玄関を暖かくする「断熱ドア」特徴や施工の流れを解説!|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2024.02.26

玄関を暖かくする「断熱ドア」特徴や施工の流れを解説!

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

こんにちは、《断熱リフォームの匠》の矢崎です。

お客様から時折いただくのが「玄関がすごく冷えるんですけど、ドアを交換した方が良いですか?」というご質問です。

今回は玄関の断熱性能を上げて寒さを解決する「断熱ドア」について解説していきます。

玄関の断熱性能は快適性にとても重要!

一般的な玄関ドアは材質がアルミであることが多く、断熱的な性能から見ると窓に次いで寒さの影響を受けやすい部分です。

しかも経年で老朽化したドアは目に見えないスキマが生じていることがあり、外からの冷気が非常に入りやすくなります。

ドアやその周囲が十分に断熱されていないと暖かい空気が外に逃げてしまい、玄関ホールや廊下の温度が低下する原因となってしまうのです。

たとえリビングが暖かくて快適でも、非居住空間が寒いままだと温度差によるヒートショックのリスクが払拭されませんので、快適で安心な住まいとは言えません。

窓に比べると普及が遅れていたドアの断熱化ですが、ここにきて玄関ドアの改修による断熱効果が改めて重要視される流れに変化しつつあります。

また国や地方自治体による住宅断熱化の補助金事業でも、玄関ドアは窓と並んで補助の対象となってきていますので、今後断熱ドアの普及はどんどん進んでいくことでしょう。

断熱ドアと非断熱ドアの違い

断熱ドアと非断熱ドアの違いを一言で言うと、「ドア内部の断熱材」です。

YKK APによる断熱ドアと非断熱ドアの温度差の違いを参照してみましょう。

多くの一般的なドアはアルミサッシでできており、その内側は空洞です。

それに対して断熱ドアは内部に断熱材が封入されており、この違いが室内の温度に大きな影響を与えます。

またガラスを採用しているドアについてもLow-E複層ガラスとなっており、寒さを伝えにくい素材・構造が採用されているのが分かります。

廊下が暖まりヒートショック対策にも

非断熱ドアを使用している住宅の場合のシミュレーション結果ですと、廊下との温度差はおおよそ12.9℃となっています。一方で玄関ドアを断熱ドアにした場合、温度差は9.5℃程度になります。

熱ドアのグレードを上げるごとに温度差は縮まっていく様子が分かりますね。

わずかな差に思えるかもしれませんが、これが室内で過ごす人の体感温度には大きな影響を与えます。

断熱ドアの中にもグレードが存在し、それぞれ内部の断熱材やドア枠部分の断熱性能が異なります。

《断熱リフォームの匠》で提案させていただくことが多いのはD2仕様のドアです。

関東地方などの比較的温暖な地域であれば、十分な暖かさを感じることができるでしょう。


ちなみに国の統計を参照しますと、トイレでヒートショックが発生する割合は浴室についで高くなっています。

廊下に出てトイレに向かう間のわずかな時間であっても、寒さによる身体への負担が思っている以上に大きいことを示唆していると思います。

玄関から廊下が直結している住宅の場合は、玄関ドアの断熱化をすることによりヒートショックのリスクを軽減することが可能になるのです。

暖房の部屋と非暖房の部屋の温度差は5℃以内、廊下とトイレの温度差は3℃以内が望ましいと言われています。

リフォームによる断熱ドアへの交換をする場合、YKK APの『ドアリモ玄関ドアD30』、LIXILの『リシェント玄関ドア3』などが代表的な商品です。

断熱ドアへの交換にかかる費用

玄関の断熱リフォームにかかる費用ですが、おおよそ50~80万円程度が目安になっています。

この金額は商品の断熱グレードやドアのデザイン自体でも変わってきますので、専門業者に尋ねてみることをオススメします。

注意点として、もし玄関部に窓がある場合は窓の断熱化も欠かせません。

窓は熱が特に逃げやすい場所で、せっかく玄関扉を性能のいい断熱ドアに変えたとしても、窓の断熱性能が低いままではそこからどんどん冷気が入ってきます。

玄関ドアを改修するのでしたら、玄関から入ったときに連続する空間、廊下や階段、玄関ホールの窓は内窓を設置するなどして断熱改修してしまいましょう。

また、先進窓リノベを活用すれば玄関扉と併せて高額の補助金を受け取れます。ぜひ積極的に活用してみてください。

断熱ドアのリフォームの流れ


まずは既存の扉を外して枠のみ残した状態にします。枠のサイズを調整した後、新しい扉を取り付けます。

ちなみにドアには窓がついているタイプとついていないタイプがあり、玄関周辺に窓がないお家でしたら光を取り入れるために彩光タイプのドアがいいのではないかと思います。

引き戸タイプの玄関も交換商品がありますので、色々と検討してみるのも楽しいかもしれません。

ただし、ドアに採光用の窓が有るか無いかで、受け取れる補助金の金額が変わってくることが多いですのでご注意ください。

「気に入ったデザインのドアを選択した場合、補助金の対象外だった・・・」ということは意外と珍しいことではありません。

補助金をフル活用して断熱化をお考えでしたら、商品に関する知識は事前にしっかりと頭に入れておく必要があります。

断熱リフォームに精通している業者でしたら、数多くある玄関ドアのデザインの中から、補助金の取得に有利なデザインを絞り込んでくれることでしょう。

まとめ


今回は玄関扉の断熱改修について詳しくご紹介してきました。

リビングやキッチンと違って居住空間には当たらない玄関ですが、意外と家全体の暖かさでみると大事な役割をになっています。

リビングなどが暖かくなっていたとしても、玄関や廊下などの空間が寒いと温度差によって身体には大きな負担がかかります。

住宅内の快適性のみならず、ヒートショックなどの重大事故を防ぐ観点からも、ぜひ玄関扉の断熱性能を強化して、住み心地の良さを実感してみてください。

《断熱リフォームの匠》では現在の断熱性能を調べる無料調査を実施しています。建物の断熱性能について興味を持たれている方は是非お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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