メリット盛り沢山!費用対効果抜群の内窓(二重窓)リフォームを徹底解説|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2020.05.25 / 更新日 2024.02.28
内窓・窓リフォーム
メリット盛り沢山!費用対効果抜群の内窓(二重窓)リフォームを徹底解説
WRITER
WRITER
矢崎 拓也
環境省認定うちエコ診断士
大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。
こんにちは、《断熱リフォームの匠》の矢崎です。今回はこのような疑問にお答えします。
最近は内窓の取り付けを対象とした多額の補助金政策の後押しもあり、内窓リフォームのご依頼を数多くいただいています。
なぜ内窓がこんなに注目されているのか、どんな効果があるのか、詳しく見ていきましょう!
目次
内窓にはプラスの効果がたくさん!
内窓リフォームを行うと、
- 断熱効果(寒さ・暑さを軽減)
- 結露防止
- 騒音対策
- 防犯効果
- 省エネ効果
- UVカット
といった数々のプラスの効果を同時に得られます。
住まいの「困った」をまとめて解決してくれる、とても心強い存在と言えるでしょう。
①寒さ・暑さを感じにくくなる
窓は寒さや暑さの最大のウィークポイントです。
窓を形作るガラスやアルミサッシは非常に断熱性能が低い上、開閉のための構造上隙間が多い特性とも相まって室内から大量の熱が逃げていくためです。
内窓はそんな窓本来の弱点を大幅に補完することができます。。
窓を二重にすると外窓と内窓の間に空気の断熱層ができ、暖かい空気が外に逃げにくくなります。
気密性能が上がって隙間風も軽減されますし、ガラスやサッシ自体も熱を通しにくい素材でできているため、家の暖かさは大幅に向上することでしょう。
余談ですが、実は北海道などの寒冷地ではずっと昔から二重窓は広く普及しています。
寒い地域だからこそ、それを乗り越えるための工夫が住宅に施されているのでしょう。
国土交通省の調査によると、冬のリビングの平均室温は寒冷地よりもむしろ関東の方が寒いという逆転現象も出ているほどです。
とても興味深いですね。
②窓の結露を軽減できる
窓の結露は室内の水蒸気が窓際で冷やされることにより発生します。
私たちは室内が乾燥すると加湿したくなりますが結露の水滴は水蒸気でできていますから、実は室内は乾燥したままなのです。
部屋は乾燥しているのに窓はびしょびしょ・・・とても悪循環です。
毎日結露する窓には浴槽の排水口と同じくらいカビが存在すると言われています。
窓辺が結露でじっとり湿った中途半端にぬるい室内では、カビやダニも発生しやすく、アレルギー症状や体調不良の原因になったりと健康によくありません。
内窓には結露の問題を大幅に改善する効果が期待できます。
内窓で窓から熱が逃げにくくなれば空気中の水蒸気も同時に冷えにくくなり、結露が起こりにくくなるからです。
「暖房を使うと肌や喉が乾燥してしまうけど、加湿すると結露を取るのが大変・・・」という方は、内窓の効果を実感していただけるに違いありません。
防音への性能効果
- ピアノやギターなどの楽器
- 犬などのペットの鳴き声
- 自動車や電車
- 飛行機
- 工事現場
上記のような音は日常生活の中で聞こえてきますが、時として「騒音」という悩みの種になります。
以前にお伺いしたお客様の中には「ご近所さんの口喧嘩がうるさくてとてもストレスだ」という方もいらっしゃいました。
内窓はこういったさまざまな音を軽減する効果があります。
外窓と内窓の間の空気層には音波の伝播を遅らせて音を聞こえにくくする働きがあるからです。
内窓の気密性を高める効果も相まって、外部からの音波の直接的な伝達も防げます。
音を完全に消滅させるのは難しいものの、日常生活で音によるストレスを感じないレベルにすることは十分に可能です。
内窓を取り付けると、外からの騒音がおよそ15デシベル軽減されると言われています。
人間の耳は10デシベルの減少で音量が半分ほどになると感じることを考えると、外からの騒音はかなり和らぐことでしょう。
大通りに面した家の室内で聞こえる騒音は、およそ55デシベルだそうです。
もしこの家に内窓をつけると、音量はおよそ40デシベルまで下がる計算ですが、これは図書館とほぼ同等です。
交通量の多い通り沿いのお家で図書館並みの静けさを実現できるというのは非常に魅力的に感じませんか?
