省エネリフォームで使用できる「ローン型減税」を解説|断熱リフォームの匠

コラム

2020.12.02 / 2021.06.29

補助金・減税・節約

省エネリフォームで使用できる「ローン型減税」を解説

WRITER

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

「省エネリフォームの減税の対象となる工事や減税される額、申請の方法などを知りたい!」

このような方のために、省エネリフォーム減税について解説していきます。

このページを読んでいただくと省エネリフォーム減税(ローン型)の

  • 減税額や減税方法
  • 減税の対象となる工事や条件
  • 減税の申請に必要な書類
  • 減税を申請する際の注意点

について知ることができます!

省エネリフォーム減税の減税額や減税方法


省エネリフォーム減税は、省エネ性能を上げるリフォームを行なったとき、5年間「所得税の控除」ができる制度のことをいいます。

省エネリフォーム減税には

  • 住宅ローンの借り入れを行なっている人が利用できる「ローン型」
  • 住宅ローンの有無に関わらず利用できる「投資型」

の2つがあります。今回は「ローン型」についてご紹介させていただきます。

対象となる省エネリフォームを、償還期間5年以上の住宅ローンでおこなう場合、
省エネリフォーム減税を利用することで

  • 省エネ改修にかかった費用の2%
  • 省エネ改修以外の工事費用の年末ローン残高の1%

の額だけ減税することができます。

ただし、減税額には上限額が決められていて

  • 省エネ改修工事の上限額は250万円
  • 省エネ改修工事と省エネ改修以外の工事を足した金額の上限額は1000万円

となっています。

省エネリフォーム減税の対象となる工事


省エネリフォーム減税の対象となる工事は

  1. 建物全体の窓の断熱改修
  2. 1+床・天井・壁の断熱改修(1つだけでも可)

の2つのパターンがあります。

窓の断熱改修とは

  • 内窓の取り付け
  • 高性能な窓への交換

などが対象になります。
床・天井・壁の断熱改修は

  • 小屋裏への断熱材の吹き込み
  • 床下への断熱材の取り付け
  • 壁の内側への断熱材の充填

などが対象となります。

なお、「建物全体の窓の断熱改修」は、下記の条件を満たすときは建物全体である必要はありません。

「住宅性能評価書」または、「長期優良住宅の認定通知書」により、改修後の住宅全体の断熱性能等級が一段階相当以上向上して、断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4以上かつ断熱等性能等級3になる。

省エネリフォーム減税の工事には「省エネ性能の確保」が必要

先ほど省エネリフォーム減税の対象となる工事をご紹介しましたが、これらの工事をただ行えばいいというわけではなく、決められた省エネ効果が得られるようにならなければいけません。

具体的には

  • 建物の省エネ性能が平成28年基準相当以上になるようにする
  • リフォーム後の住宅全体の断熱等性能等級を現状から一段相当以上あげる

これらの条件を満たす必要があります。

省エネリフォーム減税の申請に必要な書類


省エネリフォーム減税の申請(確定申告)の際に必要な書類は下記のとおりです。

  • 確定申告書
  • 源泉徴収票(給与所得者)
  • 本人確認用書類(マイナンバーカード・運転免許証・パスポートなど)
  • 建物の登記事項証明書
  • 増改築等工事証明書(定められた書式に建築士等が記入)
  • 補助金等の額を明らかにする書類(補助金の交付を受ける場合)
  • 増改築等に係る借入金の年末残高等証明書
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 住宅の工事請負契約書

増改築等工事証明書は、建築士の記入が必要です。作成には時間がかかる場合があるので、余裕を持ち早めに依頼しましょう。

詳細は国税庁の「省エネ改修工事をした場合」についてをご確認ください。

▼借入金を利用して省エネ改修工事をした場合(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1217.htm

省エネリフォーム減税を申請する際の注意点


省エネリフォーム減税の申請を行う時は

  • 申請できるのは「工事費-補助金」が50万円以上の時
  • 改修工事が完了した日から6カ月以内に居住していること
  • 工事の対象となる物件や世帯収入にも条件がある

に注意しましょう。

申請できるのは「工事費-補助金」が50万円以上の時

省エネリフォームの減税は、国や地方自治体のなどの補助金制度と併用することができます。
減税は、工事費から補助金を差し引いた金額が対象となります。
また工事費から補助金を引いた金額が50万円以上でなければなりません。

改修工事が完了した日から6カ月以内に居住していること

省エネリフォーム減税の申請を行うには、令和3年12月31日までに改修工事を終わらせてその建物に住み始める必要があります。
また、改修工事が終わった後は6ヶ月以内にその建物に住み始めなければいけません。

その他の条件

その他の省エネリフォーム減税の条件として

  • 自ら所有して住んでいる住宅
  • 建物の床面積の1/2以上が居住用の空間
  • 改修工事後の家屋の床面積が50㎡以上
  • 合計所得金額が3000万円以下

などの条件がありますので、事前に確認をしておきましょう。

まとめ

今回は省エネリフォームをおこなった場合に活用できる省エネリフォーム減税をご紹介しました。

省エネリフォームの減税制度には、投資型とローン型があります。リフォーム費用の支払い方や工事の内容により、どちらの減税制度を活用するかを決めましょう。

断熱リフォームの匠では、減税や補助金の対象になる工事のお見積り作成や、申請に必要な書類の作成もおこなっております。もし建物の断熱リフォームをお考えでしたら、ぜひご相談ください。