夜間の熱中症はこう対策!不慮の事故を避ける方法を解説|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2020.08.29 / 更新日 2023.10.25

寒さ・暑さ対策建物・暮らしの知識

夜間の熱中症はこう対策!不慮の事故を避ける方法を解説

WRITER

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

こんにちは。《断熱リフォームの匠》の矢崎です。今回は夜間の熱中症の対策についてご紹介します。

熱中症は日中の外だけでなく、室内で寝ている間にも起きやすいと言われています。

夜間の熱中症対策の参考にしていただけると幸いです。

夜間の熱中症を防ぐには

エアコンは就寝中もオンにする

夜間の熱中症の基本的な対策としてエアコンは就寝中もつけっぱなしにしておくことをおすすめします。

東京都の2022年夏季統計によると室内の熱中症死亡者は194人いたそうですが、そのうち165人はエアコンを使っていなかったそうです。

エアコンをつけっぱなしにするのはなんとなく体に悪いイメージがあるかも知れませんが、実際はエアコンを切った後の室内はどんどん熱中症のリスクが上がっていきます。

室温を一定の温度に保つエアコンをつけるようにしましょう。

エアコンの設定温度は基本的には28度程度に設定しておくことが望ましいですが寒さの感じ方は人によって異なります。同じ空間で過ごす人の中で、一番暑さを感じやすい人に室温をあわせてあげるといいと思います。

ただし寝冷えには注意

エアコンの設定温度をあまりにも下げすぎたり寒さを感じる空間にずっといると体の免疫力低下の原因となり、起床時のだるさや風邪にも繋がります。

もし寒ければしっかりと着こんでおくようにしましょう。素材は汗をかくことを想定して吸湿性や通気性の高いものがおすすめです。

また、エアコンの風は直接当たるとのどの腫れや冷えすぎによる風邪の原因となります。就寝は直風に当たらない場所を選ぶようにしましょう。

もし難しいようでしたら風向きを調整したり風よけを設置するなどの工夫を行うようにしましょう。

市販の風よけカバーをエアコンに取り付けるのもおすすめです。

就寝前にはしっかりと水分補給

人は寝ている間にもコップ2~3倍程度の水分が汗として失われます。

たとえノドに乾きの感覚がなくても体の水分は着実になくなっています。寝る前にはコップ1杯程度の水分を摂っておくようにしましょう。

ただし冷たすぎたりカフェインが入っているとかえって体調を悪くしたり寝付きが悪くなりますので、常温の水がおすすめです。

熱を出す電化製品の電源を切る

熱を出す電化製品をそのままにしておくとエアコンの効きが悪くなってしまったり、部屋の室温が上がりやすくなる原因となります。

PCやテレビの電源は就寝前には切るようにしましょう。

ちなみにテレビをつけたまま寝てしまうと睡眠の質にも影響を与えると言われています。もしついつけっぱなしにしてしまうようでしたら、タイマーをあらかじめ設定しておくようにするといいと思います。

”昼に”できる!夜間の熱中症対策


夜間の熱中症対策は、必ずしも夜に行うものばかりではありません。そもそも夜の暑さは日中に蓄積された熱がずっと残っている事が大きな原因です。

つまり日中の状況次第で夜の快適さも大きく変わってくるのです。

室内に日光を入れない

直射日光を建物の中に入れないようにすれば熱がこもりにくくなります。

特に陽射しが当たりやすい南側や西側の窓にはすだれよしず、サンシェード、遮光性の高いカーテンなどを設置してみましょう。

ただし日光を室内で遮るのと室外で遮るのとでは入ってくる熱の量が3倍ほども違ってきます。

できるだけ「日光は建物の外で遮る」を意識するようにしましょう。

打ち水をする

水は蒸発した時に気化熱で周りの熱を奪う効果があり、打ち水を行えば建物周へんの熱のこもりを和らげることができます。

ただし熱中症には十分気をつけましょう。

断熱改修で建物の暑さを軽減

そもそもなぜ気温の下がった夜でも部屋が暑いのかというと、小屋裏にこもった熱が原因です。

日中の小屋裏は50〜60℃ほどにまで暑くなり、その熱が夜になっても残っているせいで建物はずっと暑いままなのです。

この傾向は集合住宅の最上階や断熱効果の高くない建物で特に顕著になります。

私も普段から断熱診断を通して小屋裏の調査を行っていますが夏場は本当に暑くて3分もいられないくらいです。

エアコンのスイッチを切った途端に部屋が暑くなってしまうのは、すぐ真上に暖かい空気が溜め込まれているからなのです。

断熱材のある床下
断熱材には熱を伝えにくくする働きがあります。

小屋裏の断熱改修をすれば生活空間に熱が伝わりにくくなり、暑さを感じにくい空間にすることができます。

さいごに

今回は夜間の熱中症の対策をご紹介してきました。

毎年多くの方が夜間の室内での熱中症で命を落としてしまっている現状を決して軽くみるべきではないと思います。

安全のため、より涼しい空間づくりが大切です。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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