玄関ドアにスマートキーは必要?仕組み・メリット・後悔しない選び方を解説|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2025.10.17
内窓・窓リフォーム
玄関ドアにスマートキーは必要?仕組み・メリット・後悔しない選び方を解説

WRITER

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廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
「鍵をカバンの中から探すのが面倒」
「子どもに鍵を持たせるのがちょっと心配」
そんな悩みを解決できる方法として、最近注目されているのがスマートキー付きの玄関ドアです。リモコンやスマホで開閉できる便利さに加え、防犯性などの需要も増していることから、玄関ドアのリフォーム時にスマートキーを導入する人が増加傾向にあります。
とはいえ、「本当に便利なの?」「どれくらい費用がかかるの?」といった疑問や不安も多いはず。
この記事では、スマートキーの仕組みからメリット・デメリット、リフォームでの導入方法や費用の目安まで、プロの視点でわかりやすく解説します。
目次
玄関ドアにスマートキーを導入する人が増えている理由
スマートキー付きの玄関ドアが選ばれる背景には、主に利便性と防犯性の2つがあります。
1.利便性
まずは利便性ですが、生活のあらゆるものが自動化・IoT化される中、玄関ドアも“スマートホーム化”の流れに乗っています。今後はそのような住宅がより一般的になっていくのではないでしょうか。
車を運転される方はお分かりになると思いますが、現在の車のドア施錠はほとんどがスマートキーとなってきています。ポケットに車のキーが入っていれば、ドアノブに触れたりボタンを押したりするだけで鍵の開け閉めができるため、鍵を鍵穴に差し込むという手間がなくなっているのです。
この便利さに気がつくと、「玄関も車と同じように、鍵を差し込まずに開けられたらなぁ」と思うのは自然な流れでしょう。
2.防犯性
もうひとつの防犯性については、共働き世帯や子育て世帯が増えたことで、日中に不在にする住宅も増えているのが要因の一つです。スマートキーならスマートフォンで施錠状態を確認できるタイプもあり、「外出後に鍵を閉めたか不安」という心配を軽減してくれます。
また、鍵を紛失・盗難に遭ったとしても、失くしたキーだけをドアのセキュリティ登録から除外してしまえば、そのキーを使って勝手に侵入されることを防げるという大きな利点があるのです。
3.断熱化と合わせて
上記以外にも、実は玄関ドアの断熱リフォームと同時にスマートキーを導入するケースが増えています。
玄関は住宅の中でも外気の影響を受けやすい部分であり、ドアの断熱化によって冷暖房効率を大幅に改善できます。そのため「せっかくドアを交換するなら、使い勝手も良くしたい」と考える方が多く、断熱性能+スマート機能をセットで採用する傾向が強まっています。
とくに最新の断熱ドアは、デザイン・性能・利便性を一体化したモデルが多く、見た目もすっきりとした印象になります。利便性と快適性を両立できる点が、スマートキー普及のもう一つの理由といえるでしょう。
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スマートキーの仕組みと種類
玄関ドアのスマートキーには、主に以下のようなタイプがあります。
- 1.リモコン式キー
- ポケットにキーを入れたまま、ドアノブのボタンを押すだけで開閉できるタイプ。
車のスマートキーと同じ感覚で使えるのが特徴。 - 2.タッチ式キー
- キー内部のICチップをドアが読み取り、かざすだけで解錠。カード型・キーホルダー型などコンパクトな形状が多く、リモコン式より軽量。
- 3.スマートフォン連動タイプ
- 専用アプリで操作でき、スマホを持っていればドア前で自動解錠するモデルも。ただし、遠隔地からの操作は制限されている場合が多いため注意が必要。
- 4.暗証番号タイプ
- テンキーに数字を入力して解錠するタイプ。鍵を持ち歩かずに出入りできるため、ちょっとした外出にも便利だが、停電や誤作動時のトラブル対策も必要。
- 5.顔認証タイプ
- 専用カメラで顔を認識して解錠。利便性は高いが、電気配線や初期費用が大きい点には注意が必要。
リモコン式キー
名称のとおりリモコン型をしており、解錠・施錠それぞれのボタンがついているタイプです。電波を使って鍵の開け閉めができるため、鍵を鍵穴に差し込む必要もなく非常にスムーズに出入りが可能です。
この方式の便利な点は、ポケットに鍵が入っている状態であれば、玄関のドアノブに付いたボタンを押すだけでも開閉ができる点です。自動車のキーと同じですね。手ぶらでも鍵が開けたり閉めたりできるため、キーを取り出したりする手間もありません。