家の防犯性能が上がる
空き巣被害は窓が侵入経路となるケースが最も多いと言われています。
窓ガラスの一部を割ってから窓の鍵(クレセント錠)を開けて押し入るわけですね。
これが二重窓になっているとどうでしょうか?
外側のガラスを割ったとしても内側にはまだ窓が残されていますから、空き巣にとっては普通の窓よりも侵入に手間がかかることになります。
また内窓と外窓は非常に密接していることから、錠とサッシが干渉して外側からはなかなかうまく開けられません。
空き巣としては侵入にあまり時間をかけたくないところですから、内窓が付いているとわかった時点で「この家は面倒そうだ」とあきらめる可能性がぐっと高まります。
内窓は家の安全性を高める役割も担うことができるのです。
内窓リフォームの効果を検証してみた
ここまで内窓のメリットについてお話ししてきましたが、もしかすると「本当に効果があるの?」と半信半疑かも知れませんね。
そこでお客様にテストモニターとしてご協力いただき、内窓を設置する前と設置した後の温度・湿度の変化を計測し、効果を検証してみました。
実験を行ったのはこちらのお家
老夫婦が2人で住まれており「冬になるとかなり冷え込んでしまう」と話されていました。
実際私も室内の窓を見た瞬間に「これは相当寒いに違いない」と容易に想像できました。
- 単板ガラス(1枚だけの薄いガラス)
- アルミ製のサッシ(とても熱を通しやすい)
- 部屋によっては窓が3か所
- 部屋の一面はほぼ窓
など寒い家の条件をいくつも満たしており、冷えないわけがありません。(私としては「まさに内窓をオススメしたい方からご依頼をいただけた」という嬉しさもありましたが)
ぜひ寒さから解放されて欲しいとの思いで内窓リフォームのご提案をいたしました。
内窓取り付けの流れ
内窓は、
- 現状の断熱性能の確認
- サイズの計測
- オススメの内窓の提案
という流れで取り付けます。
内窓を選ぶ際の大事なポイントとして、サイズ以外に部屋の向きがあります。
太陽の光のあたり方は季節によって異なるため、採用する内窓を間違えると「冬は暖かいけど夏は暑くてしょうがない」という状態になってしまうので要注意です。
内窓取り付け後の写真です。元々の窓に取り付けられていた障子を取り外してカーテンにしました。
ちなみにお客様からよくいただくご相談に「内窓は気になるが障子の雰囲気は変えたくない」というものがあります。
そんな場合は障子を模したすりガラスタイプの内窓にすることもできますよ。
内窓設置の効果を観察
お部屋の中にはデータロガーを設置し、毎日決められた時間に温度と湿度を計測しました。
施工前後の違いを比べる十分な量のデータを取るため、観察は施工日の2021年2月11日周辺の2021年1月19日〜2021年2月25日で行いました。
その結果がこちらのグラフです。
縦の軸が室内の温度、横の軸が日時を表しています。
内窓リフォームを行った前後の変化は・・・一目瞭然です。冷え込みが抑えられ、室温が一定に保たれているのがわかります。
内窓の断熱効果は絶大ですね。
人間は室温が20度に近いほどストレスを感じにくくなりますから、室内がより快適空間に近づいたことがデータからわかります。
お客様からも「足元の冷気がなくなった。寒い思いをしなくなり、工事をやってよかった」と大満足のお声をいただけました。
内窓リフォームの注意点
内窓の効果を正しく得るためにも、リフォームの際は以下のことに気をつけましょう。
内窓は空間すべての窓に取り付ける
内窓は暖かくしたい部屋すべての窓に取り付ける必要があります。
「1室なら1室すべての窓」「1階なら1階すべての窓」を工事するという具合です。
もし1か所でも内窓が取り付けられていないと、そこから熱がどんどん逃げるため思うように効果を得られません。
結果としてリフォーム全体の満足度もガクッと落ちてしまうことでしょう。
また多くの内窓に関する補助金や助成金は、対象の空間すべての開口部(窓)への取り付けが条件となっています。
