窓の寒さ対策6選!自分でできる簡単対策から本格リフォームまで解説|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2020.11.17 / 更新日 2024.04.16

内窓・窓リフォーム寒さ・暑さ対策

窓の寒さ対策6選!自分でできる簡単対策から本格リフォームまで解説

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

「暖房をつけても、なかなか部屋の中が暖まらない」
「窓の近くが寒い」

寒い時期になると「家の中が寒くて困っている」という内容のご相談をたくさんいただきます。というのも、窓は家の中で最も熱が外に出ていってしまう場所なのです。窓の寒さ対策をするだけで、「家の中の暖かさが変わった」という実感を持つことができます。今回はそんな窓の寒さ対策についてじっくり解説していきます。

窓の近くはなぜ寒い?部屋は窓を暖めるべき理由

家の中が寒い理由、それは窓が原因であることがほとんどです。窓の断熱性能が低いと、エアコンなどの暖房器具で部屋を暖めていても、窓から冷たい冷気が入り込み暖かい空気は外に逃げてしまいます。

事実、室内の暖かい熱が外に逃げ出すうちの58%が窓などの開口部から(※1)と言われているのです。

建物から逃げていく熱の割合

(写真)室内から外に漏れ出す熱の半分以上が窓などの開口部から逃げている。
コールドドラフト現象のイメージ

(写真)コールドドラフト現象のイメージ。窓ぎわで冷やされた冷気が床に向かって流れ込む。

 
そういった住宅の窓は1枚のガラスとアルミサッシが使われ、熱を伝えやすいアルミや薄い1枚ガラスから熱が漏れ出てしまいます。また、冬場は寒くなる室内の窓際で空気が冷やされ、冷気が床に向かって流れ込むコールドドラフト現象が発生します。暖房を付けていても足元が寒いのは、コールドドラフト現象が起きているからなのです。

室内で寒暖差が生じると、健康の面においても悪影響(※2)を及ぼします。窓を暖める(断熱する)ことは、寒さを和らげることだけでなく、健康的に過ごすために必要なことなのです。

※1参考:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会
※2参考:株式会社LIXIL・近畿大学「住宅内温熱環境と居住者の健康に関する研究」

簡単に自分でできる窓の寒さ対策

窓の寒さ対策と言っても、自分でできる簡単な対策からリフォーム業者に頼む断熱対策まで様々です。「まずは自分で対策を試してみたい・・・!」という方にとって、業者に依頼するのは大変です。そこでまずは、自分でできる窓の寒さ対策をご紹介します。

断熱カーテンを使う

すぐにできる窓の寒さ対策は、カーテンを断熱性の高いものに変えることです。カーテンは外から家の中を見えなくするだけのものではなく、家の中の暖かい空気が外に移動するのも妨げてくれる効果もあります。断熱カーテンには生地に特殊加工がされたものや、簡易的なビニールカーテンライナーがあります。

生地に特殊加工がされた断熱カーテン

カーテン選びのポイントは、生地と厚み、サイズです。基本的には、薄いものではなく厚みがあり裏地がついているようなものを選ぶことが大切です。また、長さが足りないカーテンを間違って買ってしまうと下の隙間から冷気が伝わりやすくなります。

(写真)下に隙間があると冷気が入り込んでしまう。
カーテン

(写真)分厚い生地や裏地のある二重カーテンがおすすめ。

 
カーテンを買う前には、窓の縦と横の長さをきちんと測っておくようにしましょう。断熱カーテンという名前だけでなく、遮熱カーテンや保温カーテンなどの名前でも販売されていますので、探す時はそういった商品を選ぶことが大切です。

ポリ塩化ビニル製の簡易的な断熱カーテンライナー

カーテンレールのライナーを利用して取り付けることができる断熱カーテンライナー。今あるカーテンをそのまま利用して断熱効果を高めることができる商品です。

断熱カーテンライナー

1000円前後で購入することができるため、最初に試してみる価値はあると思います。具体的には、カーテンと窓ガラスの間にこのカーテンライナーを挟み込み、冷気をシャットアウトする仕組みです。

ワイズ「あったかキープカーテン」、ニトムズ「冷気ストップライナー」などの他、ニトリカインズでも商品が販売されています。

緩衝材を窓に貼る

梱包材として使われる気泡緩衝材、通称プチプチ。これが窓の寒さ対策に使えるのは有名な話ですよね。皆さんもご存知の方法かもしれません。ただ、この方法は非常に簡易的であるため効果は限定的です。

