断熱等級とは?新築だけじゃない!断熱リフォームで快適&省エネな家づくり|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2026.03.27

建物・暮らしの知識断熱リフォーム

断熱等級とは?新築だけじゃない!断熱リフォームで快適&省エネな家づくり

WRITER

WRITER

廣澤 健一郎

環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。

「断熱等級」という言葉を最近よく聞くようになっていませんか?

日本では2025年4月に断熱等級4が義務化され、新築住宅では最低でも等級4の断熱性能を有する住宅しか建てられなくなりました。日本全体の住宅の性能が高まるのは、様々な面から良いことだと思います。

でも、これは新築住宅だけの話だと思っていませんか?実は、既存住宅でも断熱リフォームによって断熱性能を大幅に向上させることが可能です。断熱等級が高いと、冬は暖かく夏は涼しい快適な住まいを実現できるだけでなく、光熱費の削減やヒートショックの防止にもつながります。

本記事では、断熱等級の基本知識から、リフォームで等級を上げる方法補助金情報までわかりやすく解説します。「寒い、暑い家をどうにかしたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

断熱等級とは?

まず、断熱等級とはどういうものなのかを簡単にご説明します。単純に言えば、住宅の断熱性能を等級という形でレベル分けして性能が低いのか高いのかを表しているものになります。

その根拠として、品確法(正式名:住宅の品質確保の促進等に関する法律)に定められている一定の性能値を満たすものを断熱等級5とか、断熱等級6といった具合に位置づけしているのです。

この品確法によって定義されている断熱等級は1から7まであり、それぞれについての基準が以下の通りとなっています。等級7が最も高く等級1が最も低い断熱性能です。

断熱等級 UA値(W/㎡・k) 導入時期
等級7
  0.26
2022(令和4)年新設
等級6
  0.46
2022(令和4)年新設
等級5
  0.60
2022(令和4)年新設
等級4
  0.87
1999(平成11)年制定
等級3
  1.54
1992年(平成4)制定
等級2
  1.67
1980年(昭和55)制定
等級1
UA値は省エネ地域区分6地域(東京23区等)の場合
断熱等級の判定に使われるUA値とηAC値とは

断熱等級を満たす根拠として使われる数値にUA値とηAC値があります。
【UA値:外皮平均熱貫流率】住宅から壁・床・天井・窓などを通じて外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値のことで、数値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。
【ηAC値:平均日射熱取得率】太陽光などの日射熱が住宅の内部にどれくらい侵入するかを外皮全体で平均した値のことで、数値が小さいほど日射を遮る性能が高く、夏場の冷房効率が良くなることを示します。

日本の住宅の断熱性能に関する法律が法文化されたのは、第二次石油危機の後の1980年(昭和55年)とされています。その後1992年(平成4年)、1999年(平成11年)、2013年(平成25年)と、最近にいたるまで徐々に改正が加えられながら現在まで続いています。

また、2000年の品確法の成立により断熱等級が制定されました。当初は断熱等級1から4までが設置されており4が最高等級という位置づけでした。

しかし実際には、寒冷地をはじめとして等級4を遥かに超える性能の住宅がすでに存在していました。名称はさまざまですが、Q1(キューワン住宅)、パッシブ住宅、HEAT20など、いずれも断熱性能とそれに伴う快適性を実現した住宅を提供する工務店や業界団体が複数あります。

その後も法律には徐々に改正が加えられており、現在は断熱等級7まで設定があります。

年表 断熱性能の基準 備考
1979年(昭和54年) 省エネ法の成立 各分野の省エネ化の道筋が形作られる
1980年(昭和55年) 省エネルギー基準の制定 省エネ基準がはじめて設定される
1992年(平成4年) 省エネルギー基準改正(新省エネルギー基準) 省エネ基準の引き上げ
1999年(平成11年) 省エネルギー基準改正(次世代省エネルギー基準) 省エネ基準の引き上げ
2000年(平成12年) 品確法の成立
断熱等級1〜4
断熱等級が用いられるようになる
2013年(平成25年) 省エネルギー基準改正(平成25年省エネ基準)
断熱等級1〜4
一次エネルギー消費量も評価するように改定(外皮性能の改定は無し)
2015年(平成27年) 建築物省エネ法の制定・ZEH基準制定
断熱等級1〜4+ZEH基準
住宅分野の法律が省エネ法から切り離される
2016年(平成28年) 省エネルギー基準改正(平成28年省エネ基準)
断熱等級1〜4+ZEH基準
計算・評価手法の細分化
2022年(令和4年) 住宅性能表示制度の改定
断熱等級1〜7
断熱等級5,6,7の新設(これまでのZEH基準が等級5相当)
2025年(令和7年) 断熱等級4適合義務化
断熱等級1〜7
新築住宅の断熱等級4が義務化
2030年(令和12年) 断熱等級5適合義務化(予定)
断熱等級1〜7
新築住宅の断熱等級5が義務化予定

参考:地域区分と断熱等級を決定する要素

断熱等級はお住いの地域により要求値が異なります。寒冷地から温暖地まで気候に合わせて全国8つの地域に区分されています。人口の集中する東京23区や横浜市、名古屋市、大阪市、福岡市などは6地域です。

