玄関ドアのリフォーム費用はいくら?工事内容・グレード別に相場を解説|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2025.07.14

内窓・窓リフォーム断熱リフォーム

玄関ドアのリフォーム費用はいくら?工事内容・グレード別に相場を解説

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廣澤 健一郎

環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。

玄関ドアのリフォームを検討している方の中には、

「費用がどれくらいかかるのかわからない」
「内窓リフォームと比べてイメージが湧きにくい」

と感じている方も多いのではないでしょうか。最近では「玄関からの冷気や熱気をどうにかしたい」と、断熱性能の向上を目的に玄関ドアを交換されるケースが増えています。しかしながら、玄関ドアのリフォームは種類やグレード、工法によって費用が大きく異なるため、相場感を掴みにくいのが実情です。

そこで本記事では、断熱リフォーム専門の断熱リフォームの匠が実際に対応した事例をもとに、玄関ドアリフォームの費用相場や価格の内訳、補助金の活用方法まで詳しく解説します。

玄関ドアリフォームの相場はいくら?

玄関ドアを含む断熱リフォームの中でも、ドア交換は製品の種類や仕様のこだわりによって費用の幅が大きくなりがちです。実際の事例をもとに整理すると、玄関ドアリフォームの費用は材料費だけで見ると30万円~80万円程度が目安となります。

玄関ドア費用例の表

(表)玄関ドア費用事例

ドアの形状や断熱性能、デザイン、スマートキーの有無などにより価格差が生まれるため、「相場」といっても幅があるのが実情です。この章では、主な費用に関わる要素を順にご紹介します。

工法で工事費用は変わる?

材料費に対して、施工費や処分費、運搬費などの工事費用はそれほど大きく変わるわけではありません。デザインや断熱性能が違っていても、基本的に工事の際の工程にはあまり変化はないためです。

ドアリモ前

(写真)リフォーム前の玄関。
ドアリモ後

(写真)最近ではカバー工法でリフォームすることが多い。

 
カバー工法による玄関ドアリフォームの場合、10万円~15万円程度の工事費用がかかると見て良いでしょう。

ドアのグレードや機能性による価格の違い

値段を大きく左右する要素は、ざっくりと分けて以下のような項目になります。

断熱性能(D2/K2仕様が主流)

ドアの断熱性能が高いものを選択すれば、材料費はその分だけ上がることになります。代表的なメーカーを例に上げると下記の性能区分があり、いずれの場合も数字が少ない方が性能値が高くなります。

  •  YKK AP製のドア:D2仕様やD4仕様
  •  LIXIL 製のドア:K2仕様やK4仕様

先程の事例の一覧を見ても、ほぼすべての例でD2仕様/K2仕様が選ばれていますね。後述する「補助金を申請するため」という理由だけでなく、「より断熱性能を高くしたい」と思っている方が徐々に多くなっている傾向が見て取れます。

YKKAPのドアリモ断熱ドアグレード

デザイン・カラー

これが最も値段が読みづらい要因になっています。窓製品と比べて玄関ドアはデザインの種類が非常に多く、メーカーによっては50種類を越えるデザインと、さらにデザインごとに3〜10種類ほどのカラーバリエーションを用意しています。

シンプルなデザインほど値段は安くなる傾向にはあるものの、人によって値段重視か、デザインもこだわるかもまったく違いますので、「ずばりいくら!」を言いづらいのが実情です。

ドアの形状(片開き扉、親子扉など)

リフォーム前のドアの形状によってデザインは絞られるため、悩むことは少ない項目です。既存のドアが親子扉の場合は、多くの方がリフォーム後の形状も同じ親子扉をチョイスしています。

価格については、幅が広くなるほど高くなる傾向で、扉の枚数が多いほど値段が上がります

性能 種類/採光/鍵 材料費
D2 片開き/採光/スマート ¥405,500
D2 両袖FIX/採光/スマート ¥472,000
D2 横引き/採光/スマート ¥498,500
K2 親子/採光/スマート ¥726,000
(表)玄関ドアリフォーム事例の抜粋

手動キー、スマートキーの区分

鍵の種類も大きく値段を左右する要素ですが、近年はスマートキーを選ばれる方が増えています。自動車のキーのように、ポケットに鍵が入っていればドアノブにタッチするだけで解錠ができる、いわゆる「ポケットキー」タイプが人気があるようです。

性能 種類/採光/鍵 材料費
D2 片開き/採光/手動錠 ¥283,000
D2 片開き/採光/スマート ¥405,500
(表)玄関ドアリフォーム事例の抜粋

一方で利便性は高まるものの、3万円~6万円程度の追加費用が発生します。

防火、非防火の区分

防火地域(準防火地域を含む)にお住まいの場合、玄関ドアにも「防火戸認定品」が必要で、リフォームも例外ではありません。防火仕様は非防火より価格が上がる傾向があり、事例でも明確に価格差が見られます。

防火 種類/採光/鍵 材料費
_ 片開き/採光/スマート ¥405,500
防火 片開き/採光/スマート ¥557,500
両開き/採光/手動錠 ¥537,500
防火 親子/採光/スマート ¥773,500
(表)玄関ドア価格例抜粋。防火対応扉のほうが高額なのがわかる。

