メリット抜群!内窓(二重窓)リフォームの費用対効果を徹底検証【効果計測】|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2020.05.25 / 更新日 2024.12.27
内窓・窓リフォーム
メリット抜群!内窓(二重窓)リフォームの費用対効果を徹底検証【効果計測】
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廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士
地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
「内窓にはどんな効果やメリットがあるの?」
「二重窓の費用対効果を知りたいです」
今回はこのような疑問にお答えします。最近は内窓(二重窓)の取り付けを対象とした多額の補助金政策の後押しもあり、内窓リフォームのご依頼を数多くいただいています。なぜ内窓がこんなに注目されているのか、どんな効果があるのか、詳しく見ていきましょう!
目次
内窓にはプラスの効果がたくさん!
内窓リフォームを行うと、下記のような数々のプラスの効果を同時に得られます。
- 断熱効果(寒さ・暑さを軽減)
- 結露防止
- 騒音対策
- 防犯効果
- 省エネ効果
- UVカット
住まいの「困った」をまとめて解決してくれる、とても心強い存在と言えます。それぞれの効果について詳しく解説していきましょう。
1.寒さ・暑さを感じにくくなる
窓は寒さや暑さの最大のウィークポイントです。窓を形作るガラスやアルミサッシは非常に断熱性能が低い上、開閉のための構造上隙間が多い特性とも相まって室内から大量の熱が逃げていくためです。内窓はそんな窓本来の弱点を大幅に補完することができます。
窓を二重にすると外窓と内窓の間に空気の断熱層ができ、暖かい空気が外に逃げにくくなります。気密性能が上がって隙間風も軽減されますし、ガラスやサッシ自体も熱を通しにくい素材でできているため、家の暖かさは大幅に向上することでしょう。
余談ですが、実は北海道などの寒冷地ではずっと昔から二重窓は広く普及しています。寒い地域だからこそ、それを乗り越えるための工夫が住宅に施されているのでしょう。
国土交通省の調査によると、冬のリビングの平均室温は寒冷地よりもむしろ関東の方が寒いという逆転現象も出ているほどです。とても興味深いですね。
2.窓の結露を軽減できる
窓の結露は室内の水蒸気が窓際で冷やされることにより発生します。私たちは室内が乾燥すると加湿したくなりますが結露の水滴は水蒸気からできているため、実は室内は乾燥したままなのです。
部屋は乾燥しているのに窓はびしょびしょ…とても悪循環です。毎日結露する窓には浴槽の排水口と同じくらいカビが存在すると言われています。窓辺が結露でじっとり湿った中途半端にぬるい室内では、カビやダニも発生しやすく、アレルギー症状や体調不良の原因になったりと健康によくありません。
内窓には結露の問題を大幅に改善する効果が期待できます。内窓で窓から熱が逃げにくくなれば空気中の水蒸気も同時に冷えにくくなり、結露が起こりにくくなるからです。
「暖房を使うと肌や喉が乾燥してしまうけど、加湿すると結露を取るのが大変・・・」という方は、内窓の効果を実感していただけるに違いありません。
3.防音への性能効果
- ピアノやギターなどの楽器
- 犬などのペットの鳴き声
- 自動車や電車
- 飛行機
- 工事現場
上記のような音は日常生活の中で聞こえてきますが、時として「騒音」という悩みの種になります。以前にお伺いしたお客様の中には「ご近所さんの口喧嘩がうるさくてとてもストレスなんです…」という方もいらっしゃいました。
内窓はこういったさまざまな音を軽減する効果があります。外窓と内窓の間の空気層には音波の伝播を遅らせて音を聞こえにくくする働きがあるからです。内窓の気密性を高める効果も相まって、外部からの音波の直接的な伝達も防げます。
音を完全に消滅させるのは難しいものの、日常生活で音によるストレスを感じないレベルにすることは十分に可能です。
