アルミサッシは断熱できる?寒さの原因と効果的な対策を専門家が解説|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2024.01.27 / 更新日 2025.12.18

内窓・窓リフォーム

アルミサッシは断熱できる?寒さの原因と効果的な対策を専門家が解説

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廣澤 健一郎

環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。

冬になると、窓の近くがとにかく寒い。暖房をつけているのに足元が冷えたり、朝起きると窓にびっしり結露がついていたり…。こうした悩みの原因が、アルミサッシの窓であるケースは少なくありません。

「アルミサッシは断熱性能が低いと聞くけれど、本当に交換しないとダメなの?」
「今の窓のまま、寒さをなんとかする方法はないのだろうか?」

そんな疑問から、「アルミサッシ 断熱」と検索された方も多いのではないでしょうか。

実は、アルミサッシは素材の特性上、どうしても外気の影響を受けやすく、住宅の中でも特に熱が逃げやすい部分です。しかし、だからといって必ずしもサッシごと交換しなければならない、というわけではありません。現在のアルミサッシを活かしながら、断熱性を大きく改善する方法も存在します。

この記事では、アルミサッシが寒く感じる理由から、今すぐできる対策、内窓やサッシ交換といったリフォーム方法、さらに費用の目安や補助金の活用まで、窓の断熱を専門に扱う立場から分かりやすく解説していきます。

廣澤
廣澤
「できるだけ無駄な工事は避けたい」「費用を抑えて寒さ対策をしたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

アルミサッシが寒い理由は「断熱性能」

アルミサッシの窓が寒く感じられるのは、気のせいや古くなったからではありません。アルミという素材と、窓の構造そのものに理由があります。ここでは、なぜアルミサッシが住宅の中でも特に寒さを感じやすいのかを断熱的な視点で解説します。

アルミは熱を伝えやすい素材

アルミサッシが寒い最大の理由は、アルミニウムが非常に熱を伝えやすい金属であることです。アルミは、フライパンや鍋にも使われるほど熱伝導率が高く、外の冷たい空気の影響をそのまま室内側へ伝えてしまいます。

熱伝導率の違い。

(写真)木材とアルミの熱の伝えやすさを示した図。アルミが冷たく(熱く)感じるのは熱伝導率が高いから。

(写真)熱伝導率が高いアルミサッシは外気温の影響を受けやすく、冬は窓際を寒くする。

 
冬場は、外気の冷たさがアルミサッシを通して室内側に伝わり、サッシ部分が冷え切った状態になります。その結果、窓の近くに立つとひんやりと感じたり、冷気が足元に流れ込んでくるような感覚を覚えたりするのです。

窓は家の中で最も熱が逃げやすい

住宅の中で、最も熱が逃げやすいのは「窓」だと言われています。一般的な戸建て住宅では、室内から逃げる熱の約5〜6割が窓からともされており、壁や床、天井よりも影響が大きいのが特徴です。

建物から逃げていく熱の割合。

(写真)冬場に建物から熱が逃げていく割合。窓(開口部)からが最も多い。
夏に熱が部屋に入る割合。

(写真)夏場に外部から熱が侵入する割合。こちらも窓からが最も多い。

 
特にアルミサッシの窓は、サッシ部分だけでなくガラス周辺からも冷気の影響を受けやすく、暖房をつけていても室温が安定しにくくなります。「暖房が効かない」「エアコン代がかさむ」と感じる原因が、実は窓にあるケースも少なくありません。

結露が発生しやすいアルミサッシ

アルミサッシの冷たさは結露の発生にも直結します。冷えたアルミサッシやガラスに、室内の暖かく湿った空気が触れることで水滴が発生し、冬になると窓がびっしり濡れてしまうのです。
結露は見た目の問題だけでなく放置するとカビやダニの発生につながり、住環境や健康面にも悪影響を及ぼします。「毎朝、窓を拭くのが当たり前になっている」という場合、アルミサッシの断熱性能不足が原因である可能性が高いと言えるでしょう。

古い住宅ほど寒さを感じやすい理由

築年数の古い住宅では、現在主流の高断熱サッシと比べて、断熱性能の低いアルミサッシが使われていることがほとんどです。当時は断熱性よりも耐久性やコストが重視されていたため、寒さ対策が十分に考慮されていませんでした。

結露した和室の掃き出し窓。

(写真)結露した掃き出し窓。アルミサッシの部分に水滴が付いている。
アルミサッシが使われている浴室の出窓。

(写真)浴室が寒い理由の1つがアルミサッシの大きな窓。ここから冷気が入ってきてしまう。

 
そのため、「家全体が寒い」「リフォームしていないのに年々寒さがつらくなった」と感じる場合、アルミサッシの影響が大きいと考えられます。

今のアルミサッシのまま断熱性を上げる方法はある?

