グラスウールは燃える?火災時の心配は?断熱の専門家が詳しく解説!|断熱リフォームの匠

コラム

2021.09.30 / 2021.10.05

断熱材

グラスウールは燃える?火災時の心配は?断熱の専門家が詳しく解説!

WRITER

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

株式会社テオリアハウスクリニック入社後、断熱事業に携わる。現在は既存住宅の断熱調査を中心に、セミナー講師や各媒体からの取材など、社内の断熱体制強化にも取り組む。

「グラスウールは燃えますか?万が一の火事が心配です」

 
こんにちは。《断熱リフォームの匠》の矢崎です。
今回はこのような疑問にお答えします。

「火災に弱い材料を住宅に使いたくない」という思いは誰もが持たれていると思います。

結論からいうと、もし火事の心配を避けたいのであれば、家の断熱材にはグラスウールを選択するのが最も正しい選択と言えるでしょう。

今回はグラスウールが安全である理由や、その裏付けとなる「不燃性」について詳しくご紹介していきます。

グラスウールが燃えにくい理由

グラスウールは細かい繊維状の断熱材です。

その見た目から、ついつい衣類や布製品のように「燃えやすそうだ」と思うこともあるかもしれません。しかしグラスウールは「ガラスでできたウール(羊毛)」という名前の通り、
原材料は「ガラス」です。

ガラスは有機物を含まない、燃えない物質です。高温になると溶けてしまうことはあっても、燃え上がることはありません。

実際に、グラスウールの燃えにくさや火災の時の安全性は、他の断熱材よりも高いと言われています。

例えば、グラスウールと並んで普及している断熱材に、

  • ポリスチレンフォーム(いわゆる発泡スチロール)
  • ウレタンフォーム

 
などがあります。

これらの断熱材の原材料は石油です。

「石油製品」という時点でよく燃えるというイメージを持つかも知れませんが実際にそのとおりで、火がついた発泡プラスチック系断熱材は溶けたり炎をあげて燃えてしまいます。

一方グラスウールは焦げるものの燃焼はせず、大きな変化は見られません。グラスウールが昔から広く普及し、他のさまざまな断熱材よりも比較的安価に調達することができるのには、この「安全性」も理由の一つです。

「難燃性」のプラスチック系断熱材も存在する
一応補足として、断熱材メーカー各社もいろいろな工夫をして燃えにくいポリスチレンフォームやウレタンフォームを開発しています。

もしプラスチック系の断熱材を家に採用するのであれば、せめて「難燃性」を付加されたものを使用したいところですね。

「安全性」という観点では、やはり火災のリスクは大きくないかという考え方を持つことが大切だと言えるでしょう。

火災時のグラスウールの安全性は?


ここまでのお話で、グラスウールが燃えない素材であるということはわかっていただけたかと思います。では、実用面においての安全性はどうなっているのでしょうか。

結論から言うと、グラスウールは

  • 有毒ガスの発生リスクの低さ
  • 火災時の燃え広がりにくさ

 
という2つの大事な視点から見て、非常に安全であるといえます。そのことについて詳しくお話ししていきます。

燃焼する有機物を含まないグラスウール
グラスウールの原料であるガラス繊維は、高温になってもガスや有害物質を発生させることはありません。

ガラスには燃焼するような有機物が含まれていないからです。炎に触れたとしても人体に有毒なガスは発生しません。(ガスとは、激しい炎により家の中が酸素不足となることで発生する一酸化炭素などを指します)

一応強いて挙げるならば、ガラス繊維同士をつなぎ留めている「接着剤」には微量ながら有機物が含まれています。原材料によっては火災時の環境によりガスを発生させるかも知れません。

とはいえ、グラスウール断熱材に使用される接着剤の量はごくわずかで、たとえガスが発生したとしても人体に悪影響はありません。

火災時に発生するガスはむしろ、部屋の中にあるプラスチック製品の不完全燃焼で発生する量の方が多いと言えるでしょう。

プラスチック系断熱材からは有毒ガスが発生
ここで気になるのが、先ほど述べたプラスチック系の断熱材です。

燃えにくいものが開発されているとはいえ、もともとが石油から作られた可燃性の断熱材であることは間違いありません。

もし激しい炎にさらされた場合、グラスウール断熱材の接着剤と比べて、はるかに多くのガスが発生する可能性が無いとは言い切れません。

有毒ガスの発生量を抑制するためにも、グラスウール製の断熱材が一役買ってくれると考えることができるでしょう。

火災時の「燃え広がりにくさ」の重要性
「結局溶けたり焦げたりするんだったらグラスウールもプラスチック系の断熱材も同じじゃないの?」と思うかも知れません。

確かにグラスウールの断熱材を使用したからと言って、「火災が起きない」わけではありません。

しかし誤解しないでいただきたいのは、グラスウールの安全性の本質はあくまでも本体が燃えないことではなく、「周囲に燃え広がらないこと」にあるということです。

万が一火災になったとしても、「燃え広がる前に逃げ出せるように」するためだと考えてください。

そもそもなぜ、「有毒ガスの発生リスク」と「火災時の燃え広がりにくさ」が大事かというと、消防庁の統計(消防白書)に次のようなデータがあるからです。

平成29年中の火災による死者数は1,456人だそうです。そしてそのうち約5割近くが「逃げ遅れ」によるものとされています。

さらに逃げ遅れの原因は、

  • 延焼拡大が早くて炎に囲まれてしまうケース
  • ガス・煙を吸って窒息してしまうケース

 
が大半を占めていることが分かっています。

このことから考えられるのは、「燃え広がらないこと」「ガス・煙の発生が少ないこと」が火災のときに命を守る重要な要素であるということです。

断熱材は、生活空間をすっぽりと囲むように床下や壁、天井に入っています。たとえ家のどこから火事になったとしても、いずれ必ず断熱材まで火は達することになるのです。

もし室内側から火がついた時、断熱材が燃えやすい材質だった場合、壁や天井を伝ってあっという間に炎が広がってしまうことになります。

また、先ほど述べた不完全燃焼によるガスの発生、一酸化炭素中毒によって身体の自由を奪われることで、逃げ遅れるリスクが格段に高まることになります。

断熱材の選択一つが命のリスクを大きく左右すると言っても過言ではありません。

まとめ


今回はグラスウールの燃えにくさや火災時の安全性について解説いたしました。グラスウールがリスク回避において非常に優秀であることがお分かりいただけたのではないでしょうか?

長く住むことになる建物の火災リスクを増やすようなリフォームは、確かに望ましくないことです。ましてや、断熱材は壁の中や床下・天井にぐるりと使われるわけですから、簡単に火がつくような素材では困ります。

万が一のときに命を守れるかもしれない。家の断熱材選びもそう考えて慎重に検討してみてくださいね。

《断熱リフォームの匠》でも、床下断熱リフォームに使うのは「高性能グラスウールボード」です。不燃性はもちろんのこと、他にもさまざまな強みのある素晴らしい断熱材です。

もし断熱リフォームを検討されているようでしたら、ぜひこちらのページをご覧ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。