内窓を取り付けると、外からの騒音がおよそ15デシベル軽減されると言われています。人間の耳は10デシベルの減少で音量が半分ほどになると感じることを考えると、外からの騒音はかなり和らぐことでしょう。
大通りに面した家の室内で聞こえる騒音は、およそ55デシベルだそうです。もし、この家に内窓をつけると音量はおよそ40デシベルまで下がる計算ですが、これは図書館とほぼ同等です。交通量の多い通り沿いのお家で図書館並みの静けさを実現できるというのは非常に魅力的ですよね。
4.家の防犯性能が上がる
空き巣被害は窓が侵入経路となるケースが最も多いと言われています。窓ガラスの一部を割ってから窓の鍵(クレセント錠)を開けて押し入るわけですね。これが二重窓になっているとどうでしょうか。
外側のガラスを割ったとしても内側にはまだ窓が残されていますから、空き巣にとっては普通の窓よりも侵入に手間がかかることになります。また、内窓と外窓は非常に密接していることから、錠とサッシが干渉して外側からはなかなかうまく開けられません。
空き巣としては侵入にあまり時間をかけたくないところですから、内窓が付いているとわかった時点で「この家は面倒そうだ」とあきらめる可能性がぐっと高まります。内窓は家の安全性を高める役割も担うことができるのです。
内窓リフォームの効果を検証してみた
ここまで内窓のメリットについてお話ししてきましたが、もしかすると「本当に効果があるの?」と半信半疑の方もいらっしゃるかもしれません。
そこでお客様にテストモニターとしてご協力いただき、内窓を設置する前と設置した後の温度・湿度の変化を計測して効果を検証してみました。
実験を行ったのはこちらのお家
ご夫婦が2人で住まれており「冬になるとかなり冷え込んでしまうんです」と話されていました。実際私も室内の窓を見た瞬間に「これは相当冷えるお部屋だな」と容易に想像することができました。
- 単板ガラス(1枚だけの薄いガラス)
- アルミ製のサッシ(熱を通しやすい素材)
- 部屋によっては窓が3か所
- 部屋の一面はほぼ窓
このように寒い家の条件をいくつも満たしており、冷えてしまうのは仕方がない状態です。「寒さから解放されて欲しい」との思いで内窓リフォームのご提案をいたしました。
内窓取り付けの流れ
- 現状の断熱性能の確認
- 窓サイズの計測
- オススメの内窓の提案
内窓は上記の流れで取り付けます。また、内窓を選ぶ際の大事なポイントとして、サイズ以外に部屋の向きがあります。太陽の光のあたり方は季節によって異なるため、採用する内窓を間違えると「冬は暖かいけど夏は暑くてしょうがない」という状態になってしまうので要注意です。
欄間への内窓取り付け後の写真です。また、お客様からよくいただくご相談に「内窓にしたいけど障子の雰囲気は変えたくない」というものがあります。
そんな場合は障子を模したすりガラスタイプの内窓にすることもできます。
内窓設置の効果を観察
お部屋の中にはデータロガーを設置し、毎日決められた時間に温度と湿度を計測しました。施工前後の違いを比べる十分な量のデータを取るため、観察は施工日の2月11日周辺の1月19日〜2月25日で行っております。その結果が下のグラフです。
縦の軸が室内の温度、横の軸が日時を表しています。内窓リフォームを行った前後の変化は一目瞭然です。冷え込みが抑えられ、室温が一定に保たれているのがわかります。
内窓の断熱効果は絶大ですね。人間は室温が20度に近いほどストレスを感じにくくなりますから、室内がより快適空間に近づいたことがデータからわかります。
お客様からも「足元の冷気がなくなって、寒い思いをしなくなりました。工事をやってよかったです」と大満足のお声をいただけました。
内窓リフォームの注意点
内窓の効果を正しく得るためにも、リフォームの際は以下のことに気をつけましょう。
内窓は空間すべての窓に取り付ける
内窓は暖かくしたい部屋すべての窓に取り付ける必要があります。1室なら1室すべての窓、1階なら1階すべての窓を工事するという具合です。
もし1か所でも内窓が取り付けられていないと、そこから熱がどんどん逃げるため思うように効果を得られません。結果としてリフォーム全体の満足度もガクッと落ちてしまうことでしょう。
