「ダウンライト周りの断熱材」知識の差が品質に大きな差を生む理由|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2022.04.07 / 更新日 2024.12.10

断熱リフォーム

「ダウンライト周りの断熱材」知識の差が品質に大きな差を生む理由

WRITER

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廣澤 健一郎

環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。

今回は「ダウンライトと天井の断熱材」についてお話しします。

断熱リフォームでは、断熱材に関する知識の有無が施工品質に直結します。

天井断熱の施工において、知識の差で施工に違いが現れやすい場所の1つが「ダウンライト」まわりの施工です。

それはどうしてなのか、どのような施工を行うべきなのか、詳しくご紹介します。

ダウンライト周りの断熱材

どうしてダウンライト周りで施工に違いが現れやすいのかというと、「断熱欠損」の重要性を理解しているかどうかで施工に取り組む姿勢が大きく変わってくるからです。

ダウンライトの構造を小屋裏から見てみましょう。

ダウンライトは天井全体がフラットになっている光源で、見た目がオシャレなことから多くの住宅で採用されています。

光源はシーリングやペンダントライトと異なり、天井に埋め込まれているわけですが、実はこのことが断熱材との相性を悪くしています。

というのも、断熱材は断熱材同士をしっかりと密着させて施工をする必要があります。もし隙間ができるようであればそこが熱の通り道となり、断熱材の効果が薄れてしまうからです。

しかし、ダウンライトが設置されているとそれ自体が障害物となり、断熱材の間に隙間が生まれやすくなってしまうのです。

先ほど見ていただいたダウンライトの写真ですが、実は最初このような状態になっていました。

天井にはグラスウールが施工されていましたが、断熱面が少し浮いている部分があることが分かります。

これは真下にダウンライトがあるにも関わらず、断熱材をそのまま施工したことが原因です。

「断熱」は隙間が生じていないことに意味がありますので、このように天井板が露出していては、そこだけ大量の熱が移動できるようになってしまいます。

天井裏に突き出ているこれらの機材のことを何も考えずにただ敷き詰めるだけでは、断熱材は本来の効果を発揮できません。

特に夏場の屋根裏はかなりの高温になりますから、隙間が空いているせいで暑さを防げずに室内を高温にしてしまいます。
(※そもそも断熱材の厚みが不足していることも問題ですが)

このような状態の屋根裏というのは決して珍しいことではなく、職人が断熱のことを理解していないのはよくあることなのです。

ほとんどの工事現場では、断熱の重要性を何も知らない大工や職人が「とりあえず敷いてあれば良いんでしょ?」という程度の認識で断熱材を敷いています。

結果、上の写真にあったような、言わば「手抜き断熱」の状態に陥りがちなのです。

もちろん、断熱のことに精通している職人も中にはいますし、高断熱住宅の普及を推進する業界団体も全国に複数あります。

しかしながら建設業界・リフォーム業界全体で見れば、きちんと断熱の勉強をしている職人は、私の感覚としてはほんのわずかです。

また、築20年~30年の住宅となると、現在よりももっと断熱が認知されていませんでしたから、屋根裏の断熱材はほとんど「ただ敷いてあるだけ」です。断熱の効果はほとんど無い状態と言っても良いでしょう。

ダウンライト施工では安全面も考慮する必要がある

また、断熱材は熱の移動を防ぐ効果がありますが、ダウンライトそのものが熱を生み出す存在です。

何も考えずに上から断熱材をおおってしまうと火災のリスクも存在します。実際、ダウンライトに断熱材を覆ったことによる熱の上昇で火災が発生する事例が過去に何件か報告されています。
また、ダウンライトにも種類があり、断熱材で覆っても問題のないタイプ、覆ってはいけないタイプがあります。

こちらは断熱材に対応していないタイプのダウンライトです。

断熱材としての機能を失わないようにすることと、断熱材を施工したことによる建物の安全性への影響、両方を考慮する必要があるということですね。

また、断熱材で覆うことができないタイプのダウンライトの場合、断熱工事を実施するためには何らかの対策が必要になります。

とはいえ、このような表示は室内側から見えないことがほとんどです。屋根裏に潜らないと判別ができないため、業者にしっかりと見てもらうようにしてください。

断熱のことを知らない業者に任せてしまうと、熱がこもったせいでダウンライトが故障したり、最悪の場合は火災が発生することもあります。

きちんとした知識を持った業者にお願いすることが大切です。

さいごに

今回はダウンライトの断熱材についてご紹介してきました。断熱材の施工は細部まで丁寧に実施する必要があります。

「ちょっとくらい大して変わらないだろう」の積み重ねが大きな違いになります。

正しい知識の有無で断熱リフォームの効果は大きく変わってしまいます。施工スタッフ一人一人の断熱材に関する知識の習熟が非常に重要であると言えるでしょう。

廣澤
廣澤
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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。

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