最近の車のキーとほぼ同じようになっており、使い勝手のイメージが湧きやすい点も、人気の理由のひとつです。鍵のサイズは車のリモコンキーとほぼ同じか少し大きめの程度ですので、車のキーと一緒に持つと少々かさばるかもしれない点には注意が必要ですね。
タッチ式キー
キーに内蔵されたICチップをドア部が読み取り、施解錠を行います。これはリモコン式キーとは異なり、鍵をポケットから取り出す必要があります。
ですが、ドアノブの部分にかざす(タッチする)ことで鍵の施解錠が可能なため、鍵穴に差し込む必要がない点においては、リモコン式キーと同じになります。
キーホルダー型のタイプとカードキー型のタイプがあり、製造メーカーによって違ってきます。リモコン式キーよりはコンパクトになる場合が多く、スペースをあまり取らない点は使い勝手が良いと言えそうです。
スマートフォン連動
スマートフォンアプリを登録することでスマホ画面から開閉操作をする方式です。スマートフォンから鍵が操作できるため、鍵をポケットから取り出す必要がありません。
メーカーによってはアプリを起動している状態でドアのボタンに触れればすぐに解錠ができるので、リモコン式キーと同様に扱える点も使いやすいと言えるでしょう。
その反面、実は遠隔操作による鍵の開閉はできないようになっており、基本的には家の近くにいる際に開閉をするのを目的としています。鍵を閉め忘れて外出してしまったとしても、それを遠く離れた場所から解決できる方式というわけではないことは注意しなければなりませんね。
暗証番号タイプ
テンキーに暗証番号を入力して解錠するタイプのスマートキーです。暗証番号を入力すれば解錠でき、ちょっと外に出た際に自動施錠で閉め出されてしまうなどのトラブルを回避できるため、スマートキーの不安点を解消できる方式です。
ただし、停電や一時的な不具合などで解錠ができなくなってしまうことも考えられますので、基本的にはキーを持った状態で外出した方が良いと言われています。また、メーカーによってはオプション品であって標準では搭載されていないこともあるようですので、商品選択の際にはよく確認する必要があるでしょう。
顔認証キー
専用の認証画面をドア部に取り付けることで、顔を読み取るだけで解錠できる方式です。スマートフォンの顔認証ロックを活用されている方はイメージしやすいと思いますが、顔を登録していればすぐに解錠できるため、利便性は高いと言えます。より先進的な自動化ドアを希望する際には最適の方式です。
一方で、玄関ドアに対して電気配線の工事をしなければならないため、追加の工事費用などが多くかかります。使い所の難しい方式でもありますので、ご自身の希望がどの程度の利便性を求められるのかによって判断すると良いでしょう。
玄関ドアにスマートキーを導入する方法は?
玄関ドアにスマートキーを取り付けるやり方には2つの方法があります。それぞれを簡単に解説していきます。
電気錠を搭載した玄関ドアにリフォームする
玄関ドアそのものを手動錠から電気錠に取り替えるリフォームを実施することでスマートキーに換えるやり方です。
この場合は利便性のためのスマートキーの導入そのものを目的とするというよりも、古いドアの防犯性や断熱性を向上させるためのリフォームとなることが多いように思います。


ドアそのものをスマートキー対応の製品に換えることになるため、見た目もスッキリと納めることが可能です。
後付型スマートロックを導入する
今あるドアはそのままに、室内の鍵(サムターン)を回転させる装置を取り付けて、スマートフォンのアプリや暗証番号による施解錠を行います。ドアそのものは交換せずに装置を追加するだけのため、先述のリフォームと比較すれば費用負担を大きく減らすことができます。
スマートロックによる利便性の向上が目的の場合には、比較的お手軽なこちらを選択される方が多いです。解錠の方式もさまざまで、スマートフォン式や暗証番号の他に、顔認証のタイプも販売されているため、自分の好みにあったロック方式を選べる点も魅力のひとつですね。
一方で、もとのドアの形状、鍵の形状によっては取付けができない場合があることに注意が必要です。特に後付け装置の形状がドアのサムターンに合わない場合や、外側に設置する読み取り部が取付けられないなどの場合が多いようです。
後付け型スマートロックを検討する際には、購入前にドアの形状が買おうとしている商品と合致しているか、事前に確かめる必要があります。
スマートキー付き玄関ドアのリフォーム費用相場
玄関ドアごとスマートキーにリフォームをした場合の費用について、《断熱リフォームの匠》で玄関ドアをリフォームした事例をもとに見てみましょう。
性能 | 開き種類 | デザイン | 工事総額 |
---|---|---|---|
D2/防火 | 親子 | YKK AP / C09 | 732,200円 |
