内窓・二重窓はDIYできる?断熱効果と施工のコツ、プロ施工との違いを解説|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2025.09.08
内窓・窓リフォーム
内窓・二重窓はDIYできる?断熱効果と施工のコツ、プロ施工との違いを解説

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廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
「自分で内窓を付けてみたい!」
「DIYで二重窓にできないのかな?」
皆さんは、そう思ったことはありませんか?
実際、断熱リフォームの匠でお伺いしたお宅の中にも、DIYで二重窓を設置された方がいらっしゃいました。ホームセンターで販売されているキットや、動画での解説を見ながら作業すれば、意外と取り組めそうに感じるものです。
ただし、窓の断熱をDIYで行うにはコツや注意点も多く、仕上がり次第では断熱効果が大きく変わってしまうのも事実。そこで今回は、DIYでできる窓断熱の方法とその手順、そしてプロに依頼した場合の違いまで、わかりやすく整理してお伝えします。
目次
「窓断熱をDIYしたい」と考える人が増えている理由
「DIYで何かしたい」「できれば業者に頼まずに済ませたい」と考える方が増えていると感じる理由は、主に以下のような要因があると思います。
- 光熱費の高騰による節約志向
- ホームセンター等でのDIY商品の流通
- DIYを紹介するwebサイトや動画配信
1.光熱費の高騰による節約志向
まず、最も大きな理由のひとつは光熱費の高騰でしょう。電気代やガス代も毎年のように値段が上昇する中で、冷暖房の費用をを少しでも下げたいと考えるのはごく自然な流れですよね。
冬場は暖房してもすぐ冷えてしまう、あるいは夏場は冷房が効きづらい、といった悩みを持つ住宅にとって、窓の断熱は非常に有効な対策になります。
2.ホームセンターでのDIY商品の流通
ホームセンターや通販サイトでは、「簡易内窓キット」や「断熱フィルム」「すきまテープ」といった商品が手軽に手に入るようになりました。


最近では100円ショップでも断熱グッズが並んでおり、専門的な工具を持っていなくても試しやすい環境が整っています。こうした商品の充実は、「自分でもできそう」と思わせる大きなきっかけとなっています。
3.DIYを紹介するwebサイトや動画配信
YouTubeやInstagram、ブログなどでは「DIYで窓を断熱してみた」という情報発信が盛んです。採寸の仕方や設置の流れを動画で学べるため、初心者でも作業イメージがしやすくなりました。
「動画を見ながらならできるかも」という安心感も、DIY人気を後押ししています。
「少しでも費用を抑えたい」「手間はかかっても、結果的に光熱費が下がるなら」と考える人にとって、DIYが魅力的な選択肢となっているということだと思いますね。
DIYでできる窓の断熱方法
さて、実際に窓断熱をDIYで行うには、どのような方法があるのでしょうか?ここでは、効果や手軽さに応じて、いくつかの方法をご紹介します。
手軽にできる断熱対策
まず、最も手軽なものが「隙間テープ」や「遮熱フィルム」などを貼り付ける方法です。これらは古い窓の断熱性能や気密性能を少しでも高めようとする手法です。
- すきまテープ
- サッシのすきまに貼り付けて、冷気や熱気の侵入を防ぐアイテムです。古い窓でスキマ風が気になる場合に効果的で、数百円から始められるコスパの良さも魅力です。
費用目安:500円〜1,500円程度(1窓あたり) - 断熱・遮熱フィルム
- 窓ガラスに直接貼ることで、夏は日射熱をカットし、冬は室内の暖気を逃がしにくくします。透明タイプやミラータイプなどがあり、見た目をあまり変えずに断熱性を高めたい方にもおすすめです。
費用目安:2,000円〜5,000円程度(腰高窓1枚分)
本格的に取り組める断熱対策