(写真)窓に貼り付けた気泡緩衝材。隙間なく貼り付ける必要がある。

(写真)緩衝材は窓断熱専用のものを使わないと思った効果がでない。

 
実際に実践するときは、緩衝材選びが非常に大切です。というのも、普通の気泡緩衝材は素材が薄く窓への貼り付けも多少頼りなさがあります。面倒かもしれませんが、断熱専用の気泡緩衝材を購入して貼り付けることが重要です

窓断熱専用の気泡緩衝材は、シートが2層になっており断熱性能が高くなっています。これを窓にぴったり貼り付けることで窓自体の断熱性能を向上させるのが狙いです。ただ、窓の断熱性はガラスだけでなくサッシの性能にも大きく左右されます。この方法ではサッシの断熱性能は向上させることができないため、他の寒さ対策と併用するのがおすすめです。

窓際断熱ボードを設置する

掃き出し窓など大きい窓には断熱ボードを設置する方法もあります。高さ1mほどのボードを床に立てかけるように設置することで、窓からのコールドドラフト現象を防ぐ効果があります。ポリエチレンなどの発泡素材が使われるため、素材そのものにも断熱性能があるものが多いです。

デメリットとして、出入りのある掃き出し窓に設置すると邪魔になる点が挙げられますが、そこまで開けしめの無い窓であればおすすめの寒さ対策ですね。

内窓(二重窓)をDIYする

内窓DIYとは、今ある窓の内側に新しい窓を自分で取り付けることです。本来はリフォーム業者や窓業者に工事を依頼するものですが、ホームセンターで揃えられる材料を使うことで簡易的な内窓を自作することが可能です。

内窓のDIY

(写真)ポリカーボネートのボードを使用した自作内窓の例。
自作の内窓

(写真)木枠を使った自作内窓。開け閉めの無い窓はFIX内窓にしてしまうのも手だ。

 
一般的な引違い窓の内窓を自作するには、ポリカーボネート板やレール(敷居)、枠といった材料が必要です。これらをカッターやテープなどを使って工作すれば1日程度で作ることができます。

本気で改善するなら窓の断熱リフォームが効果的

ここまで自分でもできる簡易的な窓の寒さ対策を解説しましたが、本気で寒さを改善したいと考えているなら手っ取り早く業者に依頼するのがおすすめです。

初期費用はかかりますが、効果は然ることながら見た目の綺麗さも段違いです。長い目で見れば簡易的な対策よりもパフォーマンスは高いですので、できればこれからご紹介する方法での寒さ対策をされることをおすすめします。

内窓(二重窓)を設置する

先程はDIYでの内窓設置をご紹介しましたが、そちらは簡易的な内窓でした。業者に依頼する内窓の設置工事は、YKK AP「プラマードU」LIXIL「インプラス」といった窓サッシメーカーの内窓を取り付ける工事のことを言います。

(写真)YKK APプラマードUの内窓。既存窓の内側に取り付ける。

(写真)内窓の取り付け作業。掃き出し窓でも腰窓でも取り付けることが可能だ。

 
内窓構造は通常の窓に比べて寒さに強くなっています。2つの窓で空気をはさみ込み、外の冷気が伝わりにくくなるからです。既存の窓はそのままに、断熱性能を格段に向上させることができるリフォームなので大変おすすめできます。

内窓の設置には精密な窓枠の計測が必要となりますので、専門スタッフによる事前調査が必須です。また、窓の形や場所によっては内窓の取り付けが難しい場合もあるので、事前にリフォーム業者にしっかり確認してもらいましょう。

窓・サッシ自体を変える

もし内窓の取り付けが難しいときは、窓そのものを取り替えるのも手です。ただし、窓のサッシごと取り替えるには外壁にも手を加える必要があるため大掛かりな工事となります。

窓サッシの交換

(写真)既存の窓を取り外す様子。外壁からくり抜く必要がある。
交換した窓サッシ

(写真)窓を交換するときは他のリフォームと合わせる場合が多い。

 
窓選びのポイントは、ガラスとサッシそれぞれの素材に注目することです。具体的にどのような素材があるのかみていきましょう。

窓のサッシは樹脂製に変える

寒いと感じる窓のサッシは基本的にアルミ製です。冬になると温度差で結露しやすく、木材の耐久性にも悪影響となります。交換するときは断熱性能的に優れた樹脂サッシに交換しましょう。

アルミサッシ 安価で最も普及しているサッシ素材。昔の住宅のほとんどがこのアルミ製。熱伝導率が高く、熱を移動させやすい。
木製サッシ 最も断熱性能が高いサッシの一つ。その分、最も高価で導入のハードルは高い。
樹脂サッシ 断熱性能とコストを考えたときに最も効果的なのが樹脂サッシ。サッシ全てを樹脂で作っているため、断熱性能が高い。
複合サッシ 屋外側がアルミ製、室内側が樹脂製のサッシが複合サッシと呼ばれる。樹脂サッシに劣るが、結露しやすいアルミサッシの弱点を補っている。