K2 | 親子 | LIXIL / M17型 | 826,000円 |
D2 | 片開き | YKK AP / N05 | 505,500円 |
K2/防火 | 親子 | LIXIL / M27型 | 884,928円 |
K2/防火 | 片開き | LIXIL / M17型 | 669,785円 |
D2 | 両袖FIX | YKK AP / F05 | 607,700円 |
これは、スマートキー単体の費用ではなく、断熱ドアへの交換にあわせてスマートキーを導入した場合の実例です。もともとの目的が「スマートキーへの交換」よりも「ドアの断熱化」に重きを置いているため、費用としてはやや高めになるのは自然なことと言えます。
とはいえ、せっかく玄関ドアをリフレッシュするのであれば、鍵も最新式にアップグレードしたいという気持ちになるのも当然でしょう。
一方で、スマートロックを購入してご自身で取り付ける場合は、数万円〜十数万円程度が相場です。どちらをメイン(断熱ドアの性能向上か、スマートキーの利便性向上か)と考えるかによって、最適な選択は変わってくるでしょう。
スマートキーのメリットと注意点
- 鍵を探す手間がなく、両手がふさがっていても施解錠できる
- 鍵の紛失時も、該当キーだけを登録解除できるため防犯性が高い
- 外出先でも施錠状態を確認できるタイプがあり、安心感が高い
スマートキーのメリットは、鍵の開閉がスピーディになることによる利便性の向上・防犯性能の向上が第一でしょう。キーの種類にもよりますが、ポケットから鍵を取り出さずに施解錠ができる点はスマートキーの一番の利点だと思います。
また、防犯性という意味では、キーを紛失・盗難に遭ったとしても、その分のキーを登録から除外すれば侵入されることはないため、手動キーよりも安全性を高められます。
- 電池切れ・停電時のトラブルに備えて非常キーを携帯する必要がある
- 自動施錠設定をしている場合、うっかり外に出ると閉め出しの恐れも
- スマートフォン連携機能の設定・管理に多少の手間がかかることも
自動施錠の設定になっている場合、閉め出しには注意をしなければなりません。ちょっと玄関から外へ出るという際に、キーを持たずに出てしまうと、勝手に施錠されてしまうことが考えられます。
スマートキーの場合、閉め出し防止の設定もできることが多いですので、設定変更により回避するか、あるいは必ず鍵を持って外へでるようにしなければならないでしょう。
また、電気錠という別名がある以上は、停電などによってドアが作動しなくなる問題はあります。電源を室内から取っているドアは停電の際、電池式のスマートキーの場合は電池切れの際、それぞれ動かなくなるリスクがある点には注意を払わなければなりません。
スマートキー付き玄関ドアに向いている人・向いていない人
大まかに分けると、スマートキーを使った方が良い人、特に使わなくても良い人の特徴は以下の要素から判断ができると思います。
向いている人 | 向かない人 | |
---|---|---|
操作性 | スマホやリモコンに慣れている | スマホ操作や設定が苦手な人 |
安全性 | 鍵の紛失や盗難が心配 | 閉め出しなどのリスクが心配 |
生活様式 | 共働き・子育て世帯など、外出が多い | 一人暮らしや従来の鍵で満足している |
管理 | 電池交換・管理が面倒でない | 電池交換やアプリを煩わしく感じる |
バッテリー管理については、電源をコンセントから取るのであれば解消はできますが、別で電気工事が必要になる場合もある点には注意が必要です。
上記のようなスマートキーに向いている人の項目が当てはまるのであれば、その便利さを十分に生活に活かせると判断できますので、導入をオススメします。
反対に、スマートキー特有の「使い方のコツ」に抵抗がある場合や、特に必要性を感じないのであれば、無理にスマートキーにする必要はないでしょう。
スマートキーも生活を便利にしたり、防犯性を向上したりという生活の品質を向上させるための道具のひとつですので、導入することで逆に不便を感じるのであれば、無理に使う必要はないわけです。自分に合ったタイプの鍵を使っていくようにしたいですね。
まとめ
今回は玄関ドアにスマートキーを導入した場合について解説いたしました。スマートキーは、利便性と防犯性を兼ね備えた新しい選択肢として注目されています。
「鍵を探す手間がなくなる」「紛失リスクに対応できる」といったメリットがある一方で、使い方や電源管理には注意も必要になります。
導入方法や費用、どんな人に向いているかをよく考え、自分の暮らしに合ったスタイルを選ぶことが大切になりますので、このコラムがその選択に少しでも役立てば幸いです。


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