- 市販の簡易内窓キット
- ホームセンターや通販で販売されている「内窓キット」を使えば、既存の窓の内側にもう一枚窓を追加することができます。
二重窓にすることで、断熱効果だけでなく防音効果も得られるのが大きなメリットです。採寸と組み立てに多少の手間はかかりますが、DIYとしては十分挑戦可能なレベルです。
費用目安:10,000円〜25,000円程度(腰高窓サイズで1ヶ所) - 完全自作の内窓
- 上級者向けDIYとなるのが、完全自作の内窓です。木材やアクリル板などの材料を一から調達し、寸法を測って切断・加工・組み立て・取り付けまでを自分で行うスタイルです。この手法はDIYに慣れている方や、工作が得意な方に向いています。
費用目安:5,000円〜15,000円程度(材料費のみ。工具がない場合は追加費用あり)廣澤実際に私がお伺いした住宅の中で、ご主人様が自身で自作内窓を作成されており、それがプロ顔負けのクオリティだったため、正直驚いたこともありました。
内窓・二重窓はDIY可能?【メリットと注意点】
あまりDIYを経験したことのない方にとっては、「内窓のDIYって、本当にできるの?」という疑問をお持ちの方も多いと思います。
結論から言うと、市販の簡易内窓キットを使えばDIYは可能です。ただし、メリットがある一方で注意すべき点も少なくありません。
DIYで内窓を取り付けるメリット
では、そもそも内窓をDIYで施工するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。DIYで取り付ける利点は以下のようなものがあります。
- 費用を抑えられる
- 自分で施工するため、低コストで内窓を取り付けられるのが大きな利点でしょう。業者に依頼すると1ヶ所あたり数万円〜十数万円かかることもありますが、DIYキットなら1〜3万円前後で設置可能です。
- 達成感が得られる
- 自分で採寸し、組み立てて完成させる過程はDIY好きにとってワクワクする瞬間です。完成したあとは大きな達成感を得ることもできるでしょう。モノを作ることが好きな人にとっては大きなメリットです。
- 必要なときにすぐできる
- ホームセンターやネットで材料をそろえれば、休日を利用してすぐに取り掛かることができます。専門業者に依頼すると調査から完工まで数ヶ月かかることがある点を考慮すれば、メリットと言えるでしょう。
DIYで内窓を取り付けるときの注意点
- 採寸精度が仕上がりを左右する
- 内窓は既存の窓枠の内側にぴったりと収める必要があるため、数ミリのズレが隙間につながり、断熱効果が著しく下がってしまうことがあります。廣澤実際に、「サイズが合わなかった」「スキマが空いてしまい、あまり意味がなくなってしまった」という失敗例も少なくありません。
- 施工環境による制約
- 例えば賃貸住宅などでは、原状回復が求められることも多いため、ネジ留めができない場合もあるでしょう。
そうしたケースでは、工具を使わずに設置できるタイプのキット、例えば両面テープで固定するタイプを選ぶ必要があります。 - 意外と作業が大変
- DIYには楽しさや達成感がありますが、「思ったより手間がかかる」「仕上がりに満足できなかった」と感じることも少なくありません。
断熱という目的を考えた場合、性能の高さを求めるなら慎重な施工が必要となることは覚えておくべきでしょう。

実際に内窓DIYする場合の手順
では、実際に内窓をDIYで設置する場合、どのような流れになるのでしょうか。ここでは、比較的取り組みやすい「市販の内窓キット」を使った場合を例に、手順を詳しくご紹介します。
1.窓枠の内寸を正確に測る
幅、高さを測ることはもちろん、場所によって歪みがないかもチェックしましょう。特に築年数の経過している住宅の場合、経年劣化や長年の振動などにより窓枠に歪みが生じている場合もあります。
同じ窓なのに右と左で高さが異なったり、横幅が上下と真ん中あたりで数mm違うことは決して珍しくありません。ここできっちりと寸法を測ることがその後の仕上がりに大きく影響しますので、1mm単位でしっかりと測るようにしましょう。
2.キットの購入
測定したサイズを元に、そのサイズが製作できる分の材料をホームセンターや通販サイトでキットを注文します。ネット注文の場合は、商品によっては数日〜数週間の納期がかかるため、計画的に進めることが大切です。
代表的なDIY内窓キット:アクリサンデー「エコな簡易内窓」
3.設置
キットが届いたら、説明書を見ながら部材を組み立てていきます。基本的な流れは、カバー、レール、面材(透明板)、フレームのカットを行い、上下左右のレール、カバーを両面テープ(ネジ)で取り付けます。面材にフレームを取り付けて、レールにはめ込めば完成です。
必要な道具は以下のとおりです。
- メジャー:寸法を測る
- カッター:面材のカット
- 定規 :面材のカット
- 鉛筆 :枠の位置決め
- 油性ペン:面材のカットのガイド線
- 金鋸 :フレームのカット
- ヤスリ :カット面の仕上げ
- 両面テープ:枠の固定
- プラスドライバー:ネジ止め
4.最終調整
設置後は開閉のチェックや隙間がないかの確認を行い、もしスキマが生じるようなら必要に応じて隙間テープやパッキンを使い塞ぎます。多くの商品はドライバー1本で組み立てが可能ですが、不安があれば事前に動画などで手順を確認しておくと安心です。
DIYの場合、道具の不足や作業スペースの確保など、想定外の部分でつまずくこともありますので、そういった面でも動画による紹介は心強い味方と言えるでしょう。
また、作業時間の目安は、腰高窓サイズで1〜2時間、掃き出し窓サイズで2〜3時間程度を見ておくと安心です。
DIYでは物足りない?プロに依頼するメリットとは
ここまで、DIYで内窓を設置する方法や注意点をご紹介してきましたが、「思ったほど効果が感じられない」「細部の仕上がりが気になる」といった声もあるのが現実です。そこで検討したいのが、プロに依頼するメリットです。
断熱性能の高さ
プロが扱う内窓は、樹脂製フレームや高性能ガラスを採用した工業製品です。DIYキットに比べて断熱等級が高く、結露や冷気の侵入を大幅に抑えられるのが大きな特徴です。


