断熱リフォームを一部屋だけ行うメリットや注意点を解説!|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2020.09.19 / 更新日 2021.06.30

断熱リフォーム

断熱リフォームを一部屋だけ行うメリットや注意点を解説!

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

このページでは「一部屋だけの断熱リフォームを行いたい」という人のために

  • 断熱リフォームを一部屋だけに限定するメリット
  • 一部屋だけの断熱リフォームを行う具体的な方法
  • 一部屋だけの断熱リフォームを行う際の注意点

などについて解説していきます。

断熱リフォームを一部屋だけで行うメリット

断熱リフォームを一部屋だけで行うメリットとして

  • 予算を1部屋に集中させることができる
  • 断熱リフォームの費用対効果をあげることができる
  • 断熱リフォームにかかる経費を削減できる

などがあります。

メリット①:予算を1箇所に集中させることができる

断熱リフォームの種類としては

  • 小屋裏に断熱材を設置する
  • 壁に断熱材を充填する
  • 床下に断熱材を取り付ける
  • 窓に内窓を取り付ける

などがあります。

断熱リフォームにかけることのできる予算は決まっていると思いますので、断熱性能を上げたい空間を一部屋にしぼれば、

「建物全体に床下断熱材を設置」

という工事を

「床下断熱材の施工範囲を一部屋だけにする代わりに、余った予算で内窓の設置も行う」

といったように複数の部位の断熱性能を上げる工事にすることができます。

メリット②:断熱リフォームの費用対効果をあげることができる

施工範囲を一部屋に絞ることは、断熱リフォームの「費用対効果」を上げることにつながります。

自宅といっても

「家にいる時は決まった部屋で過ごす時間が長い」

と明言できるのであれば、その空間の断熱性能を重点的に上げることで、得られる効果をより大きくする事ができます。

メリット③:断熱リフォームにかかる経費を削減できる

断熱リフォームの施工範囲を一部屋だけにすれば、たとえ複数の部位の工事をおこなったとしても、1つの部位の全面施工に比べてトータルの費用を削減できる場合があります。

一部屋だけの断熱リフォームを行う具体的な方法

一部屋だけの断熱性能を改修する断熱リフォームの具体的な方法ですが

  • 内窓を設置する
  • 床下に断熱材を充填する
  • 既存の床や壁の上から断熱材を設置する
  • 小屋裏に断熱材を充填する
  • 壁を剥がして断熱材を充填する

などの方法があります。

内窓を設置する

既存の窓の上に高性能な窓を新たに取り付けることで、冬の窓際の寒さや足元の冷え、夏の蒸し暑さを軽減することができます。内窓を設置する際は「対象となる部屋のすべての窓に取り付け工事を行うこと」が重要なポイントになるので覚えておきましょう。

床下に断熱材を充填する

床断熱リフォーム

床下に断熱材を設置すれば冬の床の底冷えを軽減することができます。床下に断熱材を充填する場合は

  • グラスウール
  • 押出法ポリスチレンフォーム
  • 現場発泡ウレタン

などの断熱材がよく使われます。もし「和室を洋室にリフォームしたい」というような床を剥がす作業を伴う場合はリフォーム業者に断熱材についても相談してみるといいでしょう。

また、「断熱性能だけを上げる工事を行いたい」という場合も「非破壊工法」での断熱リフォームを取り扱う業者ならば床下から一部屋だけの断熱リフォームを行うことも可能です。ただし、業者によっては最低施工面積が決められていたり、一定の面積を下回る範囲のみの施工は一律の価格となっているケースもありますので、料金体系についてはしっかりと施工業者に相談をするようにしましょう。

既存の床や床の上に断熱材を設置する

既存の床や壁の上に新たに断熱性能の高い壁や床を設置する(内張りカバー工法といいます)ことにより部屋の断熱性能を高めることができます。既存のリフォームと比較した時に