また多くの内窓に関する補助金や助成金は、対象の空間すべての開口部(窓)への取り付けが条件となっています。それだけすべての窓の性能アップが重要である示唆だと思います。
ガラス交換だけでは効果を得られない
内窓リフォームでよくいただくお問い合わせに「今ある窓のガラスのみ高性能なものと交換はできないのか」というものがあります。結論として、ガラスだけの交換はオススメできません。
ガラスの性能が向上したとしても、断熱性能が低いままのサッシ部分からは熱がどんどん逃げていくため断熱効果は大幅に下がってしまいます。
結露の発生は止まりませんし、防音性・防犯性も向上しません。
ガラスだけの交換は「キッチンの出窓に調味料や食器を置いていて、他に置くスペースがない」など、どうしても優先したい特別な理由がある場合のみにしましょう。
内窓が取り付けられない場合もある
窓の構造によっては、内窓の取り付けが望ましくない場合もあります。例えば、内開きの窓で内窓を取り付けると窓の開閉ができなくなってしまうときです。
そういった窓についてはガラス交換をするか、あるいは「カバー工法」による窓の交換がオススメです。カバー工法とは、今ある窓枠の上から新しい窓枠を被せる方法です。内窓よりも費用がかかるものの、窓枠ごとの交換よりかはコストを抑えられます。
なお玄関ドアやキッチンドアの性能が低いときにも、カバー工法によって比較的簡単に交換することが可能です。
内窓リフォームを前提に置きつつ、窓の構造や窓周りの使い方に応じて「ガラス交換」や「カバー工法」といった代替案を織り交ぜてリフォームの計画を立てるのが良いと思います。
補助金を活用して賢く内窓リフォーム!
窓のリフォームを行うときにぜひ覚えておきたいのが、補助金や助成金の活用です。国や地方自治体では住宅の省エネ化に向けてさまざまな施策を打ち出しており、窓の高断熱化を強く推進しています。
ただし補助金の申請には細かい条件や指定事項が数多くあり、はじめて書類を見る方だと書き方がよくわからないこともしばしば。内窓の補助金活用には断熱リフォームの専門業者であれば、その多くが代行をしてくれるはずですので、一度活用が可能かを確認してみましょう。
補助金の具体例
ここで皆さん気になるのは、補助金でどれくらいの金額が戻ってくるのか、ではないでしょうか。弊社で補助金のお手伝いまで含めて実施した内窓リフォームのお客様の一例を挙げてみましょう。
(1)国・都・区の補助金を活用した事例
費用 | |
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都心のマンション | 費用:約40万円 補助金:約15万円 実質負担額:約25万円 |
(2)国・都の補助金を活用した事例
費用 | |
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多摩地区の戸建て | 費用:約120万円 補助金:約38万円 実質負担額:約82万円 |
※施工当時の補助額 ※これらはあくまでも一例です
地方自治体によっては補助金事業をやっていない、あるいは施工の時点で受付を終了しているといった理由で、補助金を申し込めない場合もあります。
4月に新年度の補助金がスタートしたと思ったら、7月にはもう締切りになってしまった市町村も以前にはありました。かなり「早いもの勝ち」の側面があるのです。補助金を活用するには、工事をする時期も重要になってきます。
まとめ
内窓には生活の質を大きく向上させる、素晴らしい効果がたくさんあることを知っていただけたのではないかと思います。
内窓リフォームで大切なのは総合的な視点です。
- どの窓に内窓をつけるべきか?
- どの商品が適切か?
- そもそも取り付けは可能か?
- 内窓以外の方法はあるか?
- 費用はどのぐらいか?
- 利用できる補助金はあるか?
これらを慎重に吟味されることをオススメします。
首都圏で年間200棟の施工実績
業界初の10年間工事品質保証
補助金・助成金の申請も代行
窓・床下・天井を壊さず断熱
1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。
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