窓ガラス交換の費用はいくら?サイズ・種類別の相場と補助金の使い方を解説|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2025.09.18
内窓・窓リフォーム
窓ガラス交換の費用はいくら?サイズ・種類別の相場と補助金の使い方を解説

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廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
「ガラスが割れた」
「結露や寒さをどうにかしたい」
「防犯性を上げたい」
窓ガラスを交換したい動機はいろいろあります。ただ、同じ交換でも、ガラスの種類やサイズ、現場条件、そして補助金の使い方で費用感は大きく変わります。
本記事では、今ある窓ガラスを交換した場合の費用について、見積もり前に押さえておきたいリアルな金額感と判断材料をまとめました。
目次
窓ガラス交換の費用相場はどれくらい?
まず最初におおまかな材料価格の一覧をお見せしましょう。90cm×90cm(腰窓相当)の目安一覧です。
材料費(円/枚) | 費用合計目安(円/枚) | |
---|---|---|
透明ガラス | 5,184 | 14,000〜26,000 |
型ガラス | 3,888 | 13,000〜25,000 |
網入り透明ガラス | 18,306 | 23,000〜43,000 |
網入り型ガラス | 8,262 | 16,000〜30,000 |
アタッチメント付き Low-E複層ガラス |
59,697 | 52,000〜97,000 |
アタッチメント付き ガス入りLow-E複層ガラス |
71,847 | 61,000〜113,000 |
アタッチメント付き 安全合わせ複層ガラス |
55,080 | 49,000〜91,000 |
真空ガラス(透明) | 46,980 | 43,000〜81,000 |
真空ガラス(不透明) | 46,980 | 43,000〜81,000 |
※材料費は定価のため、業者によって提供価格は異なります。また、交換一式の目安であり、現場条件などで増減します。
費用の内訳は?
基本的にガラス交換の工事費用というのは、材料費と工賃で構成されています。材料費はガラスの代金ですので分かりやすいですが、工賃の中には既存ガラスの処分費用や、材料の搬入費等も含まれます。
例えば、普通の透明ガラスであれば、下記表のようになります。
材料費 | 5,184 |
---|---|
施工費 | 10,000 |
処分費 | 3,000 |
搬入費 | 2,000 |
合計 | 20,184 |
作業する箇所が少ない場合には通常価格よりも割高になることが多いので、他にガラス等に関わる工事があるなら、その際にまとめて窓業者にお願いする方がお得です。
費用を左右する要素
窓ガラス交換の費用は、以下のような要素によって大きく変動します。
- ガラスの種類:単板ガラスより複層・Low-E・真空・防犯ガラスの方が高額になります。
- サイズ:面積が大きくなるほど、材料費・施工費ともに上がります。
- 施工条件:高所作業・狭い搬入経路などがあると追加費用が発生します。
- 施工枚数:1枚のみより、複数枚をまとめて依頼した方が単価は下がる傾向です。
- 地域・業者差:出張費や廃材処分費の設定は業者によって異なります。
冒頭の表に示した価格は代表的なガラスを対象に、同一サイズで比較しやすくした目安です。実際には選ぶガラスの仕様や窓サイズ、施工環境によって変動する点にご注意ください。
ガラス交換の制約と注意点
費用だけでなく、「そもそも交換できるかどうか」も重要なポイントです。特に築20〜30年ほどの住宅では、サッシの仕様が交換の可否に大きく関わってきます。
サッシ溝幅の制限
一般的な古いアルミサッシは溝幅が約8mm程度。このため、ガラス厚が9mmを超える複層ガラス(厚み18〜22mm程度が一般的)は収まりません。
アタッチメント付きガラスの注意点
サッシに合わせて納まるように加工された「アタッチメント付き」のガラスもありますが、枠外に出っ張るため開閉が重くなったり、網戸や雨戸に干渉するリスクがあります。
サッシごと交換した方が合理的な場合も
せっかく高性能なガラスに交換しようと考えても、古いサッシの場合は構造が高性能なガラスを嵌めることを想定していないため、はじめから交換が難しいということも珍しくありません。そのような場合はガラスの交換に留めるよりも、サッシごと交換した方が費用対効果が大きくなる傾向にあります。
具体的には、カバー工法を用いることでガラス・サッシともにグレードアップを図っていくことになります。この方法であれば古いサッシの溝の幅などにとらわれることなく、高性能なガラスを選択することが可能になります。