特に冬の暖房効率や夏の冷房効率を重視する方にとって、プロ施工の内窓は長期的に見てもコストメリットが大きくなります。
精度の高い施工
専門業者であれば施工の際の気密性にも配慮し、スキマなくしっかりと取り付けてくれるため、断熱化という本来の目的を達成するには最適解となります。
もともとの窓枠が多少の歪みを生じている場合でも、別の材料を用意することで、スキマをなくす工夫をしながら設置しますので、設置後の効果は段違いに感じられると思います。
補助金の活用
プロ施工の大きなメリットが、国や自治体の補助金を利用できるケースが多いことです。先進的窓リノベ事業、子育てエコホーム支援事業など、条件を満たす高性能な内窓を設置する場合、1窓あたり数千円〜数万円の補助が受けられます。
補助金を活用すれば、DIYより実質的に安くなる可能性も十分あります。
DIYとプロ施工の違いまとめ
項目 | DIY内窓 | プロ施工の内窓 |
---|---|---|
費用 | 約1〜3万円/窓 | 約5〜15万円/窓 (補助金で実質安くなる場合あり) |
期間 | 材料を準備できれば1日で取付完了 | 調査〜取付完了まで1ヶ月以上 (内窓の取付自体は1日で完了) |
効果 | 採寸・施工精度に左右されやすい | 高性能な断熱・防音効果が安定して得られる |
難易度 | 採寸・組み立てに手間 | プロに任せて確実 |
補助金 | 原則なし | 多くのケースで対象 |
アフター対応 | 自己責任 | 保証・調整あり |
DIYとプロ施工には、それぞれメリットとデメリットがあります。「自分でやってみたい」という思いが強い方はDIYに挑戦してみるのも良い経験になりますし、「失敗したくない」「確実に効果を出したい」という方はプロに任せるのが安心です。
最終的には、ご自身の予算・目的・住まいの状況に合わせて選ぶことが大切ですね。
まとめ
今回は窓の断熱化をDIYで行う場合のポイント等について解説いたしました。窓の断熱をDIYで行うことは、手軽さや費用の面で非常に魅力的な選択肢です。隙間テープや断熱フィルムから始めて、市販の内窓キットに挑戦することで、実際に断熱効果を実感できることも少なくありません。
一方で、採寸ミスや施工の精度によって効果が薄れてしまうこともあり、「せっかくやったのに効果が感じられない」といった声も実際にあり、それが理由となって《断熱リフォームの匠》にお問い合わせをいただく例があることも事実です。
本格的な性能を求める場合や、確実に補助金を活用したい場合には、プロの施工を検討することも重要な選択肢ですね。「自分でできること」と「専門家に任せた方が良いこと」をうまく使い分けながら、住まいの快適性を高めていくことが、結果として一番の近道になるのかもしれません。


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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。
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