アルミサッシが寒い原因は分かったけど、できればサッシごと交換するような大がかりな工事は避けたい」そう考える方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、今使っているアルミサッシを活かしたまま、断熱性を高める方法はあります。ただし、対策によって「効果の大きさ」や「持続性」は大きく異なるため、それぞれの特徴を理解した上で選ぶことが重要です。ここでは、代表的な断熱対策を「手軽にできる方法」と「工事を伴う方法」に分けて紹介します。

手軽にできるアルミサッシの断熱対策(応急的な方法)

まずは、比較的簡単に始められる断熱対策です。費用を抑えたい場合や、まずは寒さを和らげたいという方に選ばれることが多い方法ですが、効果には限界がある点も理解しておきましょう。

断熱シート・断熱テープ

アルミサッシに貼る断熱テープやガラス面に貼る断熱シート・フィルムは、外気の影響をある程度和らげる効果があります。ホームセンターなどで手に入りやすく、費用も抑えられるのがメリットです。

アルミサッシに断熱テープを貼る場所

(写真)アルミサッシのアルミ部分に専用の断熱テープを貼り付けることで断熱対策を行える。
断熱シートを貼り付けた窓。

(写真)アルミサッシの窓はほとんどの場合、ガラスの断熱性能も低いためガラス面にも断熱シートを貼り付ける。

 
ただし、「アルミサッシ部分だけ」「ガラス面だけ」といったように、部分的にしか貼り付けなかった場合は効果も限定的です。断熱テープやシートを使う場合は、窓全体を断熱することが大切です。

厚手のカーテン・断熱カーテン

厚手のカーテンや断熱カーテンを使うことで、窓からの冷気を室内に伝わりにくくする効果が期待できます。特に夜間の冷え込み対策としては有効です。一方で、日中は開ける時間が長く、根本的な断熱対策にはなりにくいという側面もあります。

しっかり断熱したい場合の方法(工事を伴う対策)

「寒さを根本的に改善したい」「結露も減らしたい」という場合は、工事を伴う断熱対策を検討する必要があります。

内窓(二重窓)を設置する

特にオススメしたいのが内窓の設置です。既存のアルミサッシの内側にもう一つ窓を設置する方法で、窓が二重になることで窓と窓の間に空気層が生まれ、外気の影響を大幅に抑えることができます。

内窓の構造

(写真)内窓の構造。既存窓と内窓の間に動かない空気層ができるため断熱性能が向上する。画像はYKKAP。
内窓の素材

(写真)新設する内窓はアルミではなく樹脂サッシを使うのが定番。

 
内窓は、アルミサッシを交換せずに済むため工事の負担が少なく、断熱・結露対策・防音を同時に改善できる方法として選ばれています。

具体的な商品名は、YKK APのウチリモプラマードU、LIXILのインプラスなどが代表です。これらのサッシはアルミとは比べものにならないほど熱貫流率が低く、取り付けるだけで暑さや寒さが大幅に改善されます。特に古い戸建て住宅の場合、元々の性能が低い分大きな変化を期待できます。

サッシごと交換する

アルミサッシの断熱性能を根本的に改善したい場合、サッシそのものを樹脂サッシなどへ交換する方法もあります。

先述した内窓の設置は高い断熱効果が期待できる一方で、窓の開閉が二重になるというデメリットがあります。そのため、使い勝手を重視したい方や、予算・工期に余裕がある方は、サッシ交換も選択肢の一つとして検討するとよいでしょう。

ただし、従来のサッシ交換は「はつり工法」と呼ばれる方法が一般的で、既存のサッシ枠を撤去するために外壁や内壁を壊す必要がありました。その結果、外壁補修を含む大がかりな工事になりやすく、費用や工期が増えるという課題がありました。

カバー工法施工前後

こうした背景から、現在では「カバー工法」と呼ばれる工法が主流になっています。カバー工法は、既存のサッシ枠を残したまま、その上から新しいサッシを被せるように取り付ける方法です。外壁を大きく壊す必要がなく、工期やコストを抑えやすいのが特徴です。

