【最新版】今年こそ断熱化!先進的窓リノベ2024事業の活用方法を解説|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2023.12.12 / 更新日 2024.01.09
補助金・減税・節約
【最新版】今年こそ断熱化!先進的窓リノベ2024事業の活用方法を解説
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廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士
地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
こんにちは、《断熱リフォームの匠》の廣澤です。
2023年に大きな注目を集めた「先進的窓リノベ事業」はその補助額の多さが話題になりました。しかし国はすでに2024年度の補助制度を発表しており、しかも予算もさらに拡充されるようです。
国が住宅の高性能化に非常に意欲的であることがうかがえますね。
分かりやすい説明を心がけてお届けしますので、最後までお付き合いいただけるとうれしいです。
目次
「先進的窓リノベ2024事業」の概要
そもそもどのような制度なの?
「先進的窓リノベ2024事業」(以下:「窓リノベ2024」)は、正式名称を「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」といい、窓の性能を高める工事費用の一部を助成して住宅の省エネ化・脱炭素化を推進する事業です。
年数の経った古い住宅は窓からのエネルギー損失が顕著であり、窓の高性能化を進めることで省エネ化が期待できます。
電気代やガス代の高騰に対しての対応策という側面もあり、まさに今こそ活用すべき制度といえますね。
交付の対象となる住宅
「窓リノベ2024」は、自己所有の住宅やマンションだけでなく、所有している賃貸物件でも申請が可能です。
また、別荘などにも適用が可能で「避暑地に別荘があるけど、冬は寒すぎるので何とかしたい」というお悩みの解決にも役立つ制度です。
また個人だけでなくマンションの管理組合の名義での申請も可能となっており、マンション全体での断熱化でも補助金を受け取ることができます。
このあたりは「窓リノベ2023」を踏襲していますので違いはないでしょう。
対象となる窓の工事
補助金の対象として、
- 内窓の設置
- 外窓(既存の窓)の交換
- ガラス交換
などの改修工事が当てはまります。
窓の改修方法はほぼ網羅されていると言えますね。
ちなみに条件として、設置する窓は一定の断熱性能を保持したものである必要があります。「先進的」と言うくらいですから、それなりに高性能な窓でないといけないわけです。
細かい説明をすると、「窓の『熱貫流率』が1.9W/㎡・k以下となる改修工事をする必要がある」のですが、こう書くと一般の方には非常に分かりづらいですよね。
まずは難しい話は割愛して、「高性能な窓を取り付ける必要がある」とだけ知っていただければいいかなと思います。
受け取れる補助金
補助金額は窓1ヶ所ごとの
- 改修方法
- 断熱性能
- サイズ
という3つの要素で決まります。
このルールは前回の「窓リノベ2023」から引き継がれており、今までの断熱リフォームに関する補助制度と比べても比較的分かりやすい区分けだと思います。
継続となって良かったですね。
補助金額を決める「断熱性能」については次の章で詳しく解説します。
得られる断熱性能で補助金額が異なる
環境省『先進的窓リノベ2024事業に関する説明資料』の資料を参照してみましょう。
「窓リノベ」において内窓の断熱性能は上から順に、
- SSグレード
- Sグレード
- Aグレード
という3段階に区分けされており、それぞれ補助金の金額が異なります。
注目すべきポイントは、より高グレードで高価な窓の方が実質の費用負担が安くなる場合もあることです。
一旦は工事費用を負担する必要があるものの、余裕があるようでしたら思い切って高グレードの断熱化を狙ってみましょう。
申請は「下限額5万円」が条件
「窓リノベ2024」で補助金を受け取るには、1回ごとの工事を補助金の金額が5万円以上になる規模で実施する必要があります。
たとえば「Aグレード」の「小サイズ」の内窓2ヶ所ですと補助金の見込み額は、
2万3,000円×2箇所=4万6,000円
しかありませんので申請ができません。
ちなみに「Sグレード」であれば「小サイズ」を2箇所工事すれば5万円を超えるので申請が可能です。
そういった意味でもより高性能なグレードで施工を行う意義はあると言えます。
なにはともあれ、「窓リノベ2024」を活用した窓工事では交付見込み額が必ず5万円を越える規模の工事を検討するようにしてくださいね。
ちなみに”1回ごとの”と書いたのは「窓リノベ2024」は受付期間内であれば何度でも補助金の申請ができるからです。
もし断熱改修を小分けする場合は、その都度5万円の基準を満たすようにしましょう。
申請から受け取りまでの流れ
手続きは基本的に業者任せでOK
「窓リノベ2024」では施主が自分で何か申請をする必要はありません。
むしろ個人での申請は出来ない仕組みとなっており、手続きは全て業者が行ってくれます。
ただし「窓リノベ2024」の申請手続きができるのは事業の事務局に登録した業者のみです。
事業者登録をしているか必ず業者に聞いておきましょう。
必要な書類
申請に必要な書類は基本的には業者が用意します。
しかし申請には運転免許証やマイナンバーカードといった現在の住所が明記されている身分証明書のコピーが必要です。(マイナンバーカードのコピーを提出する場合は必ず個人番号を塗りつぶしてくださいね)
その他にも署名・捺印が必要な書類や受け取り口座に関する書類がありますのでリフォーム業者に確認を取っておきましょう。
振り込みは完工から3〜4ヶ月後
「窓リノベ2024」の補助金は事後申請タイプのため、施工後に必要書類を事務局に提出します。
この審査にまず1〜2ヶ月程の時間がかかります。
その後補助金が国からリフォーム業者へと振り込まれ、業者を経由して施主はお金を受け取ります。
こういった流れを考えると、補助金を受け取るまでには完工から3〜4ヶ月はかかると思われます。
時間こそかかりますが待っていれば振り込まれますので、「忘れた頃に手に入る」という感覚で過ごすのがちょうど良いかもしれませんね。
「窓リノベ2024」以外にも補助金はある!
窓の断熱化と併用して他の部位の断熱改修も同時に実施すれば、住み心地はさらに快適になります。
ここからは「窓リノベ2024」と併用ができる補助金をご紹介します。
子育てエコホーム支援事業
「窓リノベ2024」と相互補完の関係にある補助金に「子育てエコホーム支援事業」があります。
「子育てエコホーム支援事業」は、床、天井、壁、ドアといった部位の断熱リフォームで補助金を受け取ることができます。
「窓リノベ2024」が窓に特化しているなら、「子育てエコホーム」は広く浅くカバーできる制度というイメージですね。
また「窓リノベ2024」では対象外となっている”ある程度の性能がある窓”も補助の対象となっており、「窓リノベ2024」と併用すれば住宅の断熱化のほとんどをカバーできます。
ちなみに制度の名前に「子育て」と付いてはいますが、持ち家であればどんな世帯でも申請の対象になります(子育て世帯の方が補助額が優遇されます)。
さいごに
今回は「先進的窓リノベ2024事業」について、制度の大枠や補助金の見込み額、申請方法などを解説してきました。
ここ最近の物価の急激な高騰を考慮しますと、窓のリフォーム工事はもちろん、光熱費も徐々に負担が大きくなっていくものと思われます。
窓工事は省エネで快適な住まいのための住宅への「投資」だと言えます。
ぜひこの機会にお家の断熱化を検討されてみてはいかがでしょうか。
《断熱リフォームの匠》では、無料の断熱調査を通じてお見積もりや補助金額の試算をご提示しています。
少しでも関心をお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。