最短即日で部屋が暖かくなる”非破壊工法”とは?|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2023.12.08
断熱リフォーム
最短即日で部屋が暖かくなる”非破壊工法”とは?
WRITER
WRITER
矢崎 拓也
環境省認定うちエコ診断士
大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。
こんにちは。《断熱リフォームの匠》の矢崎です。
今回は断熱リフォームの「お手軽さ」に焦点を当ててお話ししていきます。
とりわけ高齢者やご家族に高齢者がおられる方から断熱リフォームについてよく、
「暮らしながらごちゃごちゃ工事をやるのは面倒」
といったお声をいただきます。
しかし実はやり方次第では、大がかりな工事や長期間の不便な生活をしなくても最短1日で快適な生活空間を手に入れることができます。
最短1日でお家の断熱リフォームが行える?
一般的には「断熱リフォーム=時間がかかる」というイメージが持たれがちです。
これはリフォームといえば壁や床を壊す大掛かりな工事だと考えられがちだからだと思います。またリフォーム業者の間でもそういったプランが主流という背景もあります。
しかし近年では断熱材の改修だけを素早くお手軽に済ませる”非破壊工法”という手法が注目されてきています。
非破壊工法は既存の建物を壊すことなく改修していく工法です。
非破壊工法は基本的には1日で工事を終わらせることができるため、別の場所に住処を移す必要もなければ家の中の荷物をあちこち片付ける必要もありません。
また、内窓についても取り付けもお家の断熱性能を大きく高めながらも作業は1日で終えることができます。
まずは内窓の取り付け
お部屋をお手軽に暖かくしたいなら、まずおすすめはやはり内窓です。
築年数の古い建物の最大の弱点は窓です。元々窓は家の中でも寒さに弱い場所といわれていますが、とりわけ日本の家屋は窓の断熱性能が低い傾向にあります。
もし窓がシングルガラスやアルミサッシなどで作られていたとしたら、それらは家の寒さの元凶です。
窓の断熱性能を高める最も簡単に行えるのが内窓の設置です。
今の窓を取り替えることなく、断熱性能が高い樹脂製の二重ガラスの窓を室内側に取り付けていきます。取り付け工事が比較的簡単なこともあり、内窓の施工は基本的には1日で素早く終えることができます。
つけた日の夜から「寒さが和らいだ」と効果を実感できるかと思います。
前述した通り、内窓の施工には豊富な補助金がありますのでぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
内窓+床下で底冷えも解消!
もし内窓を取り付けてさらにお部屋を暖かくしたい時におすすめなのが床下の断熱リフォームです。
築20年を超える多くの家屋では床下の断熱性能が不足しており、足元の寒さの大きな原因となっています。
非破壊工法による床下断熱リフォームでは洗面所や台所の床下点検口から作業スタッフが床下に入って作業を行います。また、もし点検口がないようでしたら、和室の畳下に簡易的な点検口を作成することもできます。
作業はあくまでも床下で行いますので点検口の周辺以外の場所では工事中も普段と変わらない生活を送ることができ、また作業自体も基本的には1日で終えることができます。
床下断熱を改修するメリットとして気密性能の向上も挙げられます。
多くの住宅では床下から壁内を通り抜ける「気流」の対策がなされておらず、常に冷たい空気が建物を冷やしている状態になっており、寒さの元凶と言っても過言ではありません。
足元の暖かさは体感温度に大きく関係しています。
足元が暖かいとエアコンの設定温度をそれほど上げなくても十分暖かさを感じられるようになります。
断熱リフォームを通して気流の改善も見込めますので床の冷えがなくなり、快適なお家となるでしょう。
内窓+床下+天井で建物全体が暖かくさらに快適!
さらなる快適性を求めるのであれば、天井の断熱改修も同時に行うのがおすすめです。
実は天井の断熱性能は家の寒さとも深い関係があります。
暖かい空気は軽くなり上昇する性質を持っていますので、2階の天井へと上がっていく力が働きます。
もし天井の気密性能や断熱性能が低い状態だとその空気が建物の外側に逃げていくことになり、逃げた空気の代わりとして室外の冷たい空気を床下から吸い上げることになります。
天井の気密や断熱性能を改善することで、建物全体が部屋の暖かさを逃がさない快適な住まいにすることができます。
天井断熱も床下と同様に押入れの天袋などから進入して、小屋裏で作業を行いますので生活空間に影響を与える心配はほぼありません。また、こちらも工事期間は1日程度で終えることができます。
さいごに
今回は素早くお家を暖かくできる、非破壊工法の断熱リフォームをご紹介してきました。
一般的に敷居が高いと感じがちな断熱リフォームですが、実はそれほど手間をかけることなく、すぐに効果を感じることができます。
本記事を執筆している2023年11月時点ではとても暖かい日が続いているようですが、来年の1月以降は平年並の寒さになるともいわれています。
やはり寒さに対する準備は暖かいうちにしておくのがいいのかなと思います。
国として省エネの推進がされている今、ぜひその波に乗ってお家を暖かくて快適な空間に作り替えてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。