アルミサッシ自体を交換して断熱性を高めたい場合は、外壁への影響が少なく、現実的な選択肢であるカバー工法を前提に検討するのがおすすめです。ただし、窓のサイズがやや小さくなる点や、建物の状態によっては施工できないケースもあるため、事前の確認が重要になります。

樹脂サッシに交換しないとダメ?内窓との違い

アルミサッシの寒さ対策として調べていくと、「樹脂サッシへの交換」という言葉を目にすることが多くなります。そのため、「やはり樹脂サッシに交換しないと断熱できないのでは?」と不安になる方も少なくありません。

しかし、結論から言えば、必ずしも樹脂サッシへ交換しなければ断熱できない、というわけではありません。現在の住まいやライフスタイル、予算によっては、内窓の方が適しているケースも多くあります。

樹脂サッシに交換する場合の特徴

樹脂サッシは、アルミに比べて熱を伝えにくい素材でできており、サッシ自体の断熱性能が非常に高いのが特徴です。新築住宅や高断熱住宅で採用されることが多く、性能面だけを見ると理想的な選択肢と言えます。

一方で、既存住宅で樹脂サッシへ交換する場合は、以下の点に注意が必要です。

  • 工事費用が高くなりやすい
  • 工期が長くなることがある
  • 建物の構造や外壁の状態によって制限を受ける

特に、窓の数が多い住宅では費用負担が大きくなりやすく、「断熱性能は魅力的だが現実的ではない」と感じるケースもあります。

内窓を設置する場合の特徴

内窓は、既存のアルミサッシの内側にもう一つ窓を設置する方法です。既存の窓を触る必要がなく、短い工期で施工できるため、既存住宅の断熱対策として多く選ばれています。

内窓の主な特徴は次の通りです。

  • 断熱性能を大きく向上させられる
  • 結露の軽減が期待できる
  • 防音効果も得られる
  • サッシ交換より費用を抑えやすい

デメリットとしては、窓の開閉が二重になる点や、設置スペースが必要になる点が挙げられますが、「寒さを改善したい」という目的に対しては、非常にバランスの取れた方法と言えるでしょう。

どちらを選ぶべき?判断の目安

樹脂サッシ交換 内窓の設置
断熱性能 ◎+α
費用(※掃出し窓) 30~45万円 15~23万円
使い勝手
工期 半日〜1日/1枚あたり 30分〜60分/1枚あたり
樹脂サッシ交換が向いている人
  • 窓を開閉することが多い
  • 予算に余裕がある
  • 部屋の雰囲気を一新したい
内窓が向いている人
  • 今のアルミサッシを活かしたい
  • 費用を抑えつつしっかり断熱したい
  • 工期は短くしたい

内窓は、多くの場合「ペアガラス」と「樹脂フレーム」で構成されており、断熱を目的として設計された窓と言っても差し支えありません。そのため、単板ガラスとアルミフレームという従来の窓であっても、内窓を設置するだけで断熱性能を手軽に、かつ大幅に向上させることができます。

一方、カバー工法による窓交換も、ペアガラスと樹脂フレームの組み合わせとなるため、断熱性能は十分に高い水準にあります。ただし、最終的な断熱性能で比較すると、わずかに内窓の方が有利になります。既存の窓が残ることで断熱層が増え、さらに内窓との間に生まれる空気層が緩衝材の役割を果たすためです。

それでいて、費用はサッシ交換の約半分程度に抑えられるケースが多く、コストパフォーマンスという点では内窓が優れていると言えるでしょう。

一方で、内窓には開閉の手間が増えることや、対応できる窓種に制限があるという側面もあります。その点、カバー工法によるサッシ交換は改修の自由度が高く、住まいの条件によっては有力な選択肢であることに変わりはありません。

アルミサッシの断熱リフォームにかかる費用目安

アルミサッシの寒さ対策を検討する際、多くの方が最も気になるのが「費用はいくらかかるのか?」という点ではないでしょうか。断熱リフォームの費用は、選ぶ方法や窓の大きさ、施工条件によって大きく異なりますが、対策ごとのおおよその目安を知っておくことで、現実的な判断がしやすくなります。

