【2024】子育てエコホーム支援事業の断熱リフォーム補助金はいくら?活用法を解説|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2023.12.19

補助金・減税・節約

【2024】子育てエコホーム支援事業の断熱リフォーム補助金はいくら?活用法を解説

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

こんにちは、《断熱リフォームの匠》の矢崎です。

今回は住宅省エネ2024年キャンペーンの1つ、「質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援(子育てエコホーム支援事業)」を断熱リフォームで活用する方法をご紹介いたします。

補助金の条件を満たしやすいため、ぜひ積極的に活用していきたいところです。

わかりやすい説明を心がけますので、どうかよろしくお願いします。

(※今後変更点がある可能性もあります)

子育てエコホーム支援事業の概要

受け取れる補助金額の上限

子育てエコホーム支援事業(以下「子育てエコホーム」)の予算総額は2100億円ですが、去年のこどもエコすまい支援事業(以下「こどもエコすまい」)よりも約400億円のプラスとなっています。

かなり増額されていることがわかりますね。

子育て・若者夫婦世帯は上限アップ

「子育てエコホーム」は子供がいない家庭や子供が独り立ちした家庭であっても、条件を満たせば補助金の対象となります(若い世帯の方が支援は優遇されます)。

補助金の上限は基本的には20万円(長期優良リフォームは30万円)ですが、もし申請者が、

  • 18歳未満の子供がいる世帯
  • 夫婦のいずれかが39歳以下の世帯

 
であった場合は補助金の上限額が30万円(長期優良リフォームは45万円)に引き上げられます。

対象となるリフォーム工事

赤い部分が「子育てエコホーム」の該当箇所

《住宅の省エネ改修》
①開口部の断熱改修
②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置
====================
④子育て対応改修
⑤防災性向上改修
⑥バリアフリー改修
⑦空気清浄機機能・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入

となっており、①〜③のいずれかは必ず行う必要があります。

余談として、昨年は②の工事で補助金を受け取るには「こどもエコすまい」として必須工事の開口部の改修や断熱工事、エコ設備の設置が必要でした。

一方で2024年は窓リノベや給湯省エネの対象工事を行えば、①の必須工事はすでに満たしていることになります。

つまり、②の工事だけを行えば「子育てエコホーム」の補助金を受けられます。

申請の条件が昨年より少し緩和されており、より敷居が低くなったと言えるでしょう。

補助金額のシミュレーション

つづいてどのような断熱改修でどれくらいの額の補助金が受け取れるのか、家の部位ごとに計算してみましょう。


床は改修に使用した断熱材の量で受け取れる補助金額が変わります。

断熱材3.0㎥以上の使用したリフォームを行えば72,000円の補助金が受け取れることになっています。

面積と紐づけて考えてみましょう。

1階の床面積がおおむね40~45㎡の住宅であれば、一律で72,000円が受け取れる計算です。

また断熱材の使用量が6.0㎥以上だと補助額は96,000円となりますが、1階の床面積がおおむね80㎡以上の住宅が目安となります。

天井


天井についても床と同様に面積で考えてみましょう。

施工面積30㎡以上で40,000円、60㎡を超えた場合は54,000円の補助金が見込めます。

壁は6.0㎥以上の断熱材の使用で112,000円の補助が見込まれます。

壁の中に厚さ100mmで断熱材を詰め込むと想定した場合に改修する必要がある面積は60㎡ですが、壁の高さ(床から天井まで)を2.4mと仮定すれば横幅はおおむね25mです。

リビングダイニングの壁をぐるっと断熱リフォームするぐらいが条件を満たす目安になりますね。

開口部(窓・ドア)


