寝るとき冷房オフはNG!?夜間の室内温度と健康管理のコツ|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2022.08.01 / 更新日 2023.08.17

寒さ・暑さ対策

寝るとき冷房オフはNG!?夜間の室内温度と健康管理のコツ

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

こんにちは。《断熱リフォームの匠》の矢崎です。

エアコンは寝る1時間前くらいまでつけて、寝るときは消す

実はこのスタイルには大きな熱中症のリスクがあります。

熱中症は太陽が出ている昼間になりやすいと思われがちですが実際は夜、それも家の中でも頻繁に起きています。

今回はその原因や対策について、詳しくお話ししていきます。

熱中症は夜の方が危険!?

夜も暑い建物は熱中症のリスク大

エアコンを消したとたんに部屋が暑くなってきてしまう・・・という現象に心当たりはないでしょうか?

これは建物全体が日光で温められて熱くなっていることから、冷やすのをやめると熱がどんどん伝わってくるためです。

実はこの現象は太陽が出ていない夜でも起こります。

昼間に強い日差しを浴び続けた建物は夜になっても温度が下がらず、熱を放ち続けています。

そのことから、昼間と同じでエアコンを切った瞬間、室内はどんどん暑くなってしまうのです。

慶應義塾大学の調査では、夜エアコンを使わずに過ごしている人の環境は熱中症のリスクが非常に高い環境だという結果が明らかになっているようです。

知らず知らず重症化しやすい

夜の熱中症が厄介なのは、自覚症状を持ちにくいことにあります。

熱中症の主な症状としては、めまいや立ちくらみ、筋肉痛、手足のしびれなどがあります。

しかし睡眠中はそれらの症状を自覚することができません。

また、人間の体は寝ている間にも水分がどんどん失われていきますが、起きている時と違い水分補給をすることもできません

そのため、睡眠中に起きる熱中症は重症化してしまう危険性が高いようです。

扇風機に潜む健康リスク

扇風機をつけても熱中症リスクが高い理由


高齢者の方は特に「扇風機を使えばいい」と思われがちです。

しかしエアコンと扇風機には大きな違いがあります。

エアコンは室温を下げるのに対し、扇風機は体温を下げています。

たとえ扇風機で涼しさを感じていたとしても、部屋全体は依然として熱中症リスクが高い空間のままなのです。

扇風機の風が睡眠不足の原因に

扇風機を使う際、エアコンよりも特に注意が必要なのが「風が当たる場所」です。

扇風機の風は体の一部分だけに当たり続けやすい傾向があり、扇風機の風が局所的に当たり続けると汗の蒸発が進んでその部分だけ熱が奪われ、全体のバランスが崩れて睡眠不足の原因になると言われています。

ある程度の風力が連続して体に当たり続けるのは、健康に悪影響を及ぼしますので注意しましょう。(このことはエアコンでも同じです)

扇風機をメインに据え置く場合は肌に直接風を当てないことを意識して、しっかり服を着たり扇風機の向きに気を付けることをおすすめします。

おすすめの暑さ対策

エアコンと扇風機の併用

おすすめの暑さ対策はエアコンと扇風機の併用です。

扇風機とエアコンを併用することで、部屋全体の温度や湿度を均一にすることができます。

就寝前までは同時に使うようにし、就寝の際は扇風機を切ってエアコン1本に切り替えましょう。

タイマーの活用

基本的にはエアコンは一晩中つけた方が途中でタイマーを使った場合に比べて睡眠の質は向上すると言われています。

ただし、設定温度が何度で適切かはその人の体力や体格によっても微妙に変わってきますし、あまり温度を下げすぎると寝冷えの原因になったり、朝の体温上昇を阻害されて寝起きが悪くなってしまいます。

もし「エアコンをずっと使っていると冷えすぎてしまう」という場合はタイマーを使ってもいいと思います。

その際は、タイマー入ではなくタイマー切を使うことをおすすめします。最低3時間を意識して使ってみましょう。

エアコンや窓周辺の状態を見直す

もし「冷房をつけているはずなのになぜか部屋が暑い・・・」という場合はエアコンに汚れが溜まっていることが考えられますのでしっかりと掃除をしましょう。

しかしそれでもまだ暑さを感じてしまうようであれば、部屋の断熱性能の低さが原因だと考えられます。

まずは窓に注目してみましょう。最も手軽に行える対策は日中にカーテンを閉めることです。

また、室外にすだれやシェードを設置するのもおすすめです。

断熱改修で暑さに強い部屋づくり


近年、国が力を入れているのが住宅の省エネ化です。

光熱費をかけなくても涼しい家を作るための支援をしようというもので、住宅の断熱性能の改修にかかるお金を補助する事業が多く存在します。

断熱材のある床下
内窓の取り付けや天井の断熱リフォームを行えば家はグンと涼しくなります。

また、寒さ対策や防音・防犯、光熱費の節約といった効果にも期待できます。

暑さや寒さでストレスを感じない、住み心地のいいお家づくりに興味をもたれているようでしたら、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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