マンションで内窓(二重窓)リフォームはいくら?費用相場と補助金・注意点を解説|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2025.11.27
内窓・窓リフォーム
マンションで内窓(二重窓)リフォームはいくら?費用相場と補助金・注意点を解説
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廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士
地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
マンションにお住まいで、
「内窓を付けたいけれど、費用はいくらくらい?」
と気になって検索された方も多いのではないでしょうか。
マンションは窓交換など共有部に関わる工事は制限が多く、一戸建て住宅の費用感が参考にならないことがほとんどです。本記事では、内窓(二重窓)の基本から、サイズごとの実際の費用相場までを詳しく解説します。さらに、国の補助金を使った場合の実質負担額も紹介します。
目次
内窓(二重窓)とは?

内窓(二重窓)とは、今ある窓の内側に新しくもう一枚の窓(樹脂サッシ+高断熱ガラス)を取り付ける工法のことです。
もともとは北海道や東北などの寒冷地で一般的に採用されてきた仕様ですが、近年では東京・神奈川・千葉・埼玉といった都市部のマンションでも人気が急上昇しています。
というのも、マンション特有の「寒い」「結露がひどい」「外の音が気になる」といった窓まわりの問題に対して、内窓は非常に有効な解決策となるからです。
マンションでも内窓は設置できる?
例外はありますが、一般的には多くのマンションで内窓の設置が可能となっています。
マンションの窓まわりのリフォームとなると、管理規約の制限や共有部・専有部の区分といったハードルがつきものです。しかし、内窓の設置箇所は室内側、つまり「専有部」にあたるため原則として管理規約による厳しい制約は受けにくくなっているのです。
実際のところ、《断熱リフォームの匠》で施工を行ったマンションの窓リフォーム事例も、そのほとんどが内窓の設置によるものです。
- 既存のサッシ交換:共用部のため基本的に交換不可
- 内窓の取り付け:専有部扱いのため設置可能
今ある窓を交換するのではなく、もともとある窓はそのまま残し、その内側に新たに窓を取り付けていきますので、時間や工事費用を抑えつつ断熱性能や防音性能を大きく向上させることができます。
その意味で、内窓の設置は費用対効果の面でも非常に優れていると判断できます。
マンションの内窓リフォーム費用は?
内窓リフォームの効果に関心が高まる一方で、やはり気になるのは「どれくらい費用がかかるのか?」という点ではないでしょうか。
実際に施工するとなると、窓の大きさや数、設置する製品の種類などによって価格は異なります。ここでは、実際の施工事例をもとに、内窓リフォームの費用感をざっくりと見てみましょう。
間取り:3LDK、中部屋、改修窓数:全窓(4窓)
| 窓構成 | 窓の大きさ | 材料費 | 工事費総額 |
|---|---|---|---|
| 2枚建て引違い窓 | 掃き出し窓 | 99,000円 | 約560,000円 |
| 2枚建て引違い窓+FIX | 掃き出し窓 | 149,500円 | |
| 2枚建て引違い窓 | 腰高窓 | 48,000円 | |
| 2枚建て引違い窓 | 腰高窓 | 59,500円 |
間取り:3DK、角部屋、改修窓数:4窓(全5窓のうち)
| 窓構成 | 窓の大きさ | 材料費 | 工事費総額 |
|---|---|---|---|
| FIX窓 | 玄関FIX | 32,000円 | 約580,000円 |
| 2枚建て引違い窓 | 腰高窓 | 47,500円 | |
| 2枚建て引違い窓 | 腰高窓 | 47,500円 | |
| 2枚建て引違い窓+FIX | 掃き出し窓 | 197,000円 |
間取り:1LDK、角部屋、改修窓数:全窓(6窓)
| 窓構成 | 窓の大きさ | 材料費 | 工事費総額 |
|---|---|---|---|
| 2枚建て引違い窓 | 掃き出し窓 | 112,500円 | 約680,000円 |
| 2枚建て引違い窓 | 腰高窓 | 69,500円 | |
| 2枚建て引違い窓 | 腰高窓 | 57,000円 | |
| 2枚建て引違い窓 | 掃き出し窓 | 112,500円 | |
| 2枚建て引違い窓 | 腰高窓 | 57,000円 | |
| 内開き窓 | 小窓 | 27,500円 |
間取り:2LDK、中部屋、改修窓数:全窓(4窓)
| 窓構成 | 窓の大きさ | 材料費 | 工事費総額 |
|---|---|---|---|
| 2枚建て引違い窓 | 小窓 | 44,000円 | 約640,000円 |
| 2枚建て引違い窓+FIX | 掃き出し窓 | 212,000円 | |
| 2枚建て引違い窓 | 腰高窓 | 107,000円 | |
| 2枚建て引違い窓 | 腰高窓 | 68,000円 |
間取り:1ルーム、角部屋、改修窓数:4窓(全5窓のうち)
| 窓構成 | 窓の大きさ | 材料費 | 工事費総額 |
|---|---|---|---|
| 2枚建て引違い窓+FIX | 掃き出し窓 | 149,000円 | 約650,000円 |
| 2枚建て引違い窓+FIX | 掃き出し窓 | 149,500円 | |
| 2枚建て引違い窓 | 腰高窓 | 53,500円 | |
| 内開き窓 | 小窓 | 34,500円 |
表を見ていただくとお分かりのように、小窓から腰高窓、そして掃き出し窓と、サイズが大きくなるにつれて、当然ながら材料費が上がっていきます。
特に、マンションでよく見かける「2枚建引違い窓+FIX窓」のような連窓タイプの窓では、単純な引違い窓に比べて価格が高くなる傾向にあります。また、角部屋か中部屋かによっても窓の数が変わってくるため、トータルの費用は住戸ごとに差が出てきます。
費用を抑えるために窓1枚だけ内窓を施工するのはOK?
