セルローズファイバーこそ最高の断熱材!性質やメリットを徹底解説!|断熱リフォームの匠

コラム

2018.06.04 / 2021.07.05

断熱リフォーム断熱材

セルローズファイバーこそ最高の断熱材!性質やメリットを徹底解説!

WRITER

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

株式会社テオリアハウスクリニック入社後、断熱事業に携わる。現在は既存住宅の断熱調査を中心に、セミナー講師や各媒体からの取材など、社内の断熱体制強化にも取り組む。

「セルローズファイバーという断熱材に興味があります。セルローズファイバーについて詳しく知りたいです」

 
このような方のためにこのページではセルローズファイバーについて詳しくご紹介していきます。

このページを読んでいただくと

  • セルローズファイバーの性質
  • セルローズファイバーのメリット
  • 他の断熱材との性能の違い
  • 断熱リフォームとの相性がいい理由

これらについて知る事ができます。

セルローズファイバーはあまり有名ではありませんが、たくさんのメリットがあるとても優れた断熱材です。

一緒にセルローズファイバーについて勉強していきましょう!

セルローズファイバーってどんな断熱材?

まずはセルローズファイバーがどんな断熱材なのかについてご紹介していきます。

セルローズファイバーの原料は何?

セルローズファイバーは灰色でふわふわしている、ホコリの塊のような断熱材です。

セルロースファイバー断熱材
「こんなのが本当に断熱材なの?」と思うかもしれませんね。

そんなセルローズファイバーですが、皆さんはセルローズファイバーが何でできていると思いますか?


正解は「新聞紙」です。

セルローズファイバーは「新聞紙を再利用して作られた断熱材」です。環境に優しいエコな断熱材ともいえますね。

セルローズファイバーの断熱性能のひみつ!

元々は新聞紙だったセルローズファイバーがどうして断熱材として使えるのでしょうか。

まずは断熱材の仕組みをおさらいしましょう。


そもそも断熱材がなぜ熱を伝えにくくするかというと、「動かない空気」が自身に閉じ込められているからです。

実は「動かない空気」こそもっとも熱を伝えにくい物質です。動かない空気をどれだけ持っているかで断熱材の性能は自ずと高くなるのです。


セルローズファイバーは見た目はホコリのように見えてしまいますが、これはそれだけ内側に細かい空気をためる事ができているのです。

また、セルローズファイバーには他の断熱材にはないもう一つの”動かない空気”を捕まえる仕組みがあります。


それは「木繊維の細胞の中」です。細胞一つ一つには必ず空隙が存在し、そこに「動かない空気」があるわけです。

セルローズファイバーは内側と外側に動かない空気がダブルで存在する、とても高性能な断熱材なのです。

セルローズファイバーのメリット

セルローズファイバーがどんな断熱材なのか知ってもらったところで、より具体的な「メリット」についてご紹介していきます。

セルローズファイバーの最大のポイントとは

セルローズファイバーのメリットを1つ挙げるとしたら何でしょうか?

