家の寒さが解消『断熱リフォーム』とは?お家を賢く温める方法を紹介|断熱リフォームの匠

コラム

2022.02.22

断熱リフォーム

家の寒さが解消『断熱リフォーム』とは?お家を賢く温める方法を紹介

高性能グラスウール

WRITER

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

「毎年、冬になるとエアコンをつけても暖かくならず、家が寒くて仕方がありません。根本的に解決するにはどうすれば良いですか?」

 
こんにちは、《断熱リフォームの匠》の矢崎です。

「リビングが寒い」
「寝室が寒い」
「廊下が寒い」
「とにかく家中が寒い!」
「防寒をしても暖かくならない」

実はこう感じてしまう一番の原因は「家そのものが寒い格好をしていること」にあります。

人間に例えると、Tシャツ一枚で寒いからと言ってストーブや使い捨てカイロを使っているようなものです。

では家にとっての防寒とは何か?それが「断熱材」です。

このページでは、家の寒さを解消する断熱材について、詳しくお話ししていきます。

家が寒いのは「服を着ていない」のと同じだから?

断熱材の役割は、冬の寒さ(夏は暑さ)を室内に入れないことにあります。

充分な厚みを持った断熱材がしっかりと使われていれば、外の寒さを遮断して快適な室内空間を保つことができます。

しかしながら、実は日本では断熱材が不足している家が非常に多いのです。

こちらのグラフをご覧ください。


国土交通省が調べた日本の住宅の断熱性能についての統計データです。多くの住宅が現在の基準に達していないことが分かりますね。

断熱性能が低いということは、室内でエアコンやストーブなどで生み出した熱をそのまま外に逃がしてしまっていることになります。

暖房をつけていても、なんだか足元が寒い、冷たくて素足でフローリングを歩けない、と言うのは断熱性能が不足しているからなのです。

「寒い家」の床下はどうなっているの?

「断熱材がない家ってどんな家?断熱材がある家とどう違うの?」と思われるかも知れませんね。

実際の事例をご紹介いたします。

いずれも《断熱リフォームの匠》で断熱診断にお伺いしたお客様の家の床下写真です。

不足している断熱材

築25年ほどの住宅です。断熱材はしっかり入っていたものの、その厚みは30mm程度。現行の省エネルギー基準からすると、断熱性能は完全に不足しています。

人間でも真冬に秋口に着るような服では寒さを防ぐことはできません。

一見ちゃんと断熱されているように思えるかも知れませんが、実際にはこの素材でこの程度の厚みでは充分とは言えないのです。

そもそも断熱材がない

こちらのお宅は築30年以上の物件です。

床下にはそもそも断熱材がなく、床組みがむき出しの状態でした。床下と床上の空間を隔てているのは床板のみ。これでは寒いのは当然です。

床下は、基礎の換気口から外の空気が流れ込みます。つまり外気温とほとんど変わりがない状態なのです。

足元が底冷えする理由、何となくお分かりいただけたのではないでしょうか?

脱落した断熱材

こちらの住宅は築20年ほどで、断熱材そのものの性能は悪くありません。しかしその肝心の断熱材が脱落し、裏側の床板が見えてしまっている状態でした。

断熱は隙間がないことに意味があります。

窓を開けながら暖房をつけても部屋は暖かくなりません。

せっかく断熱材が入っていても、隙間が空いていると熱はそこから逃げていき、断熱材の意味がなくなってしまうのです。

これまで「家の中が寒い」とご相談をいただいたお家で床下を点検してみると、こういった状態になっているケースがとても多かったです。断熱材の不十分さが家の寒さを引き起こしていることがよく分かります。

家の寒さを克服する「断熱リフォーム」とは?