窓のガラスは複層以上に

昔のガラスは1枚のガラス、いわゆる単板ガラスです。屋外と室内を1枚のガラスで仕切っていては、寒いのも当然ですよね。現在は複層ガラスが主流となりましたが、それでも寒いと感じられる方が多いのも事実です。

単板ガラス 単板ガラスは文字通りガラスが一枚だけのシンプルな窓ガラス。現在最も普及しているものの寒さにとても弱い。
複層ガラス 2枚以上ガラスを使い、内部に空気層を作ったガラス。単板ガラスより断熱性能が高いが、古いものは断熱性能に劣るものもある。ペアガラス。
Low-E複層ガラス 複層ガラスに金属膜(Low-E膜)をコーティングした窓ガラス。寒さ対策の大きな効果を持ち、遮熱タイプと高断熱タイプがある。
ガス入り複層ガラス 2枚のガラスの間にある中空層に熱を伝えにくい希ガスを入れたガラス。アルゴンやクリプトンが使われる。Low-Eガラスよりも高性能だが高価。

 
サッシと同じく熱の移動が少ない素材に変えることで、寒さを感じにくくできます。とはいえ、コストや効果のことを考えるとやはり内窓を取り付ける方がお手軽ですので、窓サッシの交換は基本的には内窓の代替案として考えることをおすすめします。

窓の寒さ対策をする上での注意点

ここまで、色々な窓の寒さ対策についてご紹介してきましたが、寒さ対策の効果を高める上で気をつけてほしいことがあります。それは、同じ空間にいくつかの窓がある時はすべての窓に寒さ対策を行うことです。

例えば、寝室に窓が2箇所あって内窓の取り付けを検討している場合は、両方の窓に内窓を取り付けるようにしましょう。1箇所でも寒さに弱い部分があると、熱はそこからどんどん逃げ出してしまうから要注意です。

また、内窓の取り付けや窓の交換については国や地方自治体から補助金を申請できることがありますが、その時の条件として「全ての窓に対して行う」という条件が設定されているケースも多くあります。全ての窓の寒さ対策を行うことはとても重要なポイントですので覚えておきましょう。

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窓以外にもやっておきたい寒さ対策

せっかく窓を対策するなら、窓以外も寒さ対策しておきたいですよね。もちろん、窓だけでも十分な断熱効果を得られますが、窓を断熱しても気になるなら他の対策も検討してみましょう。

ドアの隙間をテープで塞ぐ

築年数が経過すると引き戸などには隙間ができます。その隙間からは廊下の冷たい空気が入り込む原因となってしまうことも。隙間風が気になる際は、隙間テープを貼って対策しましょう。

また、最近の住宅の室内ドアには下部に隙間があります。これは計画換気のために設けられているものなので塞ぐのは禁物。あくまでも建具が歪んで隙間ができているなどのときに塞ぐようにしましょう。

床、壁、天井に断熱材を追加する

窓と比較すると、熱が逃げる割合が小さい床や壁、天井。とはいえ、築年数の経過した住宅ではこれらが寒さの原因であることも少なくありません。

自分で対策するには

自分で対策するには、床にコルクタイルや無垢材タイルを敷く方法があります。壁に貼り付けるタイプの断熱ボードも販売されているので、外壁からの冷気が気になる場合は、それらの商品を組み合わせることで寒さ対策となります。

(写真)コルクのタイルを床に敷くのは断熱効果を体感しやすい。敷くものは熱伝導率が低い素材がおすすめ。

(写真)無垢材のタイル。無垢材の中でも柔らかい杉材が温かみがある。

 

本格的に対策するには

内窓の施工と同じで、床や天井については専門業者による断熱工事が可能です。具体的には、床下から断熱材を追加設置したり、天井(屋根裏)から断熱材を入れることで断熱対策となります。

床下断熱工事

(写真)床下に職人が入り断熱材を施工する。住んだまま工事可能だ。
天井断熱工事

(写真)屋根裏に断熱材を施工する。こちらも住んだまま工事ができる。

 
これらはどちらも非破壊で施工できるため、住んだまま短工期(1日〜3日程度)で寒さ対策を行うことができます。リフォームですのでコストはかかるものの、DIYでは不可能な寒さ対策ですので、根本的な寒さ解消を検討されている場合はおすすめの対策方法です。

まとめ

今回は窓の寒さ対策について解説しました。「家の中が寒い」と感じているのであれば、ぜひ窓から寒さが伝わりにくくする工夫をしてみてください

冬が来てから寒さで後悔する前に、窓の寒さ対策をしっかりして快適な暮らしの準備をしてみてはいかがでしょうか。

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