ガラス交換でも補助金は使える?
ガラス交換をすることで、補助金を受け取ることも可能です。具体的には、「子育てグリーン住宅支援事業」と「先進的窓リノベ事業」が適用できるケースがあります。
ガラスを高性能なものに交換することで、住宅の省エネ性を高めたり、快適に過ごせるようにする工事に対して補助金が交付されることになります。
ガラスの交換によって補助金を受け取るためには、高い性能が期待できる真空ガラス等を使用しないといけませんが、その際に注意が必要な点があります。それは、既存のサッシ性能によって受け取れる補助金の金額が限定的になる場合があることです。
アルミサッシの場合、ガラスだけが高性能なものに変わっても、サッシの性能に足を引っ張られる形で全体の性能が上がりにくくなります。結果として、補助金の要件として求められる性能値を満たせなくなる場合が出てくるのです。
先進的窓リノベの場合
「先進的窓リノベ事業」の場合、要求される窓の性能が高いため、既存サッシがアルミ製の場合には、どれほど高性能なガラスを選んでも断熱性能を満たせないことがあります。
一定の断熱性能を満たした場合ごとの補助額は下記のとおりです。
窓の性能区分 (Uw) |
大(L) 1.4㎡以上 |
中(M) 0.8~1.4㎡未満 |
小(S) 0.1~0.8㎡未満 |
---|---|---|---|
P(SS) (1.1以下) |
55,000円 | 34,000円 | 34,000円 |
S (1.5以下) |
36,000円 | 24,000円 | 7,000円 |
A (1.9以下) |
30,000円 | 19,000円 | 5,000円 |
※ガラス交換後の窓の性能に応じて1枚ごとに上記補助が出ます。
この表は「窓の性能」と「窓の大きさ」に応じて、もらえる補助金額が変わることを示しています。左側は窓の性能区分で、「P(SS)=とても性能が高い(Uw値1.1以下)」「S=高性能(Uw値1.5以下)」「A=標準的な断熱性能(Uw値1.9以下)」です。
Uwというのは「熱の伝わりやすさ」を表す数値で、小さいほど断熱性能が高い=暖かい窓になります。
子育てグリーン住宅の場合
「子育てグリーン住宅支援事業」であればガラスの性能要件がやや緩いため、補助金を受け取るものもありますが、補助の額は半分以下にまで下がってきます。
大(L) 1.4㎡以上 |
中(M) 0.8~1.4㎡未満 |
小(S) 0.1~0.8㎡未満 |
|
---|---|---|---|
補助額 | 14,000円 | 10,000円 | 4,000円 |
※改修後の開口部の熱貫流率および日射熱取得率が、一定の基準値以下となる場合に上記補助が出ます。

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一方で、もともとのサッシがアルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシである場合は、ガラスを高性能にすることで相応の性能アップが見込めるため、「窓リノベ」を活用した工事が可能になることもあります。
ガラスの交換工事をした場合にどの程度の補助が見込めるのか、住宅の快適性を高める効果が期待できるのかはなかなか一概に説明することは難しいものです。
金額はどの程度になるのか、物件に合わせた補助金を活用できる方法はどうなるのか、専門の業者に見積もりを取ってどんどん質問してみることをオススメいたします。
よくある質問
ガラスの交換による断熱化を検討している方から多く寄せられる質問についても解説していきましょう。同じようなお悩みや検討状況の方にとって参考になれば幸いです。
-
ガラス交換だけで断熱効果は上がりますか?
-
まったく効果がないとは言いませんが、既存サッシの種類によって性能アップが限定的になる場合があります。特にサッシがアルミの場合においては、ガラスの結露が減ったとしても、サッシの結露はまるで改善されない可能性が潜んでいます。
実際にガラス交換を実施した方の感想を聞いてみると、「多少は良くなったけど…」という意見が実際に多いのが実情です。既存のサッシがアルミ製である場合には、できれば他の断熱化を検討した方が、快適性を高めるという最終的な目的を達成しやすいことが多いと言えるでしょう。 -
サッシが古くても交換できますか?
-
基本的にはアルミサッシ等の古いものであっても、ガラスは交換することが可能です。ただし、ガラスを嵌めるサッシの溝幅には限界がありますので、交換できるガラスの種類にも当然ながら制約がかかります。
特に単板ガラスからそれ以外の複層ガラスや真空ガラスに交換する場合は、溝幅によっては交換が難しかったり、アタッチメント金具を使用した一工夫がないと取り替えられないケースが多くなります。 -
窓ガラスの交換は自分でDIYもできますか?
-
交換そのものは可能ではあるものの、ガラスのサイズをしっかりと計測するのは慣れている業者でないと難しいかもしれません。また、ガラスをサッシから外す際に、指を切ってしまうなどのトラブルも発生しやすくなるため、基本的には業者にお任せしてしまった方が良いのではないかと思います。
-
ガラス交換は保険が使えますか?
-
台風などの災害や空き巣被害によってガラスが破損してしまった場合には、加入している火災保険によって補償の対象となる場合があります。ご自身が加入している火災保険の条件を確認しなければなりませんが、多くの場合は補償の対象になっているようです。
補償の対象になることを知らない、あるいは忘れてしまっているままでガラスの交換だけを済ませてしまうと、せっかくの補償が受け取れないことになってしまいます。破損したガラスの交換の際には、火災保険の補償内容を一度確認してみてください。
まとめ
今回は住宅のガラス交換について、おおまかな価格の一覧を交えて解説いたしました。新築から年数が経過した住宅にお住まいの場合、窓からの暑さや寒さを強く感じるようになることは想像に難くありません。
そのため、ガラスの交換をすることで性能アップを図ることはごく自然な流れと言えますが、その場合には交換できるガラスの種類をよく見極める必要がでてきます。
場合によってはガラスのみを交換するのではなく、サッシごと交換する工事を実施した方が本来の目的を達成できるケースが出てきます。補助金もフル活用して住宅のアップグレードを図りたいのでしたら、断熱に詳しい専門業者の力を借りて相談をしてみることを推奨します。
また、災害や空き巣被害によるガラスの破損についても、交換費用を保険でまかなうことができる場合がありますので、そのようなケースに直面した場合は忘れずに確認をしてみてください。
ガラスの交換を実施する際にも、意外と簡単にはいかないこともありますので、専門業者の意見を参考にして、理想的な交換ができるようにしたいですね。


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