断熱リフォームがなぜ近年注目されている?
寒い家を暖かくするには「服」を着せてあげること、つまり、断熱材をしっかりと入れ直してあげることが大切です。これを「断熱リフォーム」といいます。

断熱リフォームは近年になって徐々に脚光を浴びるようになってきました。

それは、家の寒さが病気や事故の原因となっていること、反対に「家の断熱化」でそれらのリスクを軽減できることが、近年の研究で明らかになってきたからです。

部屋が寒ければ体温は低下しやすくなりますし、その分免疫力が落ちて風邪を引きやすくなります。

冷たい家を無理やり暖かくしようとすれば結露が発生しやすくなり、その分カビやカビを餌にするダニも繁殖しやすくなってしまいます。

ダニの死骸を吸い込めばアレルギー症状やぜん息の原因になりますし、アトピー性皮膚炎などの病気も引き起こしかねません。

また、消費者庁の発表によれば、令和元年(2019年)における高齢者の「浴槽での溺死および溺水」による死者は4,900人で、交通事故による死者(3,215人)よりも多く発生しています。

これは、リビングと寒い浴室との温度差により心臓に負担がかかってしまうことが原因だと多くの医学の専門家が分析しています。

このように、家の寒さが原因でさまざまな「負のスパイラル」が起きていることが分かってきました。と同時に、断熱性能の高い家に住むことで健康状態が改善されることも大学の研究等で報告されるようになってきたのです。

断熱リフォームは「生活と健康への投資」
世間では「寒さはガマンできるもの」という考えが常識になっているように感じます。

実はこの価値観は日本に古来から存在するもので、700年以上前の文献を読み解いても似たような主張が記されています。

しかし、私としては現代においてもこの考えを貫く必要があるとは思っていません。

なぜなら、寒さが明らかに健康を害してしまうことは既に科学的な実験データとして示されているからです。

私たちは日常生活の半分以上を家の中で過ごしています。

寒い寒いと感じながら生活すれば心身に負担をかけてしまうのは当然といえば当然かも知れないですね。

また、経済的な観点から見ても断熱が充分でない家は熱が逃げやすく、部屋を暖めてもすぐに冷えてしまいます。

暖かい部屋を維持するために、ずっと暖房を運転し続けなければいけません。

余計な光熱費をかけながら不十分な状態で過ごすよりかは、その分の費用を家に投資して、住宅の断熱化を実現し、省エネをしながら快適な空間を手にすることは十分理に適っています。

これらのことから、私は断熱リフォームを「生活と健康への投資」だと思っています。

断熱リフォームにはどんな種類がある?

では、断熱リフォームとは具体的にどのような種類があるのでしょうか?

お客様から断熱リフォームをご相談いただく中で「いろいろ断熱のことを調べたけど、どこまでやれば良いのか正直わからなくなってしまった」というお話も時々うかがいます。

たしかに、断熱リフォームの情報は人により見解や主張にかなりバラつきがあり、一概には言えないのが現状です。

そこで、断熱リフォームの種類についてまとめてみました。

断熱リフォームとは、

  • 床の断熱材
  • 天井(・屋根)の断熱材
  • 壁の断熱材
  • 開口部(窓・ドア)

 
を最新の基準にするためのリフォームです。

断熱材としては

  • 高性能グラスウール
  • 現場吹きつけ発泡ウレタン
  • 発泡ポリスチレンフォーム
  • セルローズファイバー

 
などの断熱材が使用されます。それぞれ、素材となる原料、施工に必要な日数、費用、などが異なります。

また、家の中でも部位を限定して

  • トイレ
  • 和室
  • キッチン
  • リビング
  • 浴室

 
など、限られた区画のみの断熱性能をあげる方法もあります。

ちなみに先ほど「窓」をあげた理由は、窓の性能と家の寒さは大きく関係しているからです。というのも、建物の中で一番熱が逃げやすい場所は窓なのです。

性能の良い窓に交換すれば、部屋の寒さを改善することができます。

また余談として、建物の外側から丸ごと断熱材で建物を覆ってしまうという方法もあり、「外張り断熱工法」と呼ばれています(先ほど紹介したようなそれぞれの部位ごとに断熱リフォームを行うやり方は対照的に内張り断熱工法といいます)。

建物全体を覆うため、先ほどもご紹介したように隙間から熱が逃げにくく、断熱材の特性を大きく活かすことができますが、足場を組んでの外壁の張り替えなどの工事が必要になるため、非常にコストがかかるというデメリットもあります。

断熱リフォームで「賢く」家の寒さを解消させよう

断熱リフォームはお金がかかる?