それだけすべての窓の性能アップが重要である示唆だと思います。
ガラス交換だけでは効果を得られない
内窓リフォームでよくいただくお問い合わせに「今ある窓のガラスのみ高性能なものと交換はできないのか」というものがあります。
結論として、ガラスだけの交換はオススメできません。
ガラスの性能が向上したとしても、断熱性能が低いままのサッシ部分からは熱がどんどん逃げていくため断熱効果は大幅に下がってしまいます。
結露の発生は止まりませんし、防音性・防犯性も向上しません。
ガラスだけの交換は「キッチンの出窓に調味料や食器を置いていて、他に置くスペースがない」など、どうしても優先したい特別な理由がある場合のみにしましょう。
内窓が取り付けられない場合もある
窓の構造によっては、内窓の取り付けが望ましくない場合もあります。
たとえば内開きの窓だと内窓を取り付けると窓の開閉ができなくなってしまいます。
そういった窓についてはガラス交換をするか、あるいは「カバー工法」による窓の交換がオススメです。
カバー工法とは、今ある窓枠の上から新しい窓枠を被せる方法です。
内窓よりも費用がかかるものの、窓枠ごとの交換よりかはコストを抑えられます。
なお玄関ドアやキッチンドアの性能が低いときにも、カバー工法によって比較的簡単に交換することが可能です。
内窓リフォームを前提に置きつつ、窓の構造や窓周りの使い方に応じて「ガラス交換」や「カバー工法」といった代替案を織り交ぜてリフォームの計画を立てるのが良いと思います。
補助金を活用してかしこく内窓リフォーム!
窓のリフォームを行うときにぜひ覚えておいていただきたいのが、補助金や助成金の活用です。
国や地方自治体では住宅の省エネ化に向けてさまざまな施策を打ち出しており、窓の高断熱化を強く推進しています。
せっかく受け取れるお金があるのなら使わない手はありませんよね?
ただし補助金の申請には細かい条件や指定事項が数多くあり、はじめて書類を見る方だと書き方がよくわからないこともしばしば。
なお、《断熱リフォームの匠》では、内窓リフォームと一緒に補助金の代行申請も取り扱っており、最適な補助金の活用まで含めてご相談を受け付けております。
ここで皆さん気になるのは、補助金でどれくらいの金額が戻ってくるのか、ではないでしょか?
私どもの会社で、補助金のお手伝いまで含めて実施した内窓リフォームのお客様の一例を挙げてみましょう。
都心のマンションの1室にお住まいの方の窓リフォームでは。工事費用はおよそ40万円弱。それに対し国・都・区の補助金を使い、およそ15万円ほど戻ってきました。
多摩地域の一戸建てにお住まいの方で、家の窓をすべてに内窓リフォームをした際には工事費用はおよそ120万円強で、国・都の補助金で38万円ほど戻ってくることになりました。
※これらはあくまでも一例ですので、参考程度にお考えください。
地方自治体によっては補助金事業をやっていない、あるいは施工の時点で受付を終了しているといった理由で、補助金を申し込めない場合もあります。
4月に新年度の補助金がスタートしたと思ったら、7月にはもう締切りになってしまった市町村も以前にはありました。
かなり「早いもの勝ち」の側面があるのです。
補助金を活用するには、工事をする時期も重要になってくるのですね。
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございました。
内窓には生活の質を大きく向上させる、素晴らしい効果がたくさんあることを知っていただけたのではないかと思います。
内窓リフォームで大切なのは総合的な視点です。
- どの窓に内窓をつけるべきか?
- どの商品が適切か?
- そもそも取り付けは可能か?
- 内窓以外の方法はあるか?
- 費用はどのぐらいか?
- 利用できる補助金はあるか?
これらを慎重に吟味されることをオススメします。
《断熱リフォームの匠》では内窓リフォームのご相談・お見積もりを無料で承っていますので、もしご興味を持っていただけたようでしたらどうぞお気軽にご相談くださいね。