開口部の断熱改修は1か所ごとにもらえる補助が細かく設定されており、

  1. 改修の方法
  2. 開口部の面積
  3. 改修後の断熱性能レベル

 
という3つの要素で金額が決まります。

最初に改修の方法が、

  • ガラス交換
  • 内窓設置、外窓交換
  • ドア交換

 
のどれに該当するかを考えましょう。

つづいて開口部の面積です。

開口部の面積に応じてサイズが「大・中・小」のどれかに区分され、補助額が変わってきます。

たとえば内窓を設置する場合、

  • 大:2.8㎡以上
  • 中:1.6㎡以上〜2.8㎡未満
  • 小:0.2㎡以上〜1.6㎡未満

 
となります。

たとえばリビングの掃き出し窓であれば横1.5m以上、縦2m以上はあるでしょうから大サイズです。

一方、トイレの窓は30cm×40cm程で、面積は0.12㎡しかありません。

小サイズにも当てはまらないので補助の対象外となります。

最後に窓の性能です。

改修後に断熱性能が高くなる製品ほど受け取れる補助額も大きくなります。

しかしやはり費用や補助額と得られる効果とのバランスは大切にしなければなりません。

何に困っていてどのようなことを改善したいのか、業者によく相談してみましょう。

申請金額の最低基準は5万円

「子育てエコホーム」では交付額が50,000円以上になるようにリフォーム工事を実施しなければなりません。

たとえば床下の断熱改修をすれば交付見込み額が72,000円となり、申請の条件を満たします。

一方、天井断熱は交付見込み額が基本的には40,000円であることから、単体で申請の条件を満たすことは難しいでしょう。

断熱リフォームを計画する際は、交付の予定額が50,000円を超えるように規模や範囲を決めるようにしましょう。

補助金の対象となる住宅

所有者や居住に関する規定はゆるめ

対象となる建物は、

  • 自身が所有する自宅
  • 自己所有のアパート・別荘
  • 賃借している自宅・アパート・別荘など

 
です。

地方自治体の補助制度は対象住宅が自宅のみであるケースがほとんどであることを考えると、対象者はかなり幅広いと思います。

そういえば以前、「別荘が冬だと寒くて過ごせないから改修したい」というお問い合せを頂いたことがありました。

施工もしていただきましたが、こういった建物でも「子育てエコホーム」の補助金を受け取ることができます。

着工は令和5年11月2日以降

工事の着手は令和5年11月2日以降に行ったものである必要があります。これは経済対策が閣議決定された日に当たるからです。

11月1日までに着工したものは対象外となるので気をつけましょう。

また、工事は「工事請負契約」を結んだ上で行うものである必要があります。

2023年に補助を受けた住宅も支援の対象

「子育てエコホーム」は2023年の「こどもエコすまい」の後継ではありますが、事業としてはあくまでも別のものです。

そのため、2023年に「こどもエコすまい」を活用された方であっても条件さえ満たせば「子育てエコホーム」の補助金を受け取れます。

「2023年に窓の工事をしたから今年は床の断熱材を変えたい」という方はぜひ補助金を活用しましょう。

申請のながれ

申請者はほぼ何もしなくていい

「こどもエコすまい」における申請の手続きは、ほぼリフォーム業者が行うように規定されています。

申請者はほとんど何もする必要がなく、工事後は補助金が振り込まれるのを待っていればOKです。

ただし、いくつかの書類(身分証明書のコピー等)を業者に渡す必要はありますので、何を用意すればいいかは事前に確認しておきましょう。

補助金を受け取れるのは施工から2〜3か月後

補助金は申請すればすぐに振り込まれるわけではなく、リフォーム業者に一旦振り込まれた後に指定の口座に入金される2段階入金となっています。

施工完了から補助金を受け取るまでにはおおよそ2~3か月程度かかりますので、気長に待ちましょう。

リフォーム業者には事業者登録を必ず確認

子育てエコホーム支援事業の補助金を申請できる資格があるのは事務局に事業者登録をしている業者のみです。

事業者登録をしているかは担当に必ず確認しましょう。

安心して任せられる会社かどうかを判断するポイントとして、年間にどのくらいの申請業務を取り扱っているか聞いてみるのがオススメです。

補助金の申請に精通している良心的な業者であれば、具体的な見込み補助金額の提示やニーズに合った施工の提案をしてくれると思います。

施工後は10年間の「善管注意義務」が発生

補助金を活用した場合、10年間の「善管注意義務」が発生します。

要は「補助金を出したのだからきちんと使ってくださいね」ということです。

もし10年以内に解体や建て替えを理由に断熱材を処分する場合は、事前に承認を得る必要があります。

勝手に捨ててしまうと補助金の返還を求められる恐れがありますので注意しましょう。

「子育てエコホーム」と併用できる補助金

前述した通り、「子育てエコホーム」では窓や給湯器の補助金を活用した場合、補助金の必須条件である「省エネ改修」を満たせます。

住宅の幅広いリフォームで事業を活用できるようになったと言えるでしょう。

よりお得なリフォームにするためにも、事業と事業、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

先進的窓リノベ事業

2023年に始動する国の補助制度で革新的なのが「こどもエコすまい」と同時にスタートしたのが「先進的窓リノベ事業(以下:窓リノベ2024)」です。

対象となる工事は窓に限られている代わりに、受け取れる補助金は「こどもエコすまい」と比べて2~3倍以上と非常に高額なのが特徴でした。

2024年の「窓リノベ2024」も、「子育てエコホーム」とあわせての活用ができます。

給湯省エネ事業

エネファームやエコキュートといった高効率で省エネに役立つ給湯器を新たに設置した場合の補助金です。

賃貸集合給湯省エネ事業

2024年から新たに設立された集合住宅向けの給湯器の取り替えに対して補助金を支給する事業です。

一般的に給湯設備の寿命は10年~15年ほどといわれています。

設備の老朽化が進んでいるようでしたら、この機会に交換を考えても良さそうですね。

地方自治体の補助金

多くの都道府県や市区町村では、独自の補助金を出して省エネ化を後押ししています。

住まいの地域独自の補助金がないかも調べてみましょう。「都道府県名 断熱 補助金」や「市町村名 省エネ 補助金」でweb検索してみるのがオススメです。

ただし、地方自治体の補助金は地元の業者で工事をすることが申請の条件であることが多いことには注意しましょう。

業者の規模によっては施工部位で担当を分ける必要があるかも知れませんね。

さいごに


今回は、子育てエコホーム支援事業について断熱リフォームで活用できるポイントについて解説していきました。

住宅の寒さや暑さを改善したいとお考えの方にとってはぜひ活用していきたい制度です。

《断熱リフォームの匠》では無料の調査を通じて、住宅の断熱化に効果的な改修方法を補助金も踏まえてご提案させていただいております。

この機会に快適な住まいを実現してみてはいかがでしょうか?

最後までお読みくださりありがとうございました。

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