さて、ここで問題になるのが「どの部位をどんな方法でリフォームするべきなのか?」です。

確かに最も理想なのは、天井、床、壁、窓・・・と全ての部位のフルセットリフォームです。

窓や玄関ドアを交換したり、床・壁・天井を剥がして柱と柱の間に断熱材を詰め直せば、別世界と言えるほどに過ごしやすくなります。

ただし、このフル断熱リフォームは費用面でも労力面でも非常にコストがかかります。

床も壁も剥がすので、その間は仮住まいに引っ越す必要があります。ベッドやテーブルなど家具の移動も必要となるでしょう。

さらに、そこまでの工事をするなら、ついでにキッチン等の水回りのリフォームや室内の模様替えもやろうと考えるのが一般的です。

諸々を全て考慮すると、最終的なリフォーム費用は1000万〜1500万円ほどは見ておいた方がいいでしょう。

気軽に「よし、やろう」と言える金額ではないと思います。

とはいえ、私たちの目的はあくまでも「建物の断熱性能を高めて部屋の寒さを解決すること」だったはずです。

次の章では、目的とアプローチを工夫して費用や労力を抑える方法について詳しくご紹介します。

断熱リフォームを優先すべき部位はどこ?


まず大事なのは「費用対効果」を見極めるということです。

先ほど、断熱リフォームの部位には

  • 天井(・屋根)
  • 開口部

 
の4つがあるとお話ししましたが、寒さを改善するために特に重要なのは

  • 開口部

 
の2つです。

建物は部位によって熱の伝わり方に違いがあります。最も熱の影響を受けやすいのは窓です。窓は構造上、他の部位よりも薄くせざるを得ないのでその分寒さが伝わりやすくなっています。

また、床下は外の空気を常に取り入れる仕組みになっており、外気とほぼ変わらない状態です。その寒さが取り合いの隙間などから直接部屋に流れ込んでくるため、こちらも寒さの影響を受けやすくなっています。


寒さを効率的に改善するためには、まずは優先的に床と開口部(窓)、この2つの部位のリフォームを優先して行うようにしましょう。

反対に、壁や天井は建物全体で見たときに効果の大きさはさほど大きくありません。

建物の中でも熱が逃げやすい場所は大体決まっています。壁や天井は元々それほど熱が逃げやすい場所ではないのです。

特に壁は後述しますが断熱材の取り替えそのものが難しく、もし実施するのであればどうしても先ほどのフルリフォームのような形を取らざるを得ません。

これらのことから、壁や天井は寒さ対策の上であまり重要ではない部位と言えるでしょう。

「工法」で断熱リフォームのコストが変わる?

次に大事なのが「工法」を工夫するということです。

というのも、断熱材の交換・追加は先ほどお伝えしたような床を剥がして行う方法だけではありません。

床下に断熱材を直接搬入し、床下で作業をするという方法であれば、床や壁を剥がすことなく断熱材だけを新しくすることができます。

この工法のことを「非破壊工法」といいます。


非破壊工法による断熱リフォームは、工期や費用を大幅に抑えることができます。

例として、床面積50㎡前後の住宅での床の断熱リフォームによる底冷え対策を考えてみましょう。

普通の断熱リフォームでは、床を剥がす大工工事が必須ですので、その費用を加えると、総額で150万~250万円が必要になります。

また、床を剥がしている間は部屋が使えなくなりますので、1週間程度の仮住まいの滞在費も必要になります。

一方、非破壊による床の断熱リフォームは、床を剥がさないため工事も最短で1日で終わりますし、何より引っ越しの必要がありません。

工事全体にかかる費用はおよそ50〜60万円ほどになります。

もし、寒さは何とかしたいが大規模なリフォームまでは考えていない、あるいは家が暖かくなればそれ以外のリフォームをするつもりは無いとお考えでしたら、「非破壊断熱リフォーム」が最適な選択と言えるでしょう。

同時に「窓」のリフォームをすれば効果大!


