半永久に使えるはずの住宅グラスウールが経年で劣化!?原因は〇〇|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2021.09.11

断熱材

半永久に使えるはずの住宅グラスウールが経年で劣化!?原因は〇〇

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

「床下や壁の中のグラスウールがボロボロになっている写真を見ることがあります。やはりグラスウールは年数が経てば劣化してしまうのでしょうか?」

 
こんにちは。断熱リフォームの匠の矢崎です。今回はこのような疑問にお答えします。

元々グラスウールはガラス繊維でできた断熱材で、経年により劣化するものではなく半永久的に使うことができると言われています。

では、なぜこのような劣化が起きてしまうのでしょうか?

このページでは、グラスウールの劣化の原因について、

  • 劣化しやすいグラスウールの特徴
  • グラスウールが劣化しやすい環境
  • グラスウールの寿命を縮める施工

 
という視点でご紹介していきます。

劣化しやすいグラスウールの特徴

私はこれまで数百件以上の建物でグラスウール断熱材を見てきましたが、劣化していたグラスウール断熱材に共通していたのは

  • 湿気対策がされていなかった
  • グラスウールの分厚さがかなり薄かった

 
という特徴です。

特に床下は湿気が溜まりやすく、特に夏場は暑い外との温度差が原因で結露が起きやすい場所でもあります。

最新のグラスウールであれば、表面に「不織布」や「防湿フィルム」と呼ばれる、断熱材が濡れてしまわないようにする対策がされていますが、古いグラスウールの場合は不織布がついておらず、床下の湿気の影響をもろに受けたり、空気中の小さなホコリが断熱材の隙間にどんどん入り込んで、劣化の原因となっていることがあります。

現在床下で主に使われているグラスウール断熱材は、「高性能グラスウールボード」と呼ばれる、分厚くてしっかりとした断熱材です。それに比べて築年数の古い家でよく採用されているグラスウールは、薄くて環境の影響を受けやすいので、その分劣化のリスクが高くなっていると思われます。

グラスウールが劣化しやすい環境


グラスウールが設置される環境により、劣化の度合いは異なってきます。

例えば、先ほど床下は湿気が溜まりやすい場所だとご紹介しましたが、同じ床下でもコンクリートであれば断熱材も結露の影響を受けにくくなります。一方で床下が土壌の場合は湿気がどうしても多くなってしまいます。

もちろん、断熱材自体がそういった環境を考慮して作られていれば問題ないのですが、古いグラスウールは湿気をあまり考えずに作られていることが多く、その分劣化しやすくなっています。

また、建物の構造として注目すべきは「壁内の気流」です。

木造一戸建ての住宅は「在来軸組」もしくは「ツーバイフォー」という工法で建てられています。

在来軸組工法の場合は、壁の内側に「気流」という空気の流れができます。この気流が断熱材の性能を下げ、グラスウールを劣化させる原因にもなっています。気流に乗って小さなホコリが断熱材の隙間にたまっていくからです。

ツーバイフォーで建てられている住宅は構造上の原理から気流が作られないので、グラスウールも劣化しにくくなります。

グラスウールの寿命を縮めるもう1つの原因

グラスウールを劣化させてしまうもう1つの要因が「施工品質」です。

例えば、在来軸組工法の場合は先ほどご紹介した気流の対策として「気流止め」を施工する必要があります。しかし気流止めがうまく施工できていないと、空気の流れを止めることができずに断熱材はその影響を受けてしまうことになります。

また、壁内のグラスウールは、室内からの湿気を防ぐための対策をしておく必要があります。しかし古い建物ではそれを理解されないまま建てられているものが多くあり、その結果、壁の中で大量のカビや腐朽が発生してしまう・・・という事例もあります。例えば、「ナミダタケ事件」と呼ばれる、新築からわずか数年で木材がボロボロになってしまった事例が有名です。

現在の住宅では、その対策として「防湿シート」を壁の内部に施工する必要があるという認識が広まってきていますが、それでもやはり原理を理解せずになんとなくで施工してしまうと、うまく機能せずに壁の中の結露につながってしまうケースもあります。

まとめ


今回はグラスウールの劣化の原因についてご紹介してきました。

グラスウール自体は劣化しない素材ですが、正しく施工されなかったり、床下や壁内など特殊な環境への対策がされていないと、その性能を大幅に落としてしまうことになったり、住んでいる人の健康状態にも悪影響を与える原因になってしまう可能性があります。また、この傾向は、特に築年数の古い建物ほど顕著になります。

昔の建物は今に比べて基準も低く設計されており、その分性能の低い断熱材が使われていたり、断熱材を活かしきれない施工がされている場合が多かったからです。

しかし、たとえ不十分な断熱材しか使われていなかったとしても、それを解決する方法があります。それが「断熱材の取り替え」です。

私たち断熱リフォームの匠では、不十分な性能の断熱材を最新レベルの断熱材に交換するリフォームを実施しています。

現状の断熱性能を確認するための調査は無料で実施しています。もし興味を持っていただけたようでしたら、こちらのページで詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。