷房の効きが良くなり、冬は足元や窓際の寒さがなくなります。是非挑戦してみてください。

断熱リフォームの匠では床下や小屋裏の断熱材のリフォームを実施しています。(断熱リフォームについてはこちらのページでも詳しく紹介しています)

断熱リフォームでは、より本格的な床下や天井裏の断熱リフォームを実施しており、DIYよりも、より高い効果を得ることができます。

「部屋の中だけでなく、床下や天井裏等の難しい場所でも断熱性能を上げるためのリフォームを行ってみたい」

と考えておられるようでしたら、こちらのページもぜひご覧ください。