玄関ドアにガラスは必要?採光・デザイン性・防犯性の観点から徹底解説|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2025.08.25

内窓・窓リフォーム

玄関ドアにガラスは必要?採光・デザイン性・防犯性の観点から徹底解説

WRITER

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廣澤 健一郎

環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。

「玄関ドアにガラスは必要?」
「防犯性や断熱性に問題は無い?」

玄関ドアのリフォームを考えるとき、まず気になるのがこのポイントではないでしょうか。

ガラス入りのドアは、採光によって玄関を明るくし、デザイン性も高まるという大きな魅力があります。しかしその一方で、「空き巣に狙われやすくなるのでは?」「断熱性能が落ちて寒くならない?」といった不安の声も少なくありません。

実際、「採光を取り入れたい」「でも防犯や断熱は妥協したくない」と、相反するニーズの間で迷う方が多く見られます。そこで本記事では、

  • ガラス入り玄関ドアのメリットとデメリット
  • 防犯性・断熱性に関する最新の事情
  • デザイン別の選び方やおすすめの人/おすすめできない人

について、断熱リフォーム専門店の視点からわかりやすく解説します。

玄関ドアにガラスを入れるメリットとは?

玄関ドアにガラスを取り入れる最大のメリットは「採光」と「デザイン性」です。さらに暮らしの快適性にも関わってくるため、具体的に見ていきましょう。

メリット1.採光で玄関が明るくなる

玄関の採光

玄関は家の中でもっとも暗くなりやすい場所のひとつです。特に窓のない玄関や北向きの玄関では、昼間でも照明が必要になることがあります。

ガラス入りの玄関ドアなら自然光を取り入れられるため、昼間は照明をつけなくても明るい空間を保つことができるのが大きなメリットです。

廣澤
廣澤
自然光の入る明るい玄関は気持ちも晴れやかになりますし、来客時にも良い印象を与えられます。

メリット2.デザイン性が高まり、外観の印象を変えられる

玄関の外観

玄関はよく「家の顔」とも言われます。ドアにガラスが入ることで外観デザインにアクセントが加わり、住まい全体の雰囲気が大きく変わることも多いです。

スリット状の縦長ガラスはスタイリッシュな印象に、大きめのガラスは開放感のある雰囲気に、といったように、ガラスの形状や配置次第で印象を自由に演出できます。

メリット3.外の様子を確認できる安心感

透明度の高いガラスや、すりガラス越しに人影がわかるタイプを選べば、玄関を開ける前に外の様子を確認できます。突然の訪問者や宅配便の受け取り時に「誰が来たのか」が事前に分かるのは大きな安心材料です。

玄関ドアにガラスを入れるデメリット・注意点

ガラス入り玄関ドアには多くの魅力がありますが、一方で注意しておきたいポイントも存在します。設置前に把握しておけば、後悔のない選択ができるでしょう。

デメリット1.防犯性のリスク

もっとも大きな懸念は、防犯性の低下です。大きなガラスがはめ込まれたドアは、ガラスを割られると簡単に鍵に手が届いてしまい、空き巣被害の原因になる恐れがあります。

空き巣の侵入経路として2割を占めるのが玄関からの侵入であるというデータ(※)もあり、その一部はガラスを割ることでロックを解除する手法だそうです。
警察庁住まいる防犯110番

そのため最近のリフォームでは、大きな透明ガラスよりも細長いスリット状のガラスを採用するケースが増えています。これならガラスを割られても手を差し込めず、プライバシーも守りやすくなります。

デメリット2.断熱性能が下がりやすい

昔ながらの玄関ドアの場合、ドア部分はアルミの成形材であり、ガラスは一枚板のガラス(単板ガラス)であることが多いですが、この組み合わせは断熱性能が低く、外部の熱の影響を家の中にまで伝えてしまいます。

YKKAPのドアリモ断熱ドアグレード
※ドア画像はYKK APより

その一方で、基本的にリフォーム用のドアはある程度の断熱性能を持っているものが一般的で、意図的に断熱性能の無い製品を選ばない限りは一定の断熱性の向上が期待できます。

リフォーム用の商品は基本的に断熱材が入ったドアと複層ガラスにより構成されていますので、その時点で古いドアよりも性能は確実に向上できるのです。

とはいっても、基本的にはガラス面とドア面で比較すればガラス面の方が性能は劣ることになりますので、断熱性能を追求する場合はガラス面が少ないほうが有利に働きます。

デメリット3.プライバシーの問題

透明度の高いガラスを選ぶと、外から室内の様子が見えてしまうリスクがあります。特に夜間は室内照明の影響で人影がくっきり映り込みやすいため注意が必要です。

すりガラスや型板ガラス、反射ガラスなどを使えば視線を遮りながら採光を確保できるため、プライバシーを守りたい方はこうした工夫がおすすめです。

デザイン別、人気のガラス入り玄関ドア

実際に《断熱リフォームの匠》で施工した玄関ドアの事例を見ると、ガラス入りデザインのバリエーションはとても豊富です。ここでは代表的なパターンと、その特徴・選ばれる理由を解説します。