玄関ドアリフォームの費用の内訳

玄関ドアリフォームの総額は、以下のような内訳で構成されることが一般的です。

項目 目安費用
玄関ドア本体 30万〜80万円
施工費 5万〜10万円
処分費(古い扉) 1〜2万円
その他(搬入費等) 2万〜4万円

 
特に玄関ドア本体は、前述の通り「性能・デザイン・形状・防火仕様」などの要素によって価格に幅があるため、事前の見積もりが非常に重要です。

また、ここで掲載している価格は、他の断熱リフォーム(内窓床下天井など)と同時に施工した場合の費用から、玄関ドア分を抜き出したものです。単独で依頼する場合には、やや割高になるケースもある点にご注意ください。

玄関ドアのリフォームに補助金は使えるか

玄関ドアのリフォームを検討している方にとって見逃せないのが、補助金制度の活用です。現在、国の住宅リフォームに関する主要な補助金制度としては、以下の2つが挙げられます。

  •  子育てグリーン住宅支援事業
  •  先進的窓リノベ2025事業

それぞれの制度には対象条件や金額の違いがあるため、詳しく見ていきましょう。

子育てグリーン住宅支援事業

この制度では、一定の断熱性能を満たす玄関ドアを採用したリフォームに対して、補助金が交付されます。対象となるのは、いわゆるZEH(ゼッチ)レベルの断熱性能を持つ製品。代表的には、YKK APであれば「D2仕様」LIXILであれば「K2仕様」が該当します。

補助金額の目安:43,000円~49,000円(ドアのサイズにより変動)

なお、玄関のドア交換リフォームのでD2/K2仕様を選ばれるケースが多いのは、こうした補助金制度の対象基準を満たすためでもあります。

先進的窓リノベ2025事業

先進的窓リノベ事業については、名前のとおり窓の断熱リフォームに対する補助金ですが、窓とセットで工事する場合に玄関ドアも補助金申請に加えることができます

断熱性能の条件が「子育てグリーン住宅支援事業」よりも一層厳しくなっており、いわゆる「高断熱」のタイプのドアを選択する必要があります。補助金の金額はドアのサイズと断熱性能によって区分され、58,000円~最大で220,000円の補助金が受け取れます。

補助金額の目安:58,000円~最大220,000円(サイズ・性能による)

一方で、満額の補助金を受け取れる断熱性能を達成したドア製品は非常に限られており、また防火戸の設定がないなど様々な制約があります。

高断熱タイプのドアは材料費だけでも100万円を越えるケースもあり、補助金の額を差し引いたとしても、積極的に選択するかどうかは判断が分かれるところです。お住まいの地域の特性や予算に応じて、専門業者に相談しながら決めるのが良いでしょう。

●先進的窓リノベ事業の詳細コラムはこちら
先進的窓リノベ2025事業を徹底解説!内窓リフォームに使える補助金

施工事例と価格例

ここでは、実際に断熱リフォームの匠が施工した玄関ドアリフォームの事例を、費用とともにご紹介します。

片開きタイプ

千葉県 K様

施工前

(写真)施工前。
施工後

(写真)施工後。
仕様 D2仕様
防火 非防火戸
手動錠
費用 約42万円

埼玉県 S様

施工前

(写真)施工前。
施工後

(写真)施工後。
仕様 K2仕様
防火 非防火戸
手動錠
費用 約53万円

神奈川県 T様

施工前

(写真)施工前。
施工後

(写真)施工後。
仕様 D2仕様
防火 非防火戸
スマートキー
費用 約51万円

親子タイプ

神奈川県 S様

(写真)施工前。

(写真)施工後。
仕様 K2仕様
防火 非防火戸
スマートキー
費用 約83万円

東京都 M様

(写真)施工前。

(写真)施工後。
仕様 K2仕様
防火 防火戸
スマートキー
費用 約90万円

防火や非防火、施錠の種類だけでなく、デザインによっても値段に幅があるのが分かると思います。玄関ドアのリフォームはデザイン・カラーも豊富で、仕様が細かく区分けされているため、一概に値段が出るような種類のリフォームではありません。

また、住宅の構造や玄関周りの状況によっては、本体以外の副資材が必要になったり、追加の施工が発生する場合もありますので、上記はあくまでも一例としてお考えいただければと思います。

それでも、「実際にこれくらいの値段で工事をしたんだな」と、費用感のイメージだけでも掴んでいただけたなら幸いです。

まとめ

玄関ドアのリフォームは、印象を左右する家の顔とも言える重要なリフォームです。費用はおおよそ30万円~80万円と幅があり、ドアの仕様やデザイン、鍵のタイプなどによって価格が大きく変動します。

玄関ドアは内窓と比べて施工の手間や検討要素が多く、判断に迷う方も少なくありません。だからこそ、専門業者と相談しながら納得のいく選択をしていただければと思います。

補助金の活用や費用の内訳についても本記事を参考に、ご自身の住まいやライフスタイルに合った最適な玄関ドアリフォームを実現してください。

廣澤
廣澤
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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。

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