マンションの窓は断熱リフォームできる?内窓の設置可否と費用・注意点を徹底解説|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2025.09.03

内窓・窓リフォーム

マンションの窓は断熱リフォームできる?内窓の設置可否と費用・注意点を徹底解説

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廣澤 健一郎

環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。

「マンションの窓をリフォームして断熱性を高めたい」
「冬は窓辺が寒く、夏は日差しで部屋が暑い」

マンションにお住まいの方からよくいただくご相談に、このような声があります。

こうしたお悩みの原因は、マンションの「窓の断熱性能の低さ」にあることが多く、実は窓の断熱リフォームという方法で大きく改善できるのです。

当記事では、マンションの窓リフォームの中でも現実的な選択肢となる「内窓断熱リフォーム」について、費用相場や注意点を含めて詳しく解説していきます。

マンションの断熱リフォーム全般についてはこちら
マンションの断熱リフォーム完全ガイド|断熱リフォームの匠

マンションで「窓の断熱」が必要になる理由

ほとんどの場合、マンションの断熱化において最優先で取り掛かるべき場所は「窓」になります。なぜかと言うと、これはマンションという建物の構造が関係してきます。

マンションは集合住宅のため、両隣や上下の住戸に囲まれており、外気に接している部分は主に「窓」と「バルコニー側の壁」に限られます。つまり、熱が逃げやすい場所=窓なのです。

マンションで外気に接する場所。

(写真)玄関側とバルコニー側の壁面が外気に接する。
最上階と角部屋の位置関係。

(写真)角部屋や最上階以外の部屋は他の住戸に囲われている。

 
冬は窓から冷気が入り込み、夏は日差しや熱気が室内に伝わります。さらに、窓の断熱性能が低いと「結露」が発生しやすく、カビやダニの原因にもなります。

窓の断熱化を行うことで、下記のような効果を得られます。

  •  夏の暑さ・冬の寒さを和らげる
  •  結露を軽減して住環境を改善する
  •  冷暖房効率を高め、省エネにつながる
  •  外からの騒音を抑える

実際に、マンションで窓リフォームを行ったお客様からは「エアコンの効きが良くなった」「部屋が静かになって快適」といった声が多く寄せられています。

このように、マンションでの暮らしを快適にするためには、まず「窓の断熱」が重要なポイントになるのです。

廣澤
廣澤
都市部では大通りに面したマンションが多いため、慣れてしまっているのかもしれませんが、窓を断熱化したことで改めて今までの騒音に気づいたという方もいらっしゃいました。

マンションの窓リフォームには「できること」「できないこと」がある

マンションの窓リフォームを検討する際にまず理解しておきたいのが、「専有部」と「共用部」の区分です。

窓サッシやガラスは多くのマンションで「共用部」と定められており、区分所有者が自由に交換・改修できるわけではありません。窓を新しいものに取り替えたい場合、管理組合への申請や承認が必要となり、さらに外観を統一するために「形状・色・仕様」に制約が設けられているケースも少なくありません。
窓と玄関ドアはマンションの共用部。
そのため、マンションでは以下のように考える必要があります。

できないこと

・サッシごと窓を自由に交換する(共用部にあたるため)
・外観を変えるようなリフォーム

できること

・専有部に属する「内側」への工事(例:内窓の設置)
・既存窓を残したままの断熱改修

このような制約から、マンションの窓断熱リフォームで最も現実的かつ効果的な方法が「内窓の設置」です。既存の窓を撤去せずに内側へ二重窓を取り付けることで、管理規約に抵触せず断熱性・防音性を大きく向上させることができます。

つまり、マンションの窓リフォームを検討する際は「できること=内窓設置」を基本方針に考えるのが賢明といえるでしょう。

マンションでの内窓設置とは?

マンションで最も現実的な窓の断熱リフォーム方法は「内窓の設置」です。

前述のとおり、窓サッシは共用部にあたるため自由に交換できません。しかし、内窓は既存の窓の内側=専有部に施工するため、管理規約の制限を受けにくく、比較的導入しやすい工事といえます。

マンションの内窓リフォーム施工前。

(写真)マンションの内窓リフォーム事例。施工前。
マンションの内窓リフォーム施工後。

(写真)マンションの内窓リフォーム事例。施工後。

 
既存の窓を残したまま新しい窓を取り付けることで二重窓となり、サッシ交換よりも総合的な断熱性能が高まるケースも多くあります。さらに、内窓設置には以下のような副次効果も期待できます。

結露の軽減
結露した窓。

室内外の温度差を緩和し、窓の結露を抑制。
防音効果
騒音が響きそうな線路沿いの風景。

気密性が向上し、交通騒音や生活音を軽減。
省エネ効果
エアコンを付けている室内。

冷暖房効率が高まり、光熱費削減につながる。

 
加えて、二重窓リフォームは国の先進的窓リノベ事業などの補助金対象になるケースも多く、自己負担を抑えながら断熱性能を大きく改善できます。このように、マンションで窓断熱を考えるなら、まず検討すべきは「内窓リフォーム」と言えるでしょう。

マンションの内窓リフォームの費用相場は?