ここでは、代表的な断熱方法別に費用の目安を紹介します。

手軽な断熱対策にかかる費用

断熱シートや厚手のカーテンなど、簡易的な対策は数千円〜数万円程度で始めることができます。初期費用は抑えられますが、効果は限定的で、「寒さを和らげる」レベルにとどまる点には注意が必要です。あくまで応急的な対策として考えるのが現実的でしょう。

内窓(二重窓)を設置する場合の費用目安

内窓の設置費用は、窓のサイズや仕様によって異なりますが、1窓あたりおおよそ数万円〜が目安となります。既存のアルミサッシを活かしたまま施工できるため、外壁工事が不要で、サッシ交換と比べると費用を抑えやすいのが特徴です。

また、断熱性の向上に加えて結露や防音の改善も期待でき、費用対効果の高い断熱リフォームとして選ばれています。

カバー工法によるサッシ交換の費用目安

アルミサッシを樹脂サッシなどに交換する場合、カバー工法であっても1窓あたり十数万円〜50万円程度かかることが一般的です。窓のサイズや性能グレード、設置条件によってはさらに費用が上がるケースもあります。

断熱性能は高く、使い勝手も変わらないというメリットはありますが、内窓と比べると費用面のハードルは高くなりやすいと言えるでしょう。

アルミサッシの断熱に補助金は使える?

アルミサッシの断熱リフォームを検討する際、「補助金は使えるの?」という点は費用と並んで非常に重要なポイントです。結論から言うと、工事内容によっては国の補助金制度を活用できる可能性があります。 特に、断熱性能の向上を目的とした窓リフォーム(内窓やカバー工法)は、補助金の対象になりやすい分野です。

内窓は補助金と相性が良い断熱リフォーム

数ある窓リフォームの中でも、内窓の設置は補助金との相性が非常に良いとされています。理由は、比較的少ない工事で断熱性能を大きく向上させられ、効果が数値で評価しやすいためです。

そのため、補助金制度によっては、「内窓を設置することで、実質的な自己負担が大きく軽減される」
といったケースも珍しくありません。

費用を抑えつつ、アルミサッシの寒さをしっかり改善したい方にとって、内窓は現実的で検討しやすい選択肢と言えるでしょう。また、カバー工法によるサッシ交換も、一定の断熱性能を満たせば補助金の対象となります。

補助金を使うために注意すべきポイント

補助金を活用するためには、いくつか注意点があります。

  • 工事着工前の申請が必要な場合がある
  • 対象製品・性能基準が決められている
  • 予算上限に達すると早期終了する
  • 補助金予算に余裕があっても工事着工が間に合わないことがある

そのため、「補助金を受けられなくて後悔した」ということがないよう、事前に補助金制度に詳しい業者へ相談することが重要です。

まとめ

アルミサッシの窓が寒く感じられるのは、素材や構造上の問題であり、住まい方や使い方の問題ではありません。特に、単板ガラスとアルミフレームの窓は外気の影響を受けやすく、暖房効率の低下や結露の原因になりやすいという特徴があります。

こうした寒さ対策として、樹脂サッシへの交換を検討される方も多いですが、必ずしもサッシ交換だけが正解というわけではありません。現在のアルミサッシを活かしたまま断熱性を高める方法として、内窓の設置は非常に有効な選択肢です。

内窓は、断熱性能の向上だけでなく、結露の軽減や防音効果も期待でき、工事規模や費用を抑えながら住環境を改善できる点が大きなメリットです。さらに、補助金の対象になりやすいため、条件が合えば実質的な負担を軽減しながらリフォームを行うことも可能です。

一方で、使い勝手や窓の形状、将来的なリフォーム計画によっては、カバー工法によるサッシ交換が適しているケースもあります。大切なのは、「どの方法が正しいか」ではなく、ご自宅の状況や目的に合った方法を選ぶことです。

アルミサッシの寒さに悩んでいる場合は、まずは現状の窓でどこまで改善できるのかを知ることから始めてみてください。適切な断熱対策を行うことで、冬の寒さだけでなく、日々の快適さや光熱費にも違いを感じられるはずです。

廣澤
廣澤
断熱リフォームの匠では工事前に必ず無料断熱調査を実施しています。断熱リフォームや補助金のことなど、お気軽にご相談ください!
非破壊工法の断熱リフォームで日本トップクラスの実績
非破壊断熱工法の専門店
首都圏で年間200棟の施工実績
業界初の10年間工事品質保証
補助金・助成金の申請も代行
窓・床下・天井を壊さず断熱

1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。

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