天井の断熱
それは、”隅々まで断熱材が行き渡る”ということです。

セルローズファイバーは細かくバラバラでフワフワな断熱材。ということは、狭い隙間にも断熱材が隅々まで行き渡るのです。

「隅々まで施工?そんなの他の断熱材でも当たり前の事でしょ?」と思われるかもしれません。

確かにその通りです。しかしその当たり前のことが実は多くの住宅では行われていないのが現状です。なぜでしょうか。


それは断熱材の「性質」により施工が難しくなるからです。

ボード状の硬い断熱材を例に考えてみましょう。

硬い断熱材は伸縮しませんので、たった数ミリの誤差が命取りとなります。

隙間ができた断熱材

数ミリの隙間くらい大丈夫と思われるかも知れませんが、断熱的にこの数ミリは見逃せません。その隙間が冷気の通り道となるのです。

断熱材自体の性能がいくら良くても、施工性が悪くては断熱材の効果は発揮されません。


その点から見れば、バラ状で隙間なく断熱材が充填されるセルローズファイバーが有利なのです。

他にも色々な付加効果がある

セルローズファイバーには、

1.調湿効果がある
2.高い耐火性能
3.断熱材の中でトップクラスの吸音性能
4.水に濡れても大丈夫な撥水性能
5.防虫性能
6.木材由来の健康素材

といったメリットがあります。

調湿効果がある


セルローズファイバーには「吸放湿効果」があります。

多くの断熱材は湿気に強くありません。一度内側に湿気がたまってしまうと中々外に出て行かないからです。そのことが断熱材のカビの原因となることもあります。

セルローズファイバーは多少の湿気は再び放湿することができます。

なぜなら、原料が「新聞紙」だからです。状況に応じてまるで生きているように湿気を吸収したり吸い込んだりする働きを持っています。

高い耐火性能


「新聞紙でできた断熱材なんて火事が怖くて使えない」と思うかもしれません。しかしセルローズファイバーで火災のリスクは上がりません。

なぜなら、セルローズファイバーには「ホウ素」が混ぜ込まれており、一般的な断熱材よりもむしろ高い耐火性能を持っているからです。

セルローズファイバーの耐火性能を確かめる実験動画も公開していますので、ぜひご覧ください。

断熱材の中でトップクラスの吸音性能

セルローズファイバーには、断熱材の中では珍しい「吸音性能」を」持っている断熱材です。

吸音性能のある断熱材を使用することで、外からの環境音は聞こえにくくなり、逆に家の内側からの音は外に漏れにくくなります。

セルローズファイバーの吸音性能を確かめる実験動画も公開していますので、ぜひご覧ください。

水に濡れても大丈夫な撥水性能


「新聞紙でできた断熱材ってとても水に弱そう・・・」と思う方もご安心ください。

セルローズファイバーは吸放湿機能に加えて撥水性能があります。グラスウール断熱材とその差を比較すると違いは歴然です。

撥水性能を確かめる実験動画も公開していますので、ぜひご覧ください。

防虫性能

「紙の断熱材だと虫に食べられないかも心配・・・」と思うかもしれません。

セルローズファイバーは虫の被害に遭う心配もしなくて大丈夫です。なぜなら、セルローズファイバーの中に含まれる「ホウ素」は虫がとても苦手な成分だからです。


断熱リフォームの匠ではシロアリが好む断熱材を確かめる実験を行ったことがあります。

結果セルローズファイバーを通り抜けようとしたシロアリは全て死んでしまいました。このことから、セルローズファイバーは害虫に強い断熱材であることがわかります。

木材由来の健康素材


セルローズファイバーは原料は新聞紙ですので、シックハウス症候群の原因となるような有害物質は含まれていません。

さっきから聞く『ホウ素』は大丈夫なの?ご安心ください。ホウ素も「目薬や洗眼液の成分」として使われているような安全性の高い物質です。

セルローズファイバーは見た目がアスベストみたいじゃない?心配無用です。セルローズファイバーの粒子はアスベストよりとても大きく、空気中に飛び散ることはありません。

セルローズファイバーにも欠点はある

これまでご紹介してきたように、セルローズファイバーはとても素晴らしい断熱材です。とはいえ、全く欠点がないわけではありません。

セルローズファイバーには2つの欠点があります。

1つ目の欠点は施工にコストがかかることです。

断熱材の施工にかかるコストの比較

セルローズファイバーは天然素材でできており製造コストが高く、施工にも高度な技術が必要です。

ですので、通常のグラスウールに比べ施工費も高くなりがちです。

2つ目のデメリットは、リフォーム時には再施工が必要なことです。


先ほどもご紹介したように、セルローズファイバーは隙間なく隅々まで充填します。

一度セルローズファイバーを施工した床や壁、天井などを開けようすると、セルローズファイバーがこぼれ出てしまいます。

普段は全く困ることはありませんが、もし将来的に「リフォームをしたい」となった時には、一度セルローズファイバーを取り除いて再処理する必要があります。

他の断熱材とセルローズファイバーの熱伝導率を比較

他の断熱材と比べてみると

「セルローズファイバーの良さはなんとなく分かったけど、他の断熱材との比較も見てみたい」

という方のためにセルローズファイバーとそれ以外の断熱材との性能を、熱伝導率と言う数値で比べてみましょう。

熱の伝わりやすさ

熱伝導率が小さければ小さいほど熱は伝わりにくい、つまり断熱する力が高いと言うことになります。

断熱材

熱伝導率

グラスウール10K

0.050

セルローズファイバー

0.038

高性能グラスウール

0.036

ポリスチレンフォーム

0.028

フェノールフォーム

0.022

 