ガラス入り玄関ドアへのリフォーム例

YKK AP ヴェナートD30「C04」

玄関リフォーム前

(写真)リフォーム前の玄関。
玄関リフォーム後

(写真)リフォーム後の玄関。縦長の窓を採用している。

YKK AP ヴェナートD30「C09」

玄関リフォーム前

(写真)リフォーム前の玄関。
玄関リフォーム後

(写真)リフォーム後の玄関。1枚の縦長窓を採用している。

YKK AP ヴェナートD30「F05」

リフォーム前の玄関

(写真)リフォーム前の玄関。
リフォーム後の玄関

(写真)リフォーム後。複数の小窓をあしらったデザイン。

YKK AP ヴェナートD30「F03」

施工前

(写真)リフォーム前の玄関。
施工後

(写真)ドア中央にスリット状の窓があるデザイン。

LIXIL リシェント「M27型」

玄関リフォーム前

(写真)リフォーム前の玄関。
玄関リフォーム後

(写真)リフォーム後。細長いガラスを複数採用したデザイン。

YKK AP ヴェナートD30「N05」

施工前

(写真)リフォーム前の玄関。
施工後

(写真)ハンドルと逆側に縦長のガラスを採用したデザイン。

YKK AP ヴェナートD30「E04」

ドアリモ前

(写真)リフォーム前の玄関。
ドアリモ後

(写真)リフォーム後。上部に小窓をあしらったデザイン。

 
こうして見ると、改修後のガラス面積を小さくするか、細長くする傾向が大きいことに気づくのではないでしょうか。理由のひとつは、ガラス入りドアのデメリットでも説明した、防犯性の問題に起因します。

ガラスが大きいことによって割られてしまうリスク、空き巣に侵入されるリスクを考慮してのことです。細長いガラスでは割ったとしても腕を入れられませんし、また多少の大きいガラスはめ込まれていたとしても、鍵から一定の距離があれば腕を伸ばしても届かないことになります。

そのような需要を反映してか、リフォーム用の玄関ドアは細長いガラスを組み込んだデザインが豊富にあるように思います。

もうひとつの理由はやはりドアの断熱性能を考慮してのことだと思います。基本的にリフォーム用のドアはある程度の断熱性能を持っているものが一般的で、意図的に断熱性能の無い製品を選ばない限りは一定の断熱性の向上が期待できます。

とはいっても、基本的にはガラス面とドア面で比較すればガラス面の方が性能は劣ることになりますので、断熱性能を追求する場合はガラス面が少ないほうが有利に働きます。

ガラス無し玄関ドアへのリフォーム例

LIXIL リシェント「M17型」

施工前

(写真)リフォーム前の玄関。
施工後

(写真)リフォーム後。ガラスを採用しないデザイン。

 
このように、ガラスが全く無いタイプの玄関ドアにリフォームされる方も一定数いらっしゃいます。ガラス面の無い断熱ドアは性能の上がり幅としては、ガラスが組み込まれたドアよりも向上することが見込めます。

玄関ドアにガラスを入れるべき人/入れないほうがいい人

では実際に、ガラス入り玄関ドアと無採光タイプの玄関ドアは、どんな人に向いているのでしょうか。

ガラスを入れないほうがいい人

断熱性能だけを追い求めるのであれば、ガラスの無いドア、いわゆる無採光タイプのドアを選択するべきでしょう。

玄関やそこから連なる廊下、階段等が寒いとお悩みでしたら、ドアという大きな開口部の性能をできる限り上げることで寒さを軽減することは解決策として理にかなっています。

また、高性能な断熱ドアは補助金が受け取れる場合があり、費用負担を抑えながらドアのリフォームが可能になるからです。

補助金コラムバナー

ガラス入りドアを選んだほうがいい人

無採光のドアには「玄関が暗くなる」という欠点があります。もともとガラス入りのドアを使っていた住宅で無採光タイプに替えると、以前よりも玄関が暗く感じられるケースが多いでしょう。

在宅時間が長く「昼間でも照明をつけなければ暗いのは嫌」という方は、ガラス入りドアのほうが満足度は高くなります。また、玄関ホールに窓など別の採光源がある場合は、ある程度ガラス面積の小さいデザインでも十分に明るさを確保できます。

選び方のポイント

結局のところ、玄関ドアにガラスを入れるべきかどうかは、家庭の環境やライフスタイルによって変わります。最終的には好みや優先順位の問題ですが、ご自身の住まいに合わせて「快適性」「安全性」「デザイン性」のバランスを考えることが大切です。

  •  寒さ対策や補助金を重視:無採光タイプ
  •  明るさ・デザイン性を重視:ガラス入りタイプ
※「玄関に窓があるか」「在宅時間が長いか」も重要な判断材料

まとめ

今回はガラスを組み込んだ玄関ドアのリフォームについて解説しました。玄関ドアのリフォームでは、ガラスの有無やデザインが大きな選択ポイントになります。

ガラスを取り入れると、玄関に外からの自然光が入り、見た目も明るく開放的な印象になりますが、防犯面や断熱性能の面では注意が必要です。

最近のリフォームでは、ガラス面を細くしたり、面積を抑えたデザインが選ばれる傾向にあるように思います。防犯性や断熱性を両立させるために、多くの方がこのような選択をされているのではないでしょうか。

また、断熱性能を最優先するなら、ガラスの無い「無採光タイプ」のドアも検討項目に加えるべきでしょう。特に寒さ対策や補助金利用を考える方には有効な選択肢です。ただし、その場合は玄関が暗くなる可能性があるため、ご自宅の玄関環境やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。

玄関は毎日出入りする場所です。見た目の印象だけでなく、使い勝手や快適性も含めて、ご家庭に合った最適なドアをお選びください。

廣澤
廣澤
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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。

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