断熱地域区分

以下は、地域区分に対する等級ごとのUA値、ηAC値です。

地域区分 1 2 3 4 5 6 7 8
等級7 UA 0.20 0.23 0.26
ηAC 3.0 2.8 2.7
等級6 UA 0.28 0.34 0.46
ηAC 3.0 2.8 2.7 5.1
等級5 UA 0.40 0.50 0.60
ηAC 3.0 2.8 2.7 6.7
等級4 UA 0.46 0.56 0.75 0.87
ηAC 3.0 2.8 2.7 6.7
等級3 UA 0.54 1.04 1.25 1.54 1.81
ηAC 4.0 3.8 4.0
等級2 UA 0.72 1.21 1.47 1.67 2.35
ηAC

新築住宅に求められる断熱等級

すでに「断熱等級4」は最低限のルールに

日本の家づくりは、2025年4月を境に大きく変わりました。それまでは努力目標に過ぎなかった「断熱等級4」が法律で義務化され、現在はこれに適合しない住宅は建築すら認められません。つまり、新築住宅は最低基準が等級4になったわけです。

かつてのように「断熱材がほとんど入っていない、夏暑く冬寒い家」を新築することは、もはや過去の話となりました。

ポイント解説「断熱と住宅の関係」

一般的に、断熱性能が高い住宅は「冬は暖かく、夏は涼しい」とされます。断熱性能が高いことで、外気温の影響を受けにくくなるので、外がいくら寒くても室内は適切な温度が保たれるというわけです。
 
また、ヒートショックの原因といわれる室内の温度差(暖かくしたリビングと、そうではない浴室や廊下)が小さくなるため、知らず知らず受けている身体への負担も断熱性能が高い家では少なくなります。
 
暑い・寒いといったストレスがかからないため、身体はリラックス状態が保たれることになり、結果として様々な体の不調を軽減する効果があるという研究結果もあります。「冷えは万病のもと」という言葉は、案外真理をついているのかもしれないですね。

次のハードルは2030年の「等級5」義務化

しかし、断熱等級4義務化への変化はまだ通過点に過ぎません。すでに2030年には更に厳しい等級5の義務化が予定されています。

今、家を建てる際に「現行ルールの等級4で十分」と考えてしまうと、数年後には「当時の最低基準で建てた家」になってしまいます。そのため、現在の新築市場では、数年後の基準を見越した「等級5」や、さらにその上の「等級6」を標準仕様とする会社が主流になっています。

HEAT20やQ1.0住宅と断熱等級の違い

等級5・6・7とは別にHEAT20という名称も最近は聞かれるようになりました。HEAT20は2020年に設立された民間団体(一般社団法人)で、「20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略称です。

HEAT20により提唱されている高断熱住宅を、性能ごとに分けたものをHEAT20 G1、HEAT20 G2、HEAT20 G3などと呼びます。HEAT20 G2は等級6HEAT20 G3は等級7にそれぞれ相当する性能を持っていると言って差し支えないでしょう。

グレード 等級との比較 備考
HEAT20 G3 断熱等級7相当 暖房期の最低室温は概ね15℃を下回らない。15℃未満である割合は2%未満。H28基準から暖房エネルギー約75%削減。
HEAT20 G2 断熱等級6相当 暖房期の最低室温は概ね13℃を下回らない。15℃未満である割合は10%未満。H28基準から暖房エネルギー約55%削減。
HEAT20 G1 断熱等級5相当 暖房期の最低室温は概ね10℃を下回らない。15℃未満である割合は15%未満。H28基準から暖房エネルギー約40%削減。

 
HEAT20の他にも、新住協(新木造住宅技術研究協議会)が提唱するQ1.0住宅 level1、Q1.0住宅 level2、Q1.0住宅 level3といった名称もあります。

これは暖房で使用するエネルギーを省エネルギー基準と比較して何%削減するかでレベル分けをしたものです。

Q1住宅 level1だと省エネルギー基準と比べて60%以上削減、Q1住宅 level3だと80%以上削減といった具合で、断熱等級に当てはめるとlevel3が等級6と7の間と言って良いでしょう。

グレード 暖房エネルギー削減率
Q1.0住宅 レベル4 90%〜
Q1.0住宅 レベル3 80%〜
Q1.0住宅 レベル2 70%〜
Q1.0住宅 レベル1 60%〜
地域区分6地域(東京23区等)の場合

 
また、その他にもパッシブハウス・ジャパンが提唱するパッシブハウスという住宅も、住宅の断熱性能を可能な限り向上し、冷暖房設備を極力少なくして快適な生活を実現することを目指しています。

廣澤
廣澤
いずれの団体が提唱する高断熱の住宅であっても、住宅の快適性を向上しつつ、省エネルギー化も両立することで質の高い生活を実現することが目的で、基本的に目指すところは一緒です。

既存住宅リフォームと断熱等級はどう関係するのか

等級が新設されたことにより、新築住宅はより高性能な住宅が市場に供給されるようになりました。しかし、既に建ってから年数が経過したいわゆる「既存住宅」は、手を加えない限りはその住宅が建ったときの性能のままです。