家の寒さは床からの底冷えに原因があるのではないか?と思われがちですが、実はそれと同じくらいに重要な寒さ対策が「窓」の断熱リフォームです。

冬場の寒いときに窓際に寄ると、窓近くの空気がひんやりしている状態に覚えはありませんか?窓の近くはとても空気が冷えやすくなっています。

また、窓際で冷やされた空気は下に溜まり、だんだん部屋の内側まで流れ込んできます。この現象を「コールドドラフト」と呼びます。

床が冷たく感じるのは、実は窓から冷たい空気が流れ込んでくるのが原因というわけです。

そもそも窓際の空気がどうして冷えやすいのかというと、窓は断熱性能がとても低いからです。

特にアルミ製のサッシと一枚板のガラスで構成されたいわゆる「普通の窓」は、熱をとても良く通すので室内が寒くなる大きな原因となるのです。

だからこそ、もし断熱材をリフォームするのであれば、同時に窓のリフォームを行うことを強くおすすめします。

最も手軽な窓リフォームは、「内窓の取り付け」です。今ある窓には手を加えずに、窓を追加で設置することで二重窓にします。

二重窓にすれば室内から室外へ移動する熱の大部分を抑えられるため、費用対効果の面では最も優れていると言えます。

一応内窓の他には、窓枠の上から新しい窓枠を被せる「カバー工法」や今ある窓をそのままにして、ガラスだけを高性能なものに交換する方法もあります。

しかしいずれも、費用が少し割高になったり、断熱性能が内窓ほど暖かさは見込めなくなったりと、どちらかというと見た目や使い勝手の維持を優先したい場合にのみ採用するのがおすすめです。

コストと効果の「バランス」で選ぼう


もちろん、非破壊断熱リフォームも万能ではありません。

スタッフが床下や天井裏のスペースに潜り込んで作業をする以上、家の構造によっては工事が行えないこともあります。

例えば、床高が低く、人の進入が難しい建物では非破壊工法でのリフォームを行うことはできません。

また、非破壊工法でのリフォームは施工できる部位が天井・床・窓の3つに限定されます。壁の断熱リフォームを行う場合は、必ず一度既存の壁を剥がす必要があるからです。

当然、断熱性能の向上は100点満点とはいかず、60点〜80点といったところでしょう。

とはいえ、それでも大幅な性能アップであることは間違いありません。床の底冷えがなくなるだけで、ずいぶんと暖かく感じるようになります。

もし、

「真冬でも半袖で過ごしたい」
「暖房を一切使わない家にしたい」

と希望される方は”フル断熱”を行う必要があります。徹底的に性能にこだわり、フル断熱リフォームをお考えいただくのがベストでしょう。

やはり大事なのはコストと効果の「バランス」です。

とはいえ、

「そもそもそういった詳しいことはわからない・・・」

という場合もあると思いますので、まずは遠慮せず断熱調査をご依頼ください。

さいごに


今回は寒さを解消するための断熱リフォームについて解説してきました。

断熱リフォームには寒さを解消する力があります。

もし、冬場の肌寒さが気になるのなら、断熱リフォームを実施すればより快適に日々を過ごせる空間を作ることができます。

私たち《断熱リフォームの匠》では、現在のお家の断熱材の性能調査やリフォームのお見積りを無料で行っています。家の寒さが気になる方は、どうぞお気軽にご連絡くださいませ。(《断熱リフォームの匠》はこちら)

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。