この中で一番性能が良い断熱材はフェノールフォームとなりますね。

参考に断熱材以外の素材と比べてみましょう。

参考部材

熱伝導率

アルミニウム

200

ステンレス

15

コンクリート

1.6

ALC

0.17

木材(杉)

0.12

木材、金属、断熱材では熱の伝わりやすさが全然違うことが分かります。


さて、これらの数値を比べると、「あれ?セルローズファイバーの性能はそんなに良いわけじゃないな」と思うかもしれません。

ですが実は、この数値は実際の断熱材の性能にはあまり関係ありません。

なぜなら、断熱材は性能によって「厚み」を変えて施工するからです。同じ製造会社の同じ断熱材でも、商品により厚みは様々です。

では、断熱材の厚みはどれくらい必要なのかを考えてみましょう。天井、床など、どれくらいの断熱性能があればいいかは地域ごとに決められています。ですからこの基準を満たすように断熱材の厚みを決めれば良いのです。

東京都を例に考えてみましょう!(断熱材のみ)

まずは「熱抵抗値」を参考にします。熱抵抗値とは、材料の熱の伝わりにくさを表した数値です。

施工部位

熱抵抗値

天井

4

2.2

2.2

これに、さきほどの熱伝導率を掛けると、その断熱材がどれくらいの厚みが必要なのかが分かります。

それぞれの断熱材で計算してみると、下記のようになります。

まずは天井の厚みから。

断熱材

必要な厚み

グラスウール10K

200mm

セルローズファイバー

152mm

高性能グラスウール

144mm

ポリスチレンフォーム

112mm

フェノールフォーム

88mm

続いて壁・床の厚みです。

断熱材

必要な厚み

グラスウール10K

110mm

セルローズファイバー

84mm

高性能グラスウール

80mm

ポリスチレンフォーム

62mm

フェノールフォーム

49mm

この厚みで施工出来ればどの断熱材でも同じ性能ということになります。

整理してみましょう。

1.床
大引き材の間:90mmのスペースに断熱材が入ります。
2.壁
柱の間:105mmのスペースに断熱材が入ります。
3.天井
野縁から梁までの空間に断熱材が入ります。(200mm以上スペースがあるはずです。)

上記の条件を満たすのであれば、どんな断熱材でも同じ効果を得られます。

大事な断熱欠損のこと。絶対知っておくべき知識!


さて、部位により断熱材の条件を満たせばどれを使っても良いとお話しましたが、ここは大事なポイントです。

先ほどもご紹介した「隙間までしっかり施工出来るか」という問題が関わるからです。隙間があるとどれくらい断熱性能が下がるのかをみてみましょう。

断熱欠損について

これは袋入りグラスウールを施工した場合の影響を図示したものです。

隙間ができた状態では67%ほどの性能しか出すことができません。また、押し込みすぎも断熱性能の低下に繋がってしまいます。ということは、”隙間を作る”のも”無理やり詰め込む”のもダメ、ということになりますね。

グラスウールだけでなく、他の断熱材でも似たような結果になるのではないでしょうか。


セルローズファイバーはバラ状の断熱材の特徴から、隙間ができない断熱材です。

断熱材の欠損

逆に”袋入りグラスウール”や”硬いプラスチック系の断熱材”だと僅かなカット誤差で隙間ができてしまいます。

外れた断熱材
また、外れやすいのも大きな欠点です。床下調査で硬質系断熱材が落下しているのをよく見かけますが、もちろん断熱材としての役割は果たしていません。

こういった隙間や欠落のことを、専門的に”断熱欠損”と表現します。施工の不備や、振動など様々な原因が考えられますが、硬い形状の断熱材にはこのようなリスクがあるということを覚えておきましょう。

セルローズファイバーによる断熱リフォームの匠の「断熱リフォーム」


家の断熱材は「家を建てた」時に決まり、「変えられない」ものなのか?