  • 壁を剥がさずに断熱性能を高くすることができる
  • 通常のリフォームよりもコストが低く工期も短い
  • 表面の内装を新しくすることができる

といったメリットがあります。その一方で

  • 施工中はその部屋を使えなくなる
  • 場合によっては室内の荷物を一時的に移動する必要がある
  • 施工後は元々の空間よりも狭くなる

といったデメリットもあります。

「壁の断熱リフォームを既存の壁を壊さずに行いたい」という場合は内張りカバー工法による断熱リフォームを検討するといいでしょう。

床の断熱リフォームについては、比較の対象として床下から断熱材を設置する「充填工法」があります。比較のポイントは

  • 元々の部屋の大きさが変わるかどうか
  • 内装も同時に新しくなるかどうか

です。床下からの工事は元々の部屋の大きさを変えずに済みますが、内装が新しくなることはありません。自分にあった工法を検討してみることをおすすめします。

小屋裏に断熱材を充填する

天井の断熱性能を上げることで夏の熱気を抑えることができます。天井の断熱リフォームには

  • グラスウール
  • セルローズファイバー

などの断熱材が使われます。床の断熱リフォームと同様に、最低施工面積や料金体系についてはしっかりと施工業者に相談をするようにしましょう。

壁を剥がして断熱材を充填する

壁の中に断熱材を充填することで室外の暑さや寒さが伝わりにくくなります。既存の床や床の上に断熱材を設置する方法と比較した時に

  • 部屋の大きさが変わらない
  • 古くなった内装を新しくすることができる

といったメリットがありますが、その分リフォームにかかる費用は高くなります。

壁は窓などに比べてあまり熱の出入りが行われないので、断熱リフォームをおこなっても他の部位と違い大きなな変化を感じにくいかも知れません。「クロスを新しくしたい」といった別の動機がない場合は、他の部位の断熱性能を優先して上げることをおすすめします。

一部屋だけの断熱リフォームを行う際の注意点

一部屋だけの断熱リフォームの際は

  • 建物の見えない場所でのトラブル
  • 建物の中での温度差

には注意が必要です。

注意点①:建物の見えない場所でのトラブル

築年数の経っている古い建物は、床下でのシロアリ被害や小屋裏での雨漏りなど、建物に不具合が発生するリスクが大きくなります。もし不具合に気づかないまま断熱リフォームを行なってしまうと、かえって被害が大きくなり、リフォームも台無しになってしまう可能性があるので注意しましょう。

特に内張りカバー工法は床下に進入しての作業が必要ではない分、事前に床下の不具合の有無を確認せずに施工を行ってしまいがちです。いずれにしても施工を行う場所に問題が起きていないか、事前にしっかりと確かめておくことをおすすめします。

注意点②:建物の中での温度差

一部屋だけの断熱性能を上げると、断熱リフォームを行わなかった場所との温度差がリフォーム前よりも大きくなる傾向があります。

同じ建物の中での大きな温度差は高齢者にとっては心臓の負担となり、不慮の事故に繋がりやすくなるリスクがあります。特に温度が下がりやすい洗面所やトイレなどは

  • 断熱性能を高くして室内の熱を逃げにくくする
  • 電気ヒーターなどで室温を暖かくしておく

といった工夫をすることをおすすめします。

まとめ

小屋裏の断熱施工
今回は一部屋だけの断熱リフォームを検討する場合のメリットや断熱リフォームの方法、注意点などをご紹介してきました。

一部屋だけの断熱リフォームは断熱リフォームの費用対効果を高める上で効果的な選択の1つです。ただし、不慮の事故や予想外のトラブルが起きないよう、事前の調査はしっかりと行うようにしましょう。

断熱リフォームの匠では非破壊工法により床や天井を壊さずに行う断熱リフォームを取り扱っています。

こちらのページでも詳しく紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください!

▼断熱リフォームを徹底解説!効果や種類、費用とは?【保存版】
https://www.dannetsu-takumi.com/contents/column/dannetsu-reform/

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