結論から言えば、費用を抑えて1枚だけ内窓を付けること自体は可能ですが、「効果をしっかり出したい」なら1部屋まるごと施工する方が圧倒的におすすめです。その理由は、内窓の効果が部屋単位で発揮されるためです。
1枚だけだと効果が分かりにくい理由
部屋の断熱性や防音性を左右するのは「部屋にあるすべての窓の総合力」です。
たとえば寝室に、掃き出し窓、腰高窓がある場合、片方だけ内窓を付けても、冷気は未施工の窓から入りますし、結露も片側だけ残るという状況が起きやすく、体感の改善が弱く感じられることがあります。
部屋まるごと・フロアまるごとのほうが費用対効果が圧倒的に高い
1枚だけ施工した場合と比べて、効果が大きい(断熱・結露・防音すべて向上)、窓あたりの単価が下がる、補助金が窓数に比例して増える、というメリットがあります。結果的に、費用は増えても「実質負担額の効率」は上がる=コスパの良い施工になります。
内窓リフォームに使える補助金制度
費用がある程度かかるとはいえ、最近では補助金制度を活用することで、自己負担を大きく抑えることが可能になってきました。特にここ数年は、国の住宅政策において「住宅の省エネ化」に関わる部分が強く打ち出されており、その中でも窓の断熱化に対する支援制度が格段に充実してきています。
代表的な補助金:先進的窓リノベ事業(国の制度)
注目すべきは、「先進的窓リノベ事業」と呼ばれる国の補助金制度です。名前のとおり、「窓の断熱リフォーム」に特化した助成制度であり、対象となる高性能製品を使った工事をすれば、かなりの金額が補助されます。
従来の補助制度では、工事費の1割から2割程度が戻ってくれば良い方、という印象がありましたが、この「窓リノベ」では4割から、条件によっては5割近くまで補助が受けられるというケースもあります。前章で紹介した事例に補助金を当てはめてみたら、費用はどれくらい軽減されるのかを見てみましょう。
| 工事費用 | 補助金(国) | 補助金(都) | 補助金(区) | 差し引き負担額 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 江東区T様 | 約640,000円 | 184,000円 | 165,000円 | 58,000円 | 約233,000円 |
| 北区K様 | 約560,000円 | 246,000円 | 162,000円 | 50,000円 | 約102,000円 |
| 文京区A様 | 約680,000円 | 258,000円 | 204,000円 | 88,000円 | 約130,000円 |
| 練馬区Y様 | 約650,000円 | 209,000円 | 193,000円 | 61,000円 | 約187,000円 |
| 世田谷区K様 | 約650,000円 | 269,000円 | 194,000円 | — | 約187,000円 |
※上記は施工当時の補助金額です。現在とは異なる場合があります。
このように、補助金の有無で工事費の総額が大きく変わってくることが、お分かりいただけるかと思います。国の制度に加えて、各自治体が独自に補助金制度を設けているケースもあります。国の制度と地方自治体の制度を併用できる場合もあり、その場合は自己負担をさらに抑えることが可能です。
補助金制度の内容は毎年変わることがありますので、内窓リフォームを検討する際には、まず「今年度はどの補助金が使えるのか」を確認し、それに詳しい施工業者に相談してみるのがよいでしょう。
マンションで内窓リフォームをする際の費用面での注意点
マンションで内窓リフォームを行う際には、費用が想定より高くなる要因がいくつか存在します。ここでは「費用に関わる部分」に絞って注意点をまとめます。
ふかし枠(拡張枠)が必要になるケースがある
マンションによっては窓枠の奥行きが浅いこともあり、内窓の標準的な必要奥行(70mm前後)を確保できない場合、ふかし枠(追加の枠)を取り付ける必要があります。その分、1窓あたり数万円程度の追加費用になることがあります。
最近では、50mmほどの奥行きで取り付けられる内窓も商品化されていますが、従来のものよりも割高であるため、どちらにしても費用が高くなる可能性が高いといえます。奥行きは費用に直結する大事なポイントです。
角部屋は「窓の数」が多くなり、総額が跳ね上がる
マンションは間取りによって窓の数が大きく異なり、角部屋:4〜6窓、中部屋:2〜4窓となるケースが多いです。窓が倍になると費用も単純に倍近くなり、特に「掃き出し窓が2面にある角部屋」は総額が60万円を超えやすい傾向があります。
まとめ
今回はマンションにおける内窓工事の費用などについて解説しました。内窓(二重窓)の設置は、マンションの窓まわりの問題(寒さ、結露、騒音など)をまとめて解決できる非常に有効な手段です。
専有部内で完結する工事であるため、管理規約の制約を受けにくく、比較的スムーズに施工ができる点も大きなメリットといえます。
費用面では、窓のサイズや住戸の条件によって異なりますが、補助金制度を活用すれば、費用負担を大きく抑えることも可能です。国の「先進的窓リノベ事業」や各自治体の制度をうまく利用することで、効果的に、そして経済的に断熱性の高い住まいを実現できます。
ただし、工事にあたっては管理規約や周辺住戸への配慮も忘れてはいけません。事前の確認と準備をしっかり行い、安心・快適な内窓リフォームを進めていきましょう。
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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。
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