内装や水回りをリフォームすることはメジャーですが、断熱を主目的にリフォームをする方は全体のうちではまだまだマイナーと言って良いレベルです。そして、等級4が義務化されたのはあくまでも新築ですので、既存住宅には当てはまりません。

日本の住宅ストック5,400万戸のうち、等級4を満たす割合はわずか18%程度と言われています。つまり、日本の住宅のおよそ4,500万戸は断熱等級3以下なのです。
住宅ストック5400万戸の断熱性能(令和4年度)
いくら新築が等級4が義務化されたとはいえ、2024年の新築着工戸数棟数は約80万戸程度ですので、仮に毎年同等のペースで新たな住宅が造られたしても、全ての住宅が入れ替わるには50年を超える年月がかかる計算です。

住宅を解体するのも、建て替えるのも高額な費用がかかる上に、解体に伴う建築ゴミが大量に発生しますので、果たしてそこまでして等級6・7を目指すのか、現時点で住宅を所有している人にはかなり厳しい選択だと思います。

廣澤
廣澤
その上で検討の候補に上がるのが、今ある住宅を断熱リフォームして、等級を高めていく方法というわけですね。

断熱リフォームでどこまで等級を上げられるのか

仮に、非破壊断熱リフォームをした場合の性能値を見てみましょう。《断熱リフォームの匠》において断熱リフォームを実施した場合、断熱等級4を上回る性能が確保できます。

断熱リフォームによる断熱性能の変化

参考実績:東京都 築20年 木造家屋

 
また、シミュレーションにて非破壊による断熱リフォームを可能な限り実施した場合を想定すると、理論上のUA値は0.67(W/㎡・K)となりました。

シミュレーションで実施したリフォーム内容
  •  全窓への内窓設置リフォーム
  •  断熱玄関ドアおよび断熱勝手口への交換リフォーム
  •  床下断熱リフォームの実施、80mm
  •  天井断熱リフォームの実施、300mm

これは断熱等級4の性能値(UA値0.87以下)は十分に満たすものの、断熱等級5・6を達成するのはなかなか難しいことを示しています。(※条件によって異なる場合があるため、性能保証ではありません。一例としてお考えください。)

廣澤
廣澤
住宅の性能を示すのは住宅の外皮の性能だけではなく、住宅設備(給湯や冷暖房のエネルギー消費)の性能まで判断が必要になります。したがって、厳密には非破壊断熱リフォームで等級4以上を満たすということではありません。断熱等級4以上に相当する外皮性能になる、というのが正しいです。

断熱リフォームでさらに上の性能を求める場合、フルスケルトンリフォームなど、大規模リフォームとして考えていく必要が出てきますので、相当な費用負担を覚悟する必要があります。

断熱リフォームの補助金や支援制度

最近では、住宅の断熱性能を高めるリフォームに対して、国や自治体の補助制度が設けられています。特に、「内窓の設置」「窓の断熱改修」「断熱材の追加」は補助対象になりやすい工事です。

補助金額は制度や年度によって異なりますが、条件を満たせば費用負担を大きく抑えられます。現在、みらいエコ住宅2026事業や先進的窓リノベ2026事業を始めとした国の補助金から、地方自治体独自の補助金・助成制度があります。

これらを上手く活用することで、既存住宅の実質的な断熱等級の向上を目指すことが可能です。

補助金コラムバナー

まとめ

今回は断熱等級と呼ばれる指標に関して、非破壊断熱リフォームの例を中心に解説いたしました。

断熱等級は単なる性能のランク付けではなく、住まいの快適性や健康、そして省エネルギー性を示す大切な指標です。新築住宅では等級4が義務化され、今後は等級5も最低基準となる流れの中で、高断熱化された住宅は今後一層一般的なものになっていくことでしょう。

しかし、日本の住宅の大半は等級4に満たない性能の「既存住宅」です。費用面から考えても容易に決断できるものではありません。だからこそ、今ある住まいを活かしながら性能を引き上げていく断熱リフォームには、大きな意義があると言えるのではないでしょうか。

すべての住宅が最高等級を目指す必要は決してないと思います。大切なのは、今の住まいの性能を知り、ご家族にとって無理のない範囲で最適な断熱性能を考えることです。

断熱等級という“ものさし”を上手に活用しながら、快適で安心できる住環境を整えていくことが、これからの住まいづくりの鍵になるのではないでしょうか。

廣澤
廣澤
断熱リフォームの匠では工事前に必ず無料断熱調査を実施しています。断熱リフォームや補助金のことなど、お気軽にご相談ください!
非破壊工法の断熱リフォームで日本トップクラスの実績
非破壊断熱工法の専門店
首都圏で年間200棟の施工実績
業界初の10年間工事品質保証
補助金・助成金の申請も代行
窓・床下・天井を壊さず断熱

1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。

トップページへ
断熱リフォームの匠が選ばれる理由
価格・プラン
お客様の声・施工事例
断熱無料調査についての詳細
断熱無料調査のお申し込み