そんなことはありません。

家の断熱材は「リフォーム」で最新の基準に引き上げることができます。

断熱リフォームの匠がメインで取り扱っているのも、既存住宅の”天井裏”と”床下”の「非破壊」による断熱リフォームです。

ここからはセルローズファイバーによる断熱リフォームについてご紹介をします。

天井の断熱リフォームってこうやります

専用の機械からホースを伸ばし、屋根裏に入り断熱材を吹き込みます。

他の断熱材では隙間ができやすい屋根裏ですが、セルローズファイバーなら隙間なく断熱材を施工することが可能です。

天井断熱リフォームの事例は下記のページでも紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください!

▼木造2階建ての天井断熱リフォーム事例
https://www.dannetsu-takumi.com/contents/casestudy/20200704-2/

床下の断熱リフォームにも

床下への侵入

非破壊断熱リフォームでも採用しているのがセルローズファイバーです。

断熱材の吹込み
シート張り後

断熱リフォームの匠ではボード状高性能グラスウールと同様にオススメさせていただいています。床下にシートを貼り、シートの中にセルローズファイバーを充填しますので、普段どおり生活をしながら断熱リフォームができます。

セルローズファイバーの床下断熱リフォームの事例は下記のページでも紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください!

▼セルローズファイバー床下断熱リフォーム事例
www.danrei-teoria.com/casestudy/20180530yukashitadannetsu/

セルローズファイバーについて更に詳しく知りたくなったら


ここからは、「セルローズファイバーについてもっと詳しく知りたい!」

性能をより深く掘り下げて説明していきましょう。

【おまけ1】セルローズファイバーの吸音性能


断熱材のなかでトップの吸音性能を誇るのがこのセルローズファイバーです。実際に聞いていただいた方が分かりやすいので、まずはこちらをご覧ください。※音量に要注意です。

いかがでしょうか。

比較対象は高性能グラスウールです。グラスウールにも吸音効果はありますが、それを感じさせないセルローズファイバーの防音性能ですよね。セルローズファイバーにすれば、外の騒音も吸収しますし、部屋の中のテレビの音も吸収してくれます。

繊維に含まれる空気の層が音を熱エネルギーに変えてくれるのです。

【おまけ2】セルローズファイバーの耐火性能


新聞紙を使っている断熱材が燃えない訳がない!と思われるのではないでしょうか。まずはこの動画をみてみましょう。

実はセルローズファイバーはホウ酸で防燃処理されており、断熱材の中でも非常に燃えにくい部類の断熱材なのです。表面は炭化して真っ黒になっていますが、中は新品同様です。

対して、グラスウールは燃えることはありませんが溶け落ちてしまいますし、プラスチック系断熱材は簡単に着火し溶けていきます。

これらの断熱材は有毒ガスを発生させることがあり、実際に火災による死亡原因となった事例もあるのです。

もちろんセルローズファイバーは有毒なガスを発生させることはありません。

【おまけ3】セルローズファイバーの撥水力


”吸放湿してくれる=水に濡れたら吸ってしまう”ではありません。

セルローズファイバーは撥水処理がされており、水に直接濡れたら水を弾きます。それに対してグラスウールは水に濡れた瞬間、水分を吸収してスライム状になってしまい断熱性能がガタ落ちしてしまいます。

この撥水性能は特に天井裏での雨漏り時に役立ちます。なぜかというとトラブルにすぐに気付けるからです。

もし雨漏れがあったとき、グラスウールならば水をどんどん吸い込んでその場で長い間留まります。このことが被害を大きくしてしまう可能性があるのです。

一方セルローズファイバーの場合は水は断熱材の間を通り抜け、すぐに天井板を濡らすので、早期発見が行いやすくなります。

さいごに

いかがでしたか?

セルローズファイバーはマイナーな部類の断熱材ですが、とっても高性能な断熱材です。なんとなくでも”セルローズファイバー良いなぁ”と感じていただけたら嬉しいです。

もし、”非破壊断熱リフォーム”に興味をお持ちいただけたなら是非、下記をご覧ください!

皆様の断熱性能改善をお手伝いさせていただきます!!