内窓リフォームを実施する場合に、工事費用に関わってくる要素は大きく分けてふたつです。

  •  材料費(内窓本体、副資材など)
  •  工賃(工事費、搬入費、不用品処分料など)

断熱リフォームの匠で実際に工事を実施したマンションの事例から費用を見てみましょう。

1.東京都北区K様
窓構成 材料費
2枚建て引違い窓(掃き出し窓) 99,000円
2枚建て引違い窓+FIX窓(掃き出し窓) 149,500円
2枚建て引違い窓(腰高窓) 48,000円
2枚建て引違い窓(腰高窓) 59,500円
取付・運搬費用
運搬・取付費:約15万円
合計費用
材料費:約35万円
運搬・取付費:約15万円
合計額:約50万円
(税込:約55万円)
2.東京都江東区T様
窓構成 材料費
FIX窓(玄関FIX) 32,000円
2枚建て引違い窓(腰高窓) 47,500円
2枚建て引違い窓(腰高窓) 47,500円
2枚建て引違い窓+FIX(掃き出し窓) 197,000円
取付・運搬費用
運搬・取付費:約20万円
合計費用
材料費:約32万円
運搬・取付費:約20万円
合計額:約52万円
(税込:約58万円)
3.東京都世田谷区K様
窓構成 材料費
2枚建て引違い窓+FIX窓(掃き出し窓) 149,000円
2枚建て引違い窓+FIX窓(掃き出し窓) 149,500円
2枚建て引違い窓(腰高窓) 53,500円
内開き窓(小窓) 34,500円
取付・運搬費用
運搬・取付費:約20万円
合計費用
材料費:約39万円
運搬・取付費:約20万円
合計額:約59万円
(税込:約64万円)

ご自身がお住まいのマンションで掃き出し窓や腰高窓がそれぞれ何ヶ所あるかによって費用は変わってくると思いますが、基本的には窓が大きいほど費用がかかる傾向にあります。

マンションに多いタイプの窓形状として、2枚建て引違い窓とFIX窓が合わさった窓があり、この材料費が15万~20万円程度かかってくることが分かります。

また、角部屋の場合と中部屋の場合でも窓の枚数が変わってきますので、その分角部屋の方が工事にかかる費用は高くなるといって良いでしょう。

ただ、角部屋の方が窓が多いことが大半ですので、その分だけ熱の出入りが激しいと考えることもできますので、角部屋こそすべての窓に断熱化をした方が良いとも言えます。

補助金を活用したときの負担額

費用負担は決して小さくはありませんが、補助金を活用することで費用の一部について還元を受けることが可能です。先ほどの表から費用負担と補助金の実績を差し引きすると、以下のとおりになります。

事例 費用負担
北区K様 費用:約56万円
補助金:約46万円
実質負担額:約10万円
江東区T様 費用:約58万円
補助金:約41万円
実質負担額:約17万円
世田谷区K様 費用:約65万円
補助金:約46万円
実質負担額:約19万円

補助金の制度は国の「先進的窓リノベ事業」に加えて、地方自治体の独自の補助金がある場合にはその申請分も加えた金額になっています。

自治体によって補助金制度を打ち出しているところとそうでないところがありますので、上の補助額はあくまでもその地域で実施した場合の実績とお考えください。

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マンションへの内窓設置時の注意点

マンションの内窓工事を実施する際にはいくつかの注意点が必要です。

まず、既存の窓に転落防止ポールが設置してある場合、基本的に撤去することはできませんので、内窓の設置には工夫が必要か、あるいは設置がそもそも出来ない場合があります。

また、レアケースではあるものの高層マンション等の場合に設置後に注意が必要なのが、玄関等から出入りした際に強風にあおられるリスクです。

内窓の目的はあくまでも「断熱」ですので、直接強い風を受け止めることを想定しているものではありません。直接、台風の日のような強い風を受けると、樹脂製のフレームが破損して内窓自体が倒れてくるなどのリスクが生じます。

直接、強い風圧を内窓で受けとめないよう、室内の窓をしっかりと閉めるか、あるいは風の強い日の外出の際には少し内窓を開けておくなど、使用方法に注意しましょう。

まとめ

今回は、マンションにおける窓断熱リフォームの有効な方法として「内窓設置」をご紹介しました。

マンションの窓は共用部にあたるため自由に交換はできませんが、専有部である室内側に内窓を取り付ける工事であれば、管理規約の制約を受けにくく、現実的に導入可能です。

内窓の設置によって、断熱性の向上(夏の暑さ・冬の寒さ対策)、結露の軽減、防音効果の向上といった効果を同時に得ることができます。

「夏も冬も快適に過ごしたい」「結露や騒音を解消したい」とお考えの方は、ぜひ一度《断熱リフォームの匠》へご相談ください。補助金を活用したお得なリフォームプランもご提案いたします。